
現代人が下駄を敬遠する理由
皆様は、普段はどんな履物を履かれていますでしょうか?最近は機能性に優れた、とっても快適なスニーカーが沢山あります。クッション性が高くて、快適で疲れにくいという素晴らしい靴に現代人はすっかり慣れ親しんでいると思います。だからでかも知れませんが、近年はは鼻緒の履物を敬遠される方が多いように感じています。特に下駄の場合ですと、台が硬い木材だから、歩くと足裏にダイレクトに衝撃がきて疲れると話すのを聞くことがあります。
確かに、硬い一枚板の下駄を現代のアスファルトの上で履くのは、慣れない方にとってはちょっとした修行のようになってしまうかも知れません(笑)。ボク自身も、夏ともなれば下駄をカランコロンと鳴らして歩くのが大好きなのですが、実は一度、海外で石畳の街を歯下駄で歩いたことがありました。その時、足裏に伝わってくる衝撃があまりにも強く、かなり大変な思いをしたのです。もしも、今の若い皆様が、スニーカーの履きやすさと比べて、このような硬い衝撃のイメージを下駄に対して持っているのだとしたら、下駄離れしてしまう気持ちも少し理解できます。

弱点を克服した八割BLACK
そんな、足裏への衝撃という大きな不満を、実は見事に解決した秀逸な履物が、この八割BLACKです。八割(やつわれ)という、ちょっと不思議な名前の由来は、木の台に複数の切れ目が入っているところから来ています。通常の一枚板の下駄とは全く違って、歩くたびに足の動きに合わせて台がしなやかに曲がってくれます。だから、履き心地が驚くほどソフトで優しいのが最大の最大の特徴なのです。

さらに、鼻緒なのですが、竹虎では自社で竹皮スリッパを製造していますので接客社員に履いてもらっていた時期があります。ところが、若い方はやはり履き慣れておらず鼻緒が痛いそうなのです。そこで、そんな鼻緒の痛みを解消するために、竹虎オリジナルの極太鼻緒を用意しています。足の甲を広い面で優しく包み込むように工夫されていますので、足への負担をできるだけ軽く、初めての方でも違和感なく履いていただけるのではないでしょうか。

海の男が愛した伝統を現代に
「ほぉ、ずいぶん今風でモダンな、新しい履物ができましたね」そう思われるかもしれませんが、実はこれ、まったく新しい履物ではありません。ボクの生まれ育った高知は、昔から漁業や海の仕事が盛んな土地柄。この八割は、船の上の濡れたデッキでも足にピタッと吸い付くように馴染んで動きやすいからと、地元の海の男たちに多用されてきた、歴史と知恵が詰まった伝統の形なのです。今回の八割BLACKは、その名の通り、軽い桐の台も黒、竹皮も黒染、鼻緒も真っ黒という、どこまでも黒で統一して、現代風にアレンジしたシブイ仕上がりの古くて新しい履物です。そして、これが今の時代のジーンズやカジュアルな服装にも、ビックリするほどよく似合います。

歩きやすいサイズ選び
最近の方は足が大きいので、サイズは27センチなどもご用意しています。しかし、ここで一つ、竹虎四代目からのアドバイスです。鼻緒の履物というのは、かかとが1〜2センチほど出るくらい、つまり少し小さいくらいが一番格好よく、そして実は歩きやすいのです。ボクも県外のデパートで売り出しをしていた頃は、朝から晩まで竹皮スリッパでしたが、忙しく動きまわるために靴のサイズは26センチなものの、スリッパは24センチの女性サイズを選んで履いていました。
鼻緒の履物は、スニーカーや革靴などの靴のサイズ選びとは全く違いますので、ぜひ小ぶりなサイズ感で粋に履きこなしていただきたいと思います。今年の夏こそ、これまで鼻緒の履物に馴染みのなかった皆様にこそ、この極上の履き心地をお試しいただきたいです。現代のシューズにも負けない優しさと、伝統の技が息づく八割体験で、新しい夏を歩いて頂きたいと思います。
