
伝統を繋ぐ親子の物語
さて、本日は竹虎にとって非常に光栄な出来事を、お話させていただきたいと思っています。実は先日、朝日放送のテレビ番組「一志相伝(いっしそうでん)」にて、当社の竹職人である親子が取材を受けました。「一志相伝」は、一つの志を次世代へと繋いでいく職人たちの姿を追う番組です。今回、日本で唯一の虎斑竹を使い、ずっと製作の続いてきた伝統の袖垣を作り上げる父と子の物語を取り上げていただいたのです。

はじめての親子での取材
初めて肩を並べてインタビューに答える二人の姿には、親子としての照れ臭さと、同じ道を歩む竹人としての信頼感が混ざり合っているようでした。虎竹という、この地にしかない地域資源を守り続ける。そのバトンを渡す側と、受け取る側の思いが、今回の一志相伝というタイトル通り一つの志として繋がっていることを感じます。この伝統の重み、そして職人の手のぬくもりが番組から伝わればよいと思っています。

袖垣の製作
虎竹を使った袖垣作りは、簡単に見えて実は意外と手間のかかる職人仕事です。一般的にあまりご覧になる機会も少ない竹製品なのですが、皆様は袖垣の柱部分は一本の竹材で製作されていると思われているようです。ところが、玄関脇や庭で雨ざらしで使われるものなので丸竹そのままでは耐久性に欠けます。そこで、孟宗竹の芯材に細く均等に割った虎竹を飾りとして巻き付けるという手の込んだ作り方が昔から継承されてきました。

見えない芯材の仕事
袖垣は完成してしまうと、表面の虎竹だけが目に入りますが、実はその内側にも長年培われた技が隠されているのです。袖垣の土台となる芯材は、雨風にさらされる袖垣が何十年と形を保ち続けるために、丁寧に切れ込みを入れて美しい曲げを作ります。この見えない部分の芯材の仕事が大事なのです。

伝統を守ることは、変化し続けること
取材が進む中でインタビューに応じる親子の言葉には、共通する竹への愛情がありました。父は言います。「自分たちの代で終わらせてはいけない。この虎竹の美しさを、次の世代にも伝えたい。」息子は応えていました、「父をはじめ先人が守ってきた技術を完璧に自分のものにした上で、これからの時代に喜ばれる竹製品を作っていきたい」。職人魂などと言うと大げさにも聞こえます、けれど、この継承こそが、技術を伝えること以上に難しく、そして最も価値のあることだと私たちは考えています。

撮影終了後のふたり
カメラの前では少し緊張していましたが、竹と向き合う熱量は、まさに「一志相伝」そのものでした。
伝統とは、単に古い形を守ることではありません。親から子へ、技と共に志を繋ぎ、その時代感を取り込みながら磨き続けていくこと、変わり続けていく事だと改めて教えられた気がします。放送を通じて、高知県須崎市安和にしかない虎竹の魅力、職人の想いが、全国の皆さまの心に少しでも届けばと思います。
虎竹片袖垣枝屋根付きの作り方
テレビ放映日は、まだ未定です。番組を待ちきれない方、一度じっくりと職人の手捌きを見たい方は、こちらのYouTube動画をぜひご覧ください。いつもご紹介する虎竹玉袖垣ではなくて、虎竹片袖垣枝屋根付きという少し変わった型の製造過程となりますが、竹虎のウェブサイトの静止画では伝えきれない、作り手の息づかいまで感じられるのではないかと思います。こうした技を、そして、自分たちの虎竹と、竹文化を次世代へと繋いでいきます。
