
毎日の食卓に欠かせない道具のひとつに「しゃもじ」があります。近年では、お米不足なども聞きますし、消費量も年々減っていてピークの時の半分くらいだそうですが、それでもやはりご飯は日本の主食であり、特に湯気のたつ炊き立ては美味しくて感動することもあるくらいです(笑)。無塗装で仕上げた炭化竹しゃもじは、そんなご飯のため竹節を持ち手に一つ入れてアクセントにして作っています。できるだけ材料を効率よく使いたいので節の位置はバラバラです。

防虫、防カビ効果を高めるために炭化加工を施した竹材を無塗装で仕上げていますので、少しくすんだ感じがあり、せっかくの炊きたてごはんがしゃもじにベタベタついてしまう、そんなお声もいただいています。

無塗装炭化竹しゃもじは、一本一本が職人の手によって削り出された製品です。シンプルな形ながら、使うたびに手にしっくりと馴染み、その軽さに驚かれる方も多いのですが、ご飯のひっつく竹しゃもじを快適に使っていただくためには、ちょっとした「コツ」があるのです、それは「使う前に水で濡らすこと」です。

上の画像のウレタン塗装された物に比べて、乾いたままの竹しゃもじを使ってしまうと、ごはん粒がしゃもじにくっつきやすくなってしまいます。でも、使用前にサッと水にくぐらせるだけで、竹の表面に薄い水の膜ができ、ごはんがつきにくくなるのです。水分を含ませることで竹素材がごはんの粘り気を吸い込みにくくなり、スルッときれいによそうことができます。

また、お手入れも大事なポイントです。使い終わったら洗剤などは使用せず、やさしく洗って水気を拭き取り、風通しのよいところでしっかり乾かしてください。直射日光や長時間の浸け置きは避けていただくと、より長持ちします。無塗装の素朴な天然素材の手ざわりと使い心地で今日のごはんが、もっと美味しく、もっと楽しくなるかもしれません。

さて、今日から新年度のスタートと言うことで、お陰様で長く続いてきた30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」も、フレッシュな気持ちでやっていきたいと思っています!よろしくお願いいたします。まず、本日は簾(すだれ)のお話をしてみたい。
簾と聞くと、どうでしょうか軒先に吊るして使う、夏の日よけを思い浮かべる方も多いかもしれません。竹虎には、あまり他では見かけなくなった竹表皮を残した、丈夫な竹簾がありますが、実はもっとコンパクトなサイズの竹簾が、飲食業や食品加工の現場で活躍しているんです。
これらの竹簾は、職人が一本ずつ丁寧に選別した竹ヒゴを使用し、小さなサイズの竹簾も一つひとつ編み上げています。だから、別注としては驚愕(?)の、わずか10枚から別注オーダーが可能なのです!だから、飲食店さんや、量販店さん、あるいは食品加工をされる多くのプロの皆様に、お店や作業内容にぴったり合った、自分だけの使いやすいサイズが作れると喜んで頂いているのです。
たとえば、和菓子やお寿司の盛り付けの下に敷いて見た目を引き立てたり、加工食品の水切り、乾燥や冷却工程での敷き台として使われたりと、その用途はさまざま。お客様の声から生まれたサイズの中には、「こんな使い方があったのか!」と驚くような工夫もたくさんあります。
既製品ではなかなか見つからない「ちょうどいいサイズ」。けれど特注となるとロットが大きすぎて諦めていた方にも、別注竹簾はぴったり。日本の竹を使った国産で、しかも10枚からの小ロット対応だからこそ、個人経営のお店や少人数の現場にも、お気軽にご注文いただけているのです。

竹箸をはじめとして、竹製スプーンやターナーなど無塗装の竹製カトラリーへお問い合わせを頂く事がある。たびたび頂くので、そんなお声にも応えしたいと思って新たに無塗装の竹しゃもじをご用意してみた。自然素材のもつ素朴で優しい手触りが特徴の、使うたびに自然の温もりを感じられるような竹しゃもじだ。

