
放置竹林の問題
一般的に皆様が竹と言って思い出される竹は、日本最大級の孟宗竹か、真竹の竹林がほとんどです。孟宗竹は、これからの季節に楽しみな筍が生えてくる竹ですし、真竹はお正月の門松などに多用される青々とした美しい竹材で、国内の竹細工には一番利用されている竹です。昔は身近であったはずの竹が、輸入によって筍の価値が下がり、また竹製品の需要も少なくなった現在では活用方法が激減しているのはご存じの通りです。なので、人の手が入らなくなった竹林が、いわゆる放置竹林という言葉で呼ばれ、皆様も時折耳にされているのではないかと思います。

里山の竹林
日本は世界的にみても豊かな自然のある森林国です。竹は高い成長力を持っていますので、荒廃した竹林が広がっていると言われても、実は全体からするとわずか0.6%しかありせん。メディアを騒がすこともある放置竹林なのに、意外なほど少ないと思われませんでしょうか?それほど少ない面積しかないのに、「竹害」などと不名誉な呼び方をされるのは、竹が人の暮らしの身近にあるからなのです。古来、竹は衣食住のすべてに関わる貴重な素材であり、防風や洪水対策などの防災にまで活躍してきました。今まで何度かお話しする機会もありましたが、引っ越しする際には家財道具と一緒にわざわざ竹根を持ち運んだ程なのです。だから、人家のすぐ裏手の山に竹林があったり、家の周りが竹林だったせいで、手入れされなくなった竹林が目立ってしまうのです。

経営竹林とは?
今の放置竹林には1ヘクタール あたり10,000本以上の竹が生えており、立ち枯れ状態の竹などと一緒に密集していて、一体どこから中に入ればよいか分からないほどの所もあります。こうなると竹林ではなく、「竹藪」と呼び方も区別するべきです。そんな竹藪・放置竹林に対して、ある程度管理されている竹林が経営竹林とも呼ばれる竹林です。環境問題の解決はもちろん、里山の再生など資源を循環させて経済を回していくためには、今後もっと注目していただきたい分野です。そして、そんな経営竹林にも竹虎のように竹材目的で管理している竹林もあれば、筍生産のための畑としての竹林があります。

竹林管理のいろいろ
普通、竹林管理では1ヘクタール当たり3000本くらいにするのが適当と言われています。地域や竹の種類などにより異なりますが、竹材のためでしたら5000本程度の密度になっているのではないかと思いますし、筍生産の場合には、もっと竹の間隔を広めて1500本くらいにすることにより日差しが入りやすくなり、良質のものが早く収穫できるなど利点があります。筍農家さんの場合には、ウラ止めと言って筍が成長する過程で先の方(ウラ)を揺さぶり折って管理している竹林があります。そんな竹林をご覧になられて、背丈が随分と低い竹もあるのだなあと、不思議に思われたことはありませんでしょうか?竹のウラ部分がない分、竹の背丈が低く見えますが、太陽の光が竹葉でさえぎられる事なく、明るい陽射しが差し込んでいます。まさに筍畑という感じがして近くを通るだけでも目を引きます。

竹の成長力を見習いたい
いよいよ、竹林では筍の季節本番です。美味しい筍料理も待ち遠しいですが、グングンと伸びていく竹をみるのも楽しみです。竹皮を一枚、また一枚と落として成長する竹のように、人も古い自分の皮を脱ぎ捨てながら大きくなりたいものです。
