
ジャパン・ハウス(Japan House)とは?
突然ですが、皆様はジャパン・ハウス(Japan House)という場所をご存知でしょうか?これは外務省が創設した、日本文化の真の魅力を世界に発信するための素晴らしい発信基地なのです。現在はイギリスのロンドン、アメリカのロサンゼルス、そしてブラジルのサンパウロという世界3都市に展開されています。何を隠そうこのジャパン・ハウスと竹虎には、とても深くてご縁があるのです!

サンパウロ・ロサンゼルス、世界に向けて
実は、ボク自身、これまでもジャパン・ハウスの活動には何度か関わらせていただいてきました。確かジャパン・ハウス サンパウロ(Japan House São Paulo)の立ち上げの企画でした、記念すべき最初の展示テーマは日本文化と深い関わりをもつ「竹」だったのです。そこで、南米など今まで行った事もなかったのですが、お招きいただき現地の方々に向けて「竹を使った持続可能な地域資源の活用」についての講演をさせていただいたことがあります。

世界有数の竹林?ジャパン・ハウス サンパウロ(Japan House São Paulo)
竹は南方系の植物なので考えれば当然ではありますものの、ブラジルと竹とはあまり結びついていませんでした。ところが、アマゾン流域には世界最大級とも言われる竹林が広がっていると聞きます。そして会場には、そんな豊富な竹資源活用を真剣に考える竹業界の方々や竹職人の方が沢山お集まりでした。そのような場所で、竹の持つ無限の可能性と、持続可能な社会(SDGs)における竹の重要性をお話しさせて頂いたのは本当に素晴らしい思い出です。

日本の里山の竹林
サンパウロ近郊には、日本からの移民の方が故郷から持ち込まれた孟宗竹や淡竹の竹林が広がっています。南方系に見られる株立ちの竹とは違い、日本の里山を思い出させるような竹の姿に、遠い異国に来られた皆様の心をどれだけ癒したろうかと思いながら散策させてもらいました。

広大な国土のブラジル
さらに余談ですが、その時にブラジル各地から来られた皆様の中には、その後日本に来日され竹虎にお越しいただいた方々もおられました。また、なにせ広大な国ですから「隣町から来た」と、口々に言うけれど、皆さん飛行機やらバスで数日かけてお集まりになられた方々に驚きと感動の数日間でした。

ジャパン・ハウス ロサンゼルス(Japan House Los Angeles)
ジャパン・ハウス ロサンゼルス(JAPAN HOUSE Los Angeles)では、オンラインを通じて竹文化を伝える「日本文化と暮らしに息づく竹~竹の無限の可能性」と題したウェビナー形式の講演をさせていただきました。モニター越しではありましたが、ボクたちが100年守り続けている日本唯一の虎竹を使って、竹芸家の四代田辺竹雲斎さんが創作されたインスタレーションを感じつつ、海を越えて広がる竹への関心にボクの方が大いにエネルギーをいただいたものです。そんなわけで、ジャパン・ハウスと聞くと勝手に親しみと、感謝の気持ちでいっぱいになってしまいます。

日本では忘れられかけた竹
日本国内では、「竹細工? ああ、昔おばあちゃんの家にあったね」「最近はプラスチックがあるから...」と、どこか過去の遺物、あるいは忘れ去られた存在のように感じられている方もおられると思います。あるいは、手入れされなくなった放置竹林での「竹害」という、ボクたちにとってはあまり嬉しくないイメージを持たれているかも知れません。けれど、一歩日本を飛び出して、海外からこの国を見つめ直してみると、全く違う景色が広がっています。

持続可能な天然資源
世界では、環境意識の高まりから、毎年自然に筍が生えて、たったの3ヶ月で親竹と同じ大きさに成長するという、持続可能な天然資源としての竹に関心が集まっているのを感じています。

日本の伝統的な竹文化の中にある
世界竹機構(World Bamboo Organization)という国際的な団体には、50カ国の国と地域から人が参加し、竹の利用促進と情報交換を目的として活動しています。そこでは、自然と共生してきた日本の精神性、職人の息をのむような美しい手仕事も注目され、高く評価されているのを感じます。今、世界が求めている地球に優しい生き方の答えが、日本の伝統的な竹文化の中にあるのではないかとさえ思うのです。

イギリス・ロンドン『土佐虎斑竹』展示
そんな世界からの熱いラブコールを象徴するかのような、竹のイベントが先月からスタートしています。ジャパン・ハウス ロンドン(Japan House London)にて、2026年6月25日(木)から8月25日(火)までの2ヶ月間にわたり、特別展示『土佐虎斑竹』が開催されているのです。イギリスはロンドンにて、高知県須崎市安和の、わずか1.5キロの狭い地域でしか色づかない奇跡の虎斑竹がスポットライトを浴びています。
もし、よろしければジャパンハウスロンドンのウェブサイトにアクセスください。動画の中で日本唯一の虎竹の籠たちをご覧いただけます。そう言えば、今回の展示でずっと昔のことを思い出しました。もう40年近く前のことですが、同じイギリスからBBC放送が取材にこられたことがあるのです。初めて海外から来られたメディアの皆様に、戸惑ってばかりで何もできませんでした。ただ、虎竹の竹林で「ミラクルバンブー、ミラクルバンブー」と撮影隊のお一人が連呼していたことだけ覚えています。

言葉の壁を超える、ロンドン「ハンドリングセッション」
そして、この会期の終盤である8月18日(火)に、竹虎四代目によります特別な企画が用意されています。竹をより深く知っていただきたいと思って開催するハンドリングセッションです。普段、美術館や展示会に行くと、「お手を触れないでください」という文字ばかりが目に入ります。竹籠は、見るだけでも確かに美しいけれど、竹の本質はそこだけではありません。

五感で感じる日本の竹
今回のイベントでは、ただ竹を眺めるだけではなく、参加者の方々には竹を実際に手に取って触れて、竹の部位や種類による違い、強さ、鋭さ、やさしさ、硬さ、しなり、堅牢さ、心地よさ、軽やかさ、楽しさ、便利さ、多様性を知り、それらの特性を活かしきる先人の感動する英知に触れていただきます。竹と一言にいっても、硬さと柔らかさという相反する性質を併せ持つ不思議な素材、魅力満載の竹を五感を通して感じてもらえると思います。セッション終了後には、竹への考え方や向き合い方まで、まったく違ってくるくらいの濃密な時間にしたいと考えています。

インドの国立デザイン大学での気づき
実は、今度のセッションは今年の1月にインドの国立デザイン大学(National Institute of Design)で、学生さんたちに向けて行った講義・ワークショップがヒントになりました。言葉は通じなくても、竹に直接触れることで、言葉の壁を超えて、竹の本質的な理解が一瞬で深まったと感じました。ロンドンの皆様が、竹を手にした時にどんな表情を見せてくれるのか、今から楽しみで仕方がありません。

お問い合わせはジャパン・ハウス ロンドンまで
詳しい情報とハンドリングセッション参加のお申し込みについては、まだ未定となっています。ジャパン・ハウス ロンドンの公式ウェブサイトにて掲載・受付が行われる予定です。詳細が分かり次第、ボクもブログやSNSでもお知らせさせていただきます。イギリスの皆様にお会いして、日本の竹をお伝えできることを楽しみにしています(笑)。