この竹しゃもじの製作には、直径が大きくて肉厚な孟宗竹を選んで使っている。日本最大級の竹である孟宗竹だが、全ての竹が太く肉厚という訳ではない。

元は太くてもウラ(竹の先端)になるに従い細くなるから、竹の切り口をご覧いただくとお分かりのように、太さや身の厚みは、まちまちなのだ。そのために、まず適材を厳選することが重要となる。「竹材なんか、山に行けばいくらでもあるだろうに」いやいや、一昔前ならそうだったかも知れないが、竹を伐る職人が減った現在では随分と事情が変わってきた。

さらに、この竹しゃもじは炭化加工が施している。炭化加工とは、高温と圧力をかけて竹の内部まで蒸し焼き状にすることで、薬剤を使用せずに防虫・防カビ効果を高める方法だ。青々とした竹本来の色合いではなく、囲炉裏で100年以上も燻された煤竹のような、渋い茶色になっているのは、そのためだ。

持ち手部分には、竹らしく竹節が入るように製造しているけれど、材料を無駄なく活用して出来るだけ手頃な価格で提供するため、節の位置は一定にしていない。また、無塗装であるため、竹本来の甘く優しい香りが感じられる一方で、ご飯がくっつきやすいという特性もある。使用前には、しゃもじを水に濡らすことで、ご飯の付着を軽減できる。

お使いになられた後は速やかに洗い、水気を拭き取って風通しの良い場所で完全に乾燥させることが大切だ。長時間の浸け置きや、洗剤の使用、食器洗い機は避けて頂きたい、直射日光を避けて保管することで、カビの発生を防ぐことができる。

無塗装の竹しゃもじをお使いいただく事によって、日々の食卓での時間がより豊かで楽しいものになればと思う。そして、適切なお手入れを心がけることで、長く愛用することができるのだ。

かつては、どこのご家庭の食卓にもあって、すっかり日常に溶け込んでいた、日本の竹を使って製造する竹楊枝が、再び注目されている。お店に行けば、数多くの安価な輸入品が並び、手軽に購入できるものも多いが、国産の竹楊枝には、それらとは一線を画す品質の高さがある。

竹は日本の自然に根ざした素材であり、自分たちの伝統や文化、思想に多大な影響を与えてきた。長年の伝統を背景にして作られた竹製品には、使い心地や耐久性、さらには見た目の美しさにおいて、他にはない魅力がある。竹楊枝のような小さな製品であっても、それは一本一本丁寧に作られ、丈夫でありながらも手に馴染み、安心して使い続けられる事を大切に作られている。

当時の竹楊枝より1.5センチ長くして8センチサイズに改良して、お年寄りでも持ちやすく使いよくなった。この辺りのの工夫も、輸入品にはない確かな仕上げや日本らしい細やかな配慮が、国産竹楊枝の大きな特徴となっている。
特に、今回ボクが強調したいのは国産竹楊枝の驚くほどの強度の高さだ。YouTube動画では、木製の楊枝の先端がつぶれて使えなくなるのに対して、国産品はしっかりとした強度を保ち、先端がつぶれることなく竹の特性が活かされているのがよく分かる。

安価な製品が簡単に手に入る時代、情報も沢山あふれていて、もしかしたら何を選ばれたら良いのか?迷っておられる方々もいるのではないだうか?そんな皆様に、自分たちの竹への知見が少しでもお役にたてるのなら嬉しい。たとえば、この国産竹楊枝入れのように本当に良いものをオススメしたいと思う。

まずは、ぜひ一度、国産竹楊枝を試してみて、その強さや使いやすさを実感して頂きたい。品質の良さが分かる人には、その違いがしっかり伝わるはずだ。竹楊枝が、ただの便利な道具ではなく、日常の中にある「竹林」を感じさせてくれる一品だと言えば大袈裟だが、日本製ならではの一味違う、竹の持つ自然の力を思い出させてくれると確信している。

竹のカトラリーは、環境に優しく、口当たりがよくて、軽く使いやすいことから人気が高い商品のひとつだ。最近では、表面に塗装を施さず、自然な風合いを生かした無塗装仕上げをご要望されるお客様も増えている。しかし、無塗装の竹製品には特有の課題がある。

