
なぜ、梅干しの土用干しをするのか?
梅雨も明けて、夏の強い日差しがジリジリと照りつける季節になりました。この時期、日本のあちこちで見られる、どこかホッとする昔ながらの風物詩といえば、やっぱり梅干しの土用干しではないでしょうか。土用干しと聞いても、あまり関心のない方にはピンとこないかも知れません。実は梅干しは、今頃の天日に干すと余分な水分がなくなり、紫外線による殺菌効果もあり保存性が高まるのです。水分が適度にぬけた果肉は成分が凝縮され旨みが引き出されます。さらに、日光に当てることにより特有の香りと鮮やかな発色が出るという良いことづくめなのです。
そこで、昔から梅干しを作られる方は、気温が高く、湿気が少なくて乾燥しているこの時期に梅を干すのです。竹虎では、梅干しの土用干しのための国産竹ざる、エビラなど製造を続けていますが、先日、本当に嬉しく、胸が熱くなるような出来事がありました。竹虎で、一緒に頑張ってくれている社員のお姉様が、なんとこのエビラ(竹編み平籠)をお買い求めくださったのです。それだけでも十分にありがたいことなのですが、更に、ご自宅でされている土用干しの様子を写真に撮って届けてくれたのです。
ご覧ください、この見事に並んだ梅干したちを!青空の下、竹編の上できれいに整列し、夏の太陽の光をいっぱいに浴びて、まるで宝石のように一粒一粒が輝いています。奥の方には竹ザルに赤紫蘇も見えていて、お姉様が日々の暮らしをいかに大切に、そして楽しまれているのかが写真からじんわりと伝わってきます。

梅仕事の定番、国産竹を使ったエビラ
このエビラという道具は、現在では梅仕事の皆様の定番のようになっていますが、実は養蚕が盛んだったころに、蚕を育てるために使われていた伝統的な平ザルだったのです。木枠に、通気性抜群の竹ヒゴを網代に編み込んだ構造になっており、これを蚕棚にズラリと並べられていたのです。それが、蚕を飼う農家さんがなくなり使われることがなくなり、忘れられてしまっていた道具でした。
けれど、竹虎が復刻すると、梅干し作りに最適な道具として少しづつ見直されてきたように思います。余分な水分をしっかりと逃がしながらも、お日様の熱を優しく通し、梅を傷つけずにふっくらと仕上げてくれるのも良いところ。現代は安価なプラスチック製品もたくさんありますが、やはり自然の恵みである梅を干すには、同じ自然素材である竹と木で作られたエビラが一番相性が良いのだと、この美しい写真があらためて教えてくれている気がします。
社員のご家族も愛用者
ボクたちモノ作りに携わる人間にとって、全国のお客様に商品をお届けし、喜んでいただけるのは何よりの励みです。しかし、日々一緒に働く社員、そしてそのご家族が自社の商品を認め、「これが欲しい」と選んでくださることには、それとはまた違う、格別な嬉しさがあります。なぜかと言いますと、身内とも言える社員一人一人は、職人たちが毎日ホコリにまみれれながら竹と向き合い、どのように竹製品を作っているか?その裏側を一番よく知っているからです。社員のご家族が、そんな工場の話を聞いてご自分の生活のパートナーとして竹虎の道具を選んでくださる。これほど心強く、作り手冥利に尽きる幸せな事はありません。
ボクたちが自信を持っておすすめしている道具が、一番身近な人の暮らしを豊かにして笑顔を作っている。届けていただいた写真を眺めながら、そんな喜びのを噛み締めています。このエビラが、これからも毎年、ご家族の美味しい梅干し作りの定番として末永く活躍してくれることを願っています。本当に素敵なお写真を届けてくださった、お姉様に社員を代表して心から感謝いたします。ありがとうございます。
