
ロンドンの文化発信拠点Japan House London
イギリス・ロンドンの文化発信拠点「ジャパン・ハウス ロンドン(Japan House London)」にて、先月に開催された「土佐虎斑竹」の展示、そして現地で皆様に直接竹の感触を楽しんでいただいた「竹ハンドリングセッション」。おかげさまで多くの方に高知・須崎の虎竹や日本の竹文化に触れていただく素晴らしい機会となりました。

Interwoven: bamboo and daily life in Japan
そして今回、この展示とセッションに合わせて、ジャパン・ハウス ロンドンの公式ウェブサイトにボクが寄稿させていただいた記事が公開されています!タイトルは、「Interwoven: bamboo and daily life in Japan(日本人が竹と紡いできた究極の循環型ライフスタイル)」英文での掲載となりますが、ぜひ世界へ発信された日本の竹の魅力とメッセージをご覧いただければ嬉しいです。
▼ ジャパン・ハウス ロンドン 掲載記事はこちら
Interwoven: bamboo and daily life in Japan-Japan House London
(※ブラウザの翻訳機能を使って日本語でもお読みいただけます)

日本文化に根差した竹
いま世界中では、サステナビリティやカーボンニュートラルといった言葉が当たり前のように飛び交っています。けれど、実はその答えはずっと昔から、ボクたち日本人の暮らしや文化の中に息づいていました。その中心にあったのが、ほかでもない竹なんです。

日本の暮らしを支えた生命力
記事の中では、ボクが日頃から竹林で肌に感じている竹の驚異的な生命力から筆を起こしました。木材のように何十年も待つことなく、春に頭を出したタケノコはわずか3ヶ月で親竹と同じ20メートル近くまで育ちます。毎年地下茎から次々と再生を繰り返すこの圧倒的な循環のスピードこそが、日本人の暮らしを何千年も支えてきた源です。

もったいない精神
そして、そこに宿るのが日本固有の「もったいない」の精神です。これは単にゴミを出さないということではなく、自然の恵みを最後の一片まで慈しみ、使い切るという美意識そのもの。職人が編み上げた竹細工は、傷めば修理しながら使い続け、時を経るごとに深みのある飴色へと艶を増していきます。

ボク自身、親から譲り受けた古い竹道具を手に取るたび、そこに刻まれた時間と家族の温もりを感じずにはいられません。

竹の機能性
また、竹は非常に硬い強度を誇りながら、薄く剥ぐことで驚くほどしなやかにしなります。この剛と柔を併せ持つからこそ、建築物や家具に活用する事もできれば、繊細な編組細工にもなり、生活の隅々まで溶け込んできました。それだけでなく、四方八方に張り巡らされた根は、地震や地滑りから大地を守る防災の役割までも果たしてきたのです。

里山の文化景観
日本の竹林は、ただ勝手に生えている大自然ではなく、先人たちが暮らしのために植え、伐り、手入れを続けることで保たれてきた里山の文化景観です。だからこそ、人が関わることをやめた放置竹林が問題になっている今、もう一度人と竹との循環する関係を取り戻すことの大切さを伝えたいと思いました。

熱い視線の先に竹
さらに今、竹は工芸の枠を飛び越えて、自動車の内装部品や脱プラスチックの先進複合素材としても世界中から熱い視線を浴びています。伝統の知恵が、最先端の環境技術と結びつき、次世代の持続可能な社会を拓く大きな力になろうとしています。

竹の温もりと共に
地下で網の目のように根を張り、お互いを力強く支えあう姿は、周囲と調和し目に見えない絆で助け合ってきた日本人の生き方そのもののようです。安和のわずかな谷間にしか育たない虎斑竹の里から、ロンドンへ、そして世界へ。ひとりでも多くの方に、竹の温もりと未来への可能性を届けていきたいと思います。
