トンノスという名の背負い籠

2020年4月17日

トンノス、背負い籠


冬は雪で閉ざされるに違いない急な山道を登っていくと道路工事のために通行止めだ。慌てて違うルートを探すと何とか車一台が通れるだけの道幅がある田んぼをぬうように走る道が見つかった。そうして2時間近く遠回りして、ようやく辿り付いた農家さんにあったのが「トンノス」と呼ばれる背負い籠だ。


山芋籠


背負い籠と言うと昔から農作業、山仕事に多用されてきたので竹虎にも六ツ目の定番の形を含めて7~8種類の籠があったが現在ではあまり作られることもなくなった。





先日の動画に登場した山芋籠なども、鰻ウケを入れて撮っているので冗談のように思われる方がいたらいけない。本当にあの籠は山で掘った長い山芋を、そのまま持ち変えるための背負い籠なのである。


トンノス、背負い籠


この「トンノス」という背負い籠も製作できる職人はただ一人となっている。鳥の巣に似ていることから知らぬ間にトンノスと名前がついた、縦の丈夫な骨竹には孟宗竹が使われて、横編みにはしなりのある真竹が使われている。藁で編まれた背負い紐を見ていたら、在りし日の名人を思い出して胸が熱くなった。
















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鬼おろし、リニューアル

2020年4月16日

鬼おろし


鬼おろしをリニューアルした事には何度かお話しさせていただいていますが、タイミングは良かったのかも知れないと思っています。竹は毎年季節になると筍が頭をだし、3カ月で親竹と同じ背丈まで成長し、わずか3~4年で製品加工できるというサイクルの早い植物です。そのため継続利用可能な優しい自然素材のと言われます、そして同時に樹齢の長い木材などに比べて自然の変化を受けやすい植物でもあるのです。


虎竹の里、竹虎四代目(山岸義浩)


虎竹の里では「霜が降りると色がつく」と聞かされてきた伝承があります。近年の温暖化で竹の色が芳しくなくり、それが本当だったのかと身に染みて感じているのが正直なここしばらくの感想です。気候の変化は虎竹だけでなく他の竹、例えばこの鬼おろしの素材である孟宗竹にも影響しているように思えてなりません。真竹などにしても、その年により微妙に差がありながらも全国的にその品質は段々に下がっているように感じます。


鍋セット


気温だけでなく、山の職人の高齢化が関係していることも考えられますけれど昨年のような竹製品への虫害は避けなければなりません。それが今回のリニューアルに繋がりました。薬剤を使って防虫するのではなく熱と圧力で蒸焼状態にする加工法ですので安全です。ただ良い事ばかりでもなくて色が黒っぽくなりますから最後ウレタン塗装のシミが見えやすくなります。昨年まで販売されていた本来の白い竹肌に慣れている方には又ご意見なども頂きながら、ひとつづつ進んでいかねばなりません。
















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ニギョウ箕を眺めながら

2020年4月15日

ニギョウの箕


この赤っぽい色合いの箕をご存知でしょうか?縦にヤナギや桜皮、横にニギョウ(サルナシ)の皮を編み込み縁には根曲竹を使った知る人ぞ知るニギョウ箕なのです。見たばかり強調される事が多いようですが、意外なほど軽く柔軟性のある使い心地はさぞ多くの農家さんで喜ばれた事だと思います。


岩手県北部の山間、美しい緑の中を沢伝いに上って行った所にある面岸(おもぎし)地区。今では、わずか数名の職人さんが残るだけの静かな集落ですが、昔から面岸の箕と呼ばれてきたこの箕作りが盛んだった場所です。竹ではないものの山の恵みを十二分に生かし切った緻密な編み込みと形が魅力的でたまに思い出したように他の箕と共に眺めています。


別注箕


ニギョウ箕のようにハ型に広がったものもあれば、先日職人さんに別注で編んでもらった口を閉じ気味に仕上げる箕もあります。農家さんの注文によって箕も様々な形や大きさが今でも編まれているのです。