竹は本来、水分を含みやすく、環境によってはカビが発生しやすい素材である。そのため、竹材の選定から保管、加工に至るまで、職人は細心の注意を払いながら一本一本を大事に製造していく。

身近ではあるが、管理が難しい素材だけに、竹を高温と圧力で蒸し焼き状態にする「炭化加工」を施した竹材を使用している。この加工によって竹の水分量を減らし、安定性を高めることができるのだ。

炭化を強めれば良いと言う訳でもなく、色合いや強度などそれぞれの竹製品に適した温度等がある。ただ、そうして製造していても無塗装の竹製品の場合には、使用環境や季節などにもよりカビの発生を完全になくす事は難しいと思う。

特に湿気の多い場所での保管は避けるべきで、使用後はすぐに水気を拭き取り、十二分にしっかりと乾燥させることが重要だ。

また、長期間使用しない場合は、風通しの良い日陰で保管することが望ましい。これらの管理を怠ると、カビが発生しやすくなり、製品の劣化を早めてしまう。

竹のカトラリーは、適切に手入れをすれば長く愛用できる。しかし、その魅力を最大限に生かすためには、ユーザー側の意識も欠かせない。

湿度の高い季節などは、一晩でカビてしまう事もある竹カトラリーだ。無塗装の竹製品は、自然素材ならではの風合いを楽しめる反面、扱いに注意が必要である。その点を理解し、適切な管理を行うことが、竹のカトラリーを長く愛用するための鍵となる。

こちらは、ウレタン塗装と漆塗装の竹フォーク、竹ナイフ、竹スプーンだ。耐久性や風合いを大切にすれば、若干高額になるものの、個人的には漆塗布が一番のオススメだ。

虎竹の里では、野菜や果物を近所からいただく事も多い。先日も丸々と大きく太った大根を頂戴した(笑)、冬の寒さが深まるこの時期、大根がますます美味しくなる。煮ても焼いても美味しいので大好きだ。しかし、何と言ってもやはり欠かせないのが「大根おろし」だと思う。シャキシャキとした食感とほどよい辛みが、焼き魚や鍋料理を一層引き立てる。しかし、一般的なおろし金ではどうしても細かくなりすぎ、水分が出てしまうことがある。そこで大活躍しているのが竹製の「鬼おろし」だ。
竹製鬼おろしの最大の特徴は、粗めにおろせる点である。竹は縦に繊維が沢山通っていて非常に硬質だが、その竹歯が鋭く立っており、大根を力強くすりおろしても適度な食感を残すことができる。一般的な金属製のおろし金とは異なり、大根の繊維をつぶしすぎず、ふんわりとした仕上がりになるのが魅力だ。さらに、竹は水切れがよく、使い終わった後の手入れもしやすい。

寒い冬には、おでんや鍋料理にたっぷりの鬼おろし大根を添えて、さっぱりと楽しむのもおすすめ。鬼おろしで作る大根おろしは、余分な水分が出にくいため、味が濃く、料理との相性も抜群なのだ。また、消化を助ける酵素も豊富に含まれており、食後の胃にも優しい。

他の竹製鬼おろしとの違いは、この平たい持ち手、しっかりと握れるように作られている。すりおろす際の安定感があり、力を入れやすいので、女性の方でも使いやすい。昔ながらの竹の道具は、手作業の温かみと実用性を兼ね備えている。ぜひ、竹製鬼おろしを使って、この冬の食卓をより豊かに美味しくしてください。

復活した国産竹楊枝が、お陰様で沢山の方にご支持・応援いただき本当に感謝している。本物の国産だ、日本の竹林だといくら言ってみても、お客様の皆様にご購入いただけないと、竹林も職人も何ひとつ守ることはできない。だから、皆様の期待は裏切らない、励ましのお声には応え続けていく。そんな復活を遂げた国産竹楊枝だが、改めてのその魅力とは何だろうか?
まず、竹楊枝の最大の特長は「しなやかさ」と「強度」だ。木製の楊枝は乾燥すると折れやすく、ボクが気になっているのは一番大切な先端部分の弱さで、使っていてすぐに鋭さがなくなってしまう。しかし、竹楊枝は繊維が密で弾力があるため簡単には折れない、強さもあるから先端部分の鋭さはいくら使っても変わらないのだ。更に、今回の新しい竹楊枝はサイズを8センチと少し長めにして持ちやすくしている。

