
在ハンガリー日本国大使館様×ヴェスプレーム日本センター様
今回、遠くヨーロッパ・ハンガリーの地にお伺いさせていただくことになったのは、在ハンガリー日本国大使館様とヴェスプレーム日本センター様共催による、素晴らしい伝統工芸の祭典にご縁をいただいたからなのです。

Mestersegek Unnepe(職人の祭典)
その祭典とは、今年でなんと記念すべき第40回を迎える「Mestersegek Unnepe(職人の祭典)」。世界遺産に登録されている、ブダペストの王宮の丘で毎年8月に開催されている、ハンガリー最大級の伝統工芸・民芸フェスティバルです。国内はもちろん、世界中から集まる職人の数は実に800名にも及ぶと聞き、日本の竹屋として「これはどうしてもこの目で見てみたい!」と胸を躍らせて海を渡りました。

日本の竹ハンドリングセッション
そして、その催しの始まる前日、同じくブダペストにある世界でも珍しい俳句博物館・日本文化クラブスペースとして運営されている会場をお借りして開催させていただいたのが、前日ジャパンハウス ロンドンで行ったばかりの、日本の竹ハンドリングセッションでした。日本から持参した様々な竹細工をテーブルに並べ、いざセッションが始まります。

ハンガリー会場の熱気
ハンガリーでは空手などの日本武術がとても盛んだと聞いておりましたが、武道だけでなく日本の伝統文化やものづくりに対して本当に深い関心を持ってくださる方が多いようです。会場には始まる前から大勢の皆様にお集まりいただき、会場は早くも熱気ムンムン!どうして、こんなに早くから会場に来られるのか?まだ時間はゆっくりあるのに...と思っていたら、うっかり!イギリスとハンガリーは時差が1時間あって、ボクの腕時計は1時間遅れていたのです(笑)。

竹で変わる空気感
さて、この時には知らなかったのですが、参加者の中には地元の樹木や水草、トウモロコシの皮など、身近にある自然素材を使って美しい編組の籠を作られている現地の職人さんたちのお姿もありました。なので、セッションの最初こそ、海外の方にとって未知の植物でもあろう竹を前に、少し緊張気味な表情をされていた参加者の皆様。しかし、実際に竹の稈を撫で、感触を確かめ、しなやかな竹ヒゴの弾力や、虎竹の油抜き加工の甘い香りを直に感じていただくと、だんだんと場の空気が変わり出してきます。

竹が作る笑顔
「この竹の曲りは、どうやって加工しているの?」「竹皮はトウモロコシの皮に似ていますね?」「草履の鼻緒は何で出来ている?」など、竹製品を手にとりながら、積極的に質問を投げかけてくださる皆様。セッションが進むにつれて、硬かった表情はどんどん柔らかくほぐれ、最後は会場中がとびきりの笑顔で満ち溢れていました。

言葉の壁を越える竹
言葉の壁はもちろんありますので、通訳を介してのやり取りではありますが、竹を真ん中に置けば、理屈や言葉を超えて心がスーッと通い合っていくのを肌で強く感じた時間でした。竹のことを熱心に勉強してきてくれていた通訳の方も素晴らしかったです。こんなに皆様に竹が伝わったのは、間違いなく通訳の方のお力です。

ハンガリーにも籠文化
ハンガリーにも古くから自然素材を編み込む素晴らしい手仕事の文化が息づいています。自然に感謝し、その生命を形ある工芸品へと昇華させる心は、洋の東西を問わず全く同じですね。「竹には、手仕事には国境も言語も軽々と飛び越えて人と人を結びつける力がある」、そのことを、温かい眼差しで日本の竹を迎えてくださったハンガリーの皆様に、ボク自身が深く教えていただいたように思います。

皆様に感謝
日本の竹の魅力を遠く離れた異国の地で共有できたことは、竹屋として何よりの喜びであり、かけがえのない財産となります。しっかりご準備いただいた現地スタッフの皆様、そして何より目を輝かせてご参加いただいたハンガリーの皆様、心に残る最高の時間を本当にありがとうございました!