桜箕、日置箕


実はニギョウ箕は数ある箕の中でも美しい事で知られていますけれど、イタヤカエデを使うオエダラ箕も編み上がったばかりの優美な白さ、使い込まれた深い飴色の艶やかさは引けを取りません。しかし、どれか一つと言われれば、やはり蓬莱竹を使う桜箕が最高傑作だと思っています。













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竹炭で木琴!?だから出来るペンダント

2020年4月14日

竹炭ペンダント


竹炭ペンダントと聞いても、あまりイメージできない方が多いかも知れません。炭だから服や手に黒く付いてしまいそうでアクセサリーとは程遠い存在のように感じられると思うのです。ところが、1000度の窯で焼き上げた最高級竹炭は硬度が高まり簡単に割れる事もありませんし、磨けば黒く色が付着してしまうような事もありません。


どんなに硬くなるかと言いますと、叩くと金属音がするほどです。それでは一体どんな音でしょうか?実は竹炭で木琴ができるほどなのです!かなり古い動画ではありますが、高知の動物園で撮影した貴重な演奏です(笑)。





ご覧いただきまして、いかがだったでしょうか?これが竹炭の音!?と驚かれるような澄んだ音色だったと思います。焼き上げた竹炭を一本づつ音を聞いて作られた竹炭の木琴、昔はこのような凝った竹炭楽器もあったのです。


孟宗竹


さて、この竹炭の原材料は皆様ご存知の通り日本最大級の竹であります孟宗竹。太く、身も厚く竹炭には最適の素材です、綺麗な節がありますので竹炭ペンダントにも場合によっては節の入った面白いものま交じっています。


竹炭首飾り


孟宗竹を焼き上げたペンダントトップに、虎竹を使った丸竹炭を合わせて一つのペンダントにしました。勾玉、しずく、ハート、ダイヤ、丸の5種類、それぞれ限定で今回限りのご紹介です。


竹炭ネックレス


表面は美しく磨かれ素肌に触る感触も心地よいのは本物の竹炭ならではです。ただし、硬いと言っても強い衝撃などには割れてしまう事もありますので十分ご注意ください。自分も愛用していた半月形の竹炭ペンダントを割ってしまった苦い経験がありますので。


竹炭ペンダント


さらに竹炭ペンダントには「竹虎」の文字入り、黒に赤が映えてなかなかの出来栄えです。
















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プロの目利きが選んだ一膳の竹箸

2020年4月13日

竹箸


お箸という漢字は「竹」が冠についているだけあって竹ほどの適材はないと思う。日本全国なら北海道や沖縄を除いて何処に行っても太い孟宗竹や真竹、淡竹が身近にあって材料に困らない。加工にしても、竹を割った性格と昔から言われるように縦に割りやすい、竹林整備を兼ねたキャンプやイベントで竹箸を作られた事のある方がいれば、使い捨てのお箸であれば誰でも簡単に作れてしまう事を実感されてていると思う。自分が山に行ってお箸を忘れた時には黒竹の細い小枝を伐って使った。製作時間は数秒である。


軽く、細くてもしなりがあり丈夫、使い心地も最高の竹箸だから古より数えきれない程の量が作られて来たろうし、種類も様々できて来たことだろう。現在でも、竹箸の種類は大きな製造工場で作られるものから、職人手削りのものまで実に多くのものがある。さて、しかし、そんな沢山の竹箸の中で、どれか一膳だけ選ぶとなると一体どうだうろか?