天然の抗菌作用がある竹をもっと快適にご愛用いただこうと、こちらも国産で製作した竹楊枝入れもご用意する事にした。これで、一本一本丁寧に仕上げられ、表面が滑らかな竹楊枝を食卓に置いていつでもお使いいただけると思う。
現在、市場に出回る竹楊枝は海外製ばかりだから、価格も決して安くはない日本製の竹楊枝を復活させても、一体どこまで受け入れて頂けるのか分からなかった。けれど、ふたを開けてみれば、やはりボク達のような日本の竹にこだわり、伝統のモノ作りに心を向けてくださるお客様が多い事に、安心感と心強さを頂いている。竹虎のお客様のような方がいる限り、竹を守り、人を守り、この伝統を守りながら、より多くの人に日本の当たり前の良さを伝えていきたい。

クロッシュ(cloche)をご存知だろうか?多くの方は、呼び名は知らずとも一度くらいは見た事があるのではないかと思う。西洋料理で、温かさや鮮度保持のためにかぶせている銀色のカバーがそれだ。クローシュとも呼ばれているようだが、フランス語で釣鐘の意味で、まさに帽子のようにも見える独特の形でテーブルで異彩を放っている。

主に銀製である事が多いけれど、ガラスや大理石、ご家庭ではガラス製が一般的だと思う。ところが、やはり、ここは虎竹の里、普通なら銀製のドーム型の蓋さえも、やはり日本唯一の虎竹製なのだ。

職人が遊び心で製作した虎竹クロッシュ、金属やガラスなど冷たい素材と違って温かみがあるのが一番の特徴だ。

更に通気性の良さが機能面で大きく異なる、果物やパンなどの保管には向いていそうだ。

面白がって製作してみたクロッシュだが、案外虫除けなどに活躍しそうで期待している。

ヒシャクと言っても、こちらの虎竹柄杓は一般的な思われている形とはかなり違っている。細い竹柄の先端の合の部分が縦長で直径も随分と小さいのだ。

合だけ見ていると一体何なのか、さっぱり分からない(笑)。

高知四万十にある無手無冠という造り酒屋さんの火振り酒は、18リットルも入る大きな美濃焼き瓶に詰められて、四万十川近くの山の貯蔵庫に四万十時間=40,010時間(約4年7ヶ月)も寝かせておくそうだ。


口の小さな瓶から待ちに待った火振り酒を酌み出すのに使われるのが、この虎竹柄杓。先端が自由に動く事によってスムーズに酌み出せるのだが、百の話を聞くよりも、一度実際にご覧頂いた方がずっと分かりやすいと思う。

竹ターナーや竹ヘラ、竹しゃもじ等をキッチン道具としてお使い方は多いと思う。もしかしたら、竹なのか木なのか分からないと言われる方もおられるかも知れないが、竹の場合は節の部分に独特の模様が入るので比較的容易に見分ける事ができる。このような竹製品には、まず日本最大級の孟宗竹の中でも太くて肉厚な素材を厳選しなければならない。その竹材を熱と圧力で炭化加工させて防虫、防カビ効果を高めた平材をつくり、それぞれの製品に加工していくのだ。

そんな中でも竹の炒飯ヘラは少しユニークで、丸い竹の曲線を活かした作りが調理しやすいと評判だ。右用と左用があるので、どちら様でも使いやすいヘラだと思う。

柄の部分もゆるやかなカーブが付けられている。

竹は軽くて丈夫と言うだけでなく、何と言っても手触りが良いから調理ヘラやしゃもじにも最適だと思っている。使った後は、こうして風通しの良い場所で乾燥させられたら一番いい。

大きな竹しゃもじから小さな竹スプーンまであって、それぞれ作り方が少し異なる場合もあるけれど基本的には一枚の板状にした竹材を切り出し削っていく。動画でご覧いただくと手作りの様子が良くお分かりいただけると思う。