豊かな竹のある暮らし
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虎竹の里の「ザ!鉄腕!DASH!!」な一日




セミの大合唱の聞こえる暑い日でした。竹虎に東京のテレビ局から一本の電話が入ったのです。「100人で竹の水鉄砲をしたいのですが…」子供たちと遊ぶイベントのようなものかなと思って「水鉄砲100個くらいなら、ご用意できますぞね」とお返事させていただくと全く想像だにしない言葉が返ってきました。

「100人で押す、竹の水鉄砲をしたいのですが…」

100人で押すって…?何を言われているのか少し意味が分からないなあでも、子供達を集めての撮影なら東京の近くにも何かあるのでは?そんな事も思い、受話器を置こうとしていたその時電話の声がポツリと言ったのです。

「日本全国の竹屋さんに断られました。」

なにっ…!?全国の竹屋に断られた…とな!受話器を持った手を握り直して聞きました。「全国の竹屋が出来ない言うたがですね」カチリ。南国土佐の灼熱の太陽にも負けないような熱い炎がほとばしり竹屋魂の点火スイッチが入った瞬間でした。「やらしてもらいますきに。」どんな物を作るのか?果たして出来るのか?詳しい話しも聞くまえに、その場で大きな声で返事をしてしまったのです。そして、その事があとあと竹虎工場長が大変な思いをすることになり、ジャニーズのアイドルに虎竹の里は大騒ぎ、さらには須崎市まで巻き込んだ一大騒動の始まりだったのです!




電話の主はあの長寿人気テレビ番組「ザ!鉄腕!DASH!!」のディレクターさんでした。昔からやっているテレビ番組なので名前は聞いた事がありました。しかし、どんな番組かは知りません。

ディレクターさん:「ウチの番組はよく100倍にする企画があるんです…そこで今回、水鉄砲を100倍にしたいのです」
竹虎四代目:「へっ?」
ディレクターさん:「15メートルくらいの竹で作れませんかね?」
竹虎四代目:「はぁ?」

ここで、ようやく気がついたのです。なるほど、これは全国の竹屋さんが断るはず。そもそも竹虎で扱う竹の多くは虎斑竹、淡竹(ハチク)の仲間です。工場見学に来られた方が天井の高い工場に来られて、立てかけてある竹をご覧になって「 これは長い竹ですね」「壮観です」等と言っていただく事があるのですが、ここで言う虎竹の製品の一般的な長さが約4メートル。長い竹でも約7メートルくらいなのです。15メートルと言えば、その倍以上!竹の100倍水鉄砲は最初から大きな壁に突き当たったのです。




竹の水鉄砲というと子供達が楽しく遊ぶ昔ながらの小さなおもちゃ。ひとりで遊ぶ水鉄砲の大きさが約15センチ、100倍の大きさにして100人で突く、この前代未聞の企画に必要な水鉄砲の長さは…何とビックリ15メートル!


竹はご存じのように根元は太く、ウラ(先端部分に)に行くほど細くなっているものです。そして、水鉄砲にして使う場合の一番の課題は節があること。この節を全て取り除かないと水鉄砲になりません。また、節を取り除けたとしても、ウラほど細くなっている竹の性質上、押し棒をどのようにするのか?アッという間に、課題が山積していきました。




しかし、一度「うん。」と答えたものを覆すワケにはいきません。何より「日本全国の竹屋さんに断れたました。」と言う言葉を思いだすとどうしても、やらねば!そんな思いがフツフツと湧き上がってくるのです。






まず決めなくてはいけないのはどの竹を使うかということ。竹は世界に約1300種、日本でも約600種があるといわれ、それぞれ大きさや太さ、性質などが異なります。巨大水鉄砲は全長約15メートル、長さも太さも十分に欲しいところ…100倍企画を聞いてからは、もうこの竹しかないと思っていた孟宗竹で製作することになりました。本当は日本唯一の虎竹を使いたいところですが、虎竹を巨大水鉄砲に使うには長さも太さも足りなかったