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手にしたブックカバーは、超レアなゴマ竹

ゴマ竹ブックカバー


ゴマ竹とは?

日本には本当に竹の国です、世界に1300種類ある竹なんですが、そのうち何と600種が日本国内にあるのです。一般方に少し分かりづらいのは、竹と笹との区別があいまいなのと、見た目には簡単に区別のつかないような竹があること、そして、まったく同じ竹でも地域によって呼び名が複数ある事です。さらに、同じ竹が状態によって違う竹になり、呼び名が変わることもあるから複雑です(笑)。ゴマ竹は、同じ竹だったものが、時間の経過と共に変化して別の竹と認識されるようになる竹。何かの拍子に立ち枯れしてしまった竹に、アピオスポレラ・バンブサエ(ゴマ菌)という糸状菌(カビ)がついて、ブツブツのゴマが竹表皮にできるのです。このブックカバーは、そんな超レアな竹材を使って作られている国内で数個あるか?ないか?の作品です。


ゴマ竹


職人技で作るゴマ竹という銘竹

立ち枯れした竹材だから、朽ちているのでは?だったら製品には向いていないのではないだろうか?そう疑問に思われた方は、素晴らしいです!その通りなんです。竹林の中で自然とゴマ竹になった竹材は朽ちてしまっているのがほとんどで、竹材としての活用はできません。なので、実は製品利用されるゴマ竹は、自然界でできるゴマ竹とは違い、職人の手によって竹林で意図的に作られています。竹は3年生くらいが伐採の頃合いなので、5~6年生は少し古い竹材となりますが、ゴマ竹にはこの辺りの年代の竹を使います。よく目にするのが、太い孟宗竹です、でも、孟宗竹でないとダメかと言うとそうではありません。虎竹でもゴマ竹になりますから真竹でも淡竹(はちく)でも黒竹のように細い竹材であっても同じような竹表皮の状態は作ることができます。


ゴマ竹の竹林


ゴマ竹を作る驚愕の竹林

けれど、このゴマ竹の作り方が本当に独特なのです。10年ほど前にもご紹介した事がありますので、その時に撮った画像を久しぶりに見ました...やはり、かなり異様な雰囲気です。知らずに、この竹林に入ってきていたなら大声をあげて、腰を抜かすほど驚くに違いありません。何と、竹の先端と枝がすべて切り落とされ、稈だけが竹林に何本も立っている、まさに悪い冗談のような光景なのです。竹には少々可哀そうですが、こうして光合成できなくして人工的に立ち枯れの竹にします。3月にこのような状態にした竹は、竹林にいるゴマ菌が梅雨の湿気によって竹に作用し、晩秋にはツブツブのゴマが表れますから職人が自然の力を利用して作りあげる竹材と言えます。


小さい頃、虎竹の竹林で遊んでいてゴマ竹を初めてみました。手でなぞるとブツブツの触り心地で、単なるシミや模様ではなく、実際にゴマ状のものが竹表皮にできていて、不思議に感じたことを今でも覚えています。茶道のワビサビに通じるような竹であり、好まれる方もいると思いますので、おそらく誰か先人が試行錯誤してゴマ竹を製品化できるようにしたと考えられます。需要は少なくなっても、その文化が現代でも残っているのが素晴らしいし、これからも絶えることなく続けていかねばなりません。





竹虎四代目

竹虎四代目
YOSHIHIRO YAMAGISHI

創業明治27年の老舗竹虎の四代目。100年守り続けた日本唯一の竹林を次の100年に繋ぐ。日本で二人だけの世界竹大使。

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