自分は、仕事がら沢山の竹箸を持っていて食事の度に色々と変えて使っている。たまに入れ替われもあるけれど、右手でガッと握って一束くらいある中から毎回選んでいるのだ。希少な煤竹を手削りしたお箸がある、極太の孟宗竹を男性用に太く削ったお箸もある、真竹の節が入ったお箸、虎竹の男箸、丸いお箸、角箸、五角箸、漆仕上げ、ウレタン塗装、鮮やかな色に塗ったお箸、その日の気分で並べるお箸の中にプロが選ぶ一膳がある。


竹虎本社


虎竹のお箸なら嬉しいが、実はそうではない。昭和45年(1970年)から50年近くに渡って竹虎本店で竹箸を販売し続けてきて、自分自身も家族も使い続けて来た母がこれなら間違いないという一膳が研出箸である。値段も800円という普通の竹箸なので肩透かしをくった思いの方もおられるかも知れない。


ところがこんな事もあった。自身も竹細工のたしなみがあり竹工芸家から若手職人まで数十年にわたって産地の様々な職人の仕事を見てきた女将と談笑していた時、ふいに竹箸の話しになったのだ。そして、奥の台所から今までで一番の品質であり長く愛用するというお箸を持って出てきたが、その手にはやはりこの同じ竹箸が握られていた。


さすがに、この時には鳥肌がたったがプロの目利きが選び続けてきたのは、高級な素材や見てくれの格好良さではない、使いやすさ、耐久性、価格全てにおいてのベストワンの、この竹箸なのである。














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竹とプラスチックと

2020年4月11日

雑誌「BE-PAL」


今月の雑誌「BE-PAL」は、いつもながらわくわくする内容が満載だ。テント100張を全部立ててみた、という企画があって大学時代に自転車で北海道を一周して以来テント生活とは縁遠くなっているが見ているだけで、あれこれ考えて楽しくなる。


雑誌「BE-PAL」


先日の30年ブログで取材にお越しいただいたお話しをしているが「今日からはじめるサステナブルLIFE」という特集で自然素材としての竹を取り上げていただいている。毎年自然に生えて、あっと言う間に成長する不思議な生命力は今言われている持続可能な社会の大きな光にも見える。


雑誌「BE-PAL」


毎日、竹に触れ、竹で生活をしている自分達からすれば、実はそれほど簡単な問題でもないが竹ほど可能性に満ちたものはないのは確かな事だ。


洗濯籠


近頃登場させたお一人様の脱衣籠は、ウェブサイトのページにも記載した通り、脱水した洗濯物を持ち運ぶ場合など水に強い素材が便利なので市販されているポリエチレン素材のランドーバスケットがジャストサイズで内側に入る大きさで製作している。


虎竹の里のすぐ前には美しい太平洋が広がる、小さい頃は毎日泳いだ海だからマイクロプラスチック等の問題は、もちろん人一番身近に感じている。しかし、異素材を全く否定していては竹の存在も存続もない。
















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「こんなモノが欲しかった!」きっと見つかる、あなたの青竹踏み

2020年4月10日

青竹踏み


高知県でもコロナウィルスによる感染拡大を受けて、不要不急の外出を自粛する呼びかけが日増しに強まっています。自然に囲まれた地域でも外に出る機会が減ると明るい気分にはなりにくいのですが、コンクリートに囲またれ都会なら尚の事ではないかと思います。


身体が鈍らないように室内でできる簡単な運動やストレッチで身心のリフレッシュをしていただきたいと思います。そして、そんな時に忘れずに簡単でお手軽な日本古来の健康法、青竹踏みで足裏マッサージはいかがでしょうか?丸い竹を半分に割ってカマボコ状にしただけの何ということのない道具のようではありますものの、実はその効果は絶大!昔からずっと使われて続けてきたのには理由があります!


しかし、近年は青竹踏みを知らないという若い方も増えてきていて、日本の家には一本必ずあると信じていた自分など本当に驚いてしまいます。そこで、まず青竹踏みの事を深く分かりやすく知っていただくべくYouTubeでそれぞれご紹介しているのです。





まず、青竹踏みと言えばコレ!という定番の青竹踏みです。日本最大級の孟宗竹を使って、肉厚で丈夫、そして初めての方でも使いやすい緩やかなカーブが特徴で一番多くの方に愛されている竹踏みを解説しています。





