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黒塗り一閑張り衣装籠が修理されて生まれ変わりました!

黒塗り一閑張り衣装籠修理完了


仕事で使われてきた一閑張り衣装籠

使い込まれて傷みの激しい一閑張り(いっかんばり)の衣装籠をお預かりしました。長年、呉服屋さんで活躍してきたというこの籠は、塗りが剥がれ、底の四隅は下地の竹編みがむき出し状態で、その竹ヒゴは折れてしまっていて、実に年季が入った感じです。カシュー塗りで丈夫に仕上げられた堅牢な作りではあるものの、長年の重労働を踏ん張ってきただけに、「さすがに、ちょっと疲れました(笑)」と言いたげな表情にも見えていました。


呉服屋さんの衣装かご手直し


新たな命を

今回の修理をすることになったきっかけは、お仕事を引退された後、お嬢様がこの籠を受け継いで使われることになったからだそうです。普通なら廃棄処分になってしまいかねない一閑張りが、次世代に繋がっていくと聞いたら、何とかしたいと思わずにいられません。壊れた竹編の下地から全面的にやり替える大修理は、大変ですが不可能ではないのです。




竹編みと和紙で作る本物の一閑張り

ここで、少し一閑張りのおさらいをしてみたいと思っています。竹虎のFacebookページでは、再生回数が180万回を突破して沢山の方にご覧いただいている竹職人動画です。一本の竹を割り、細く薄い竹ひごにして編み込まれ、和紙張りから柿渋塗布まで全ての工程をご覧いただけるようにしています。元々は竹籠の修復のために発展してきた技が、こうした一つの伝統工芸として確立されてきました。いかに手間と高度な職人の技術が求められる細工かと言うのがお分かりになるかと思っています。


一閑張り修理


カシュー塗り

修理にあたっては、伝統的な柿渋による補強だけでなく、元々この籠にも施されていたカシュー塗装を重ねて仕上げることで、これから先も長く耐えうる強度を一段と高めることにしました。


古い衣装籠


このカシュー塗りを施すことによって、丈夫さを増すだけではなく、表面にはツヤツヤの光沢のある美しい艶が生まれることになります。さて、この籠が一体どんな風に生まれ変わるのか?手にされたお客様がどんな風に喜ばれるのか?気が早いものの、そんな事まで想像して嬉しくなってきます。


黒塗り一閑張り衣装籠修理完了


圧巻!漆黒の輝き

修理を終えて戻ってきた籠の姿は、まさに圧巻の一言です。折れていた底の四隅や傷んだ竹編みをしっかりと補修・補強し、和紙を貼り直して塗上げたことで、あんなに傷んでいたのが嘘のように見違えるような気品を取り戻しました。内側も綺麗に張り替えられ、漆黒の輝きを纏ったその姿は、これから新しい世代の暮らしにしっかりと寄り添っていける頼もしさにあふれています。


黒塗り一閑張り衣装籠修理完了


古き良き日本の伝統を

手入れをし、修理しながらひとつのものを世代を超えて長く使い続けていくこと。それこそが、古き良き日本の伝統文化の素晴らしさであり、モノを大切にする「もったいない精神」そのものです。こうして手を入れて受け継ぐ営みを守り続けることが、日本人が昔から大切にしてきた美徳や文化を未来へ繋いでいくことに通じると改めて実感させられます。美しく生まれ変わった衣装籠が、これからお嬢様のもとでまた新しい歴史を刻んでいくと思うと楽しみでなりません。




竹虎四代目

竹虎四代目
YOSHIHIRO YAMAGISHI

創業明治27年の老舗竹虎の四代目。100年守り続けた日本唯一の竹林を次の100年に繋ぐ。日本で二人だけの世界竹大使。

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