
渡辺竹清作の虎竹バッグ
渡辺竹清先生は、ニューヨークの有名宝石店T社に作品を提供されていた事で世界的にも高名な竹作家のお一人です。皆様は、煤竹をご存じでしょうか?昔の日本の民家には、煮炊きや暖をとるために囲炉裏がありました。ここで火をおこすと炭のいい香りでして何とも落ち着く空間となりますが、この煙で100年、200年と燻さるのが天井に設えた竹材なのです。煤竹と呼ばれて現在の暮らしでは手に入らない竹なので非常に価値のある高価な竹材でもあります。渡辺先生は、この煤竹に新たな命を与えたいと、この竹を愛し、この竹材を中心に創作活動を続けられてきました。

竹清先生と二代目竹虎
祖父である二代目竹虎・義治が先生と懇意にさせていただくようになり、虎竹の里の自慢の竹で作品作りをしてもらうようになりました。竹虎には今でも複数の虎竹で網代編みされた作品があります。そんな中のひとつに虎竹網代編み手提げ籠バッグがあります。

竹ショルダーバッグにする紐通し
このハンドバッグには、籠の側面と底部分にショルダーとして使う場合の紐通しがついており、渡辺竹清先生の初期の頃のハンドバッグだと分かります。

虎竹と煤竹の異なる風合い
手提籠バッグの創作を続けられるようになり、形も少しづつ変わってきました。虎竹のバッグと煤竹バッグを比べると良く分かります。

煤竹手提籠バッグの方は底になるに従い少し広がりがあって安定感があるように見えます。

巾着袋
今回、虎竹手提籠バッグに巾着袋をつけて完成させました。虎竹の深い色目にあわてせ黒っぽい生地をあわせています。

鳳尾竹の持ち手
同じ鳳尾竹の持ち手付きではありますけれど、古い竹は一目で分かる色合いの違いがあります。また、虎竹バッグは手にする一番上に一節、煤竹の方は両サイドにひとつづつの二節です。

竹清銘
少し見ずらいかも知れませんが、親しみのある「竹清」の銘が入れられています。先生は銘も非常に巧みに彫られていました。

持ち手金具
最後に持ち手の金具です。現在では鳳尾竹持ち手は本体に取り付けて、籐でかがっているのが主流。しかし、竹のハンドバッグが一般的ではなかった当時は、どのような逸品であっても、このよような金具留めで仕上げられていました。ボクたちにとっては、単に美しい竹工芸品というだけでなく、歴史的な意味合いも深い作品です。