次に、青竹踏みと一口に言いましても何種類かのバリエーションがあります。簡易な製品に思えるかも知れませんが、竹虎は当然国産にこだわります。日本の竹、日本の職人が作りだす老舗竹屋ならではの種類と品数は圧倒的、それぞれの種類の特徴を分かりやすいように動画にしました。





最後は青竹踏み上級者の方だけにオススメする超強力タイプのご紹介をしています。通常の青竹踏みが孟宗竹という日本最大級の竹で製作するのに対して、こちらは少し細身の真竹を使いました。元々は竹虎社員の声から生まれた商品です、細い竹材を使用する事によってアールの急角度でガツンの刺激のくるので今までにない心地良さなのです。


青竹踏みを使い慣れない方にはご案内できかねますけれど、今までの青竹踏みに満足できない上級者の方でしたら「こんなモノが欲しかった!」と喜んでいただける逸品、是非ご自宅でゆっくりと味わっていただきたいと思っています。














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マタタビ米研ぎざるを手にして

2020年4月 9日

マタタビ蕎麦ざる


マタタビという素材は面白い。黒い木肌の下には真っ白い生地が隠されている。


マタタビ米研ぎざる


薄く剥いで使うと柔軟で粘りがあって、まるで竹と同じように扱える。やさしい手触り、耐水性も抜群であるこのマタタビ米とぎざるは素晴らしい。


マタタビ米ざる


水分を含むとヒゴが膨張して目から締まって米が目につまったり下に落ちてしまうことがないのが秀逸である。


200124624.jpg


そして使うほどに深まってくるこの経年変色は、知らない方が見たら別の籠かと思われるほど。いつも申し上げることだが自然素材のこんな魅力的なざる一つで、都会の暮らしがどれほど豊になるだろうか。













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スズ竹の開花、大きな自然のサイクルの中で

2020年4月 8日

スズ竹手提げ籠バッグ


30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」を前々からご覧いただいている皆様でしたらご存知のようにスズ竹は120年に一度とも言われる開花で竹林全体が枯れてしまい籠の製造ができなくなっています。良質な竹材が出されていた山々だったのに、段々と質の低下があったりして数年前から開花の予兆がありはしたものの実際にこのような状態になると人の力では何ともする事ができません。


スズ竹弁当箱


少しだけ残された竹材で限定的な製造の模索も続きますが、市場籠など大きな籠は本当にできなくなっています。少ない材料で細々と編まれていたのがスズ竹弁当箱、数ある竹弁当の中でも、しなやかさと抜群の強さを誇り竹弁当の中の竹弁当です。


スズ竹手提げ籠バッグ


スズ竹弁当箱にしろ、少しだけ残されたスズ竹手提げ籠バッグにしろ今後の製造が未定のものばかりです。今回の材料不足は、虎竹はじめ他の竹でも開花の時期となれば同じような事が起こる事を思えば、自分達の仕事は大きな自然のサイクルの中で続けさせてもらっている事を改めて感じます。

















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嬉しい網代底の竹ざる

2020年4月 7日

網代底竹ざる


とても嬉しい竹ザルをご紹介したいと思います。それがコチラ!網代底で編まれているという事以外は、1.8尺(55センチ)サイズの何ということもない竹ザルに見えるかも知れません。


古い網代底竹ざる


ところが確かこの1月でしたか、たまたま一体何年くらい前のものか分からないほど古い竹ザルに出会っていたのです。よくご覧いただきたいのですが、それが同じ竹ザルでした。


古い網代底竹ざる


大事に使われてきたであろう年期の入った竹ざるは、それは美しく歳を重ねた感じで魅力的でした。


古い網代底竹ざる


磨きの竹ヒゴの縁巻も枯れ具合も大好きです。


古い網代底竹ざる


もちろん同じ職人のものではありませんので力竹の差し込み具合など微妙に違うところはあります。


古い網代底竹ざる


手にしている竹ザルも編み上がったばかりという訳ではないものの、この竹ザルから見れば、まだまだヨチヨチ歩き?(笑)でしょうか。しかし、いずれこのように風格が出てくるのかと思えば笑みがこぼれます。













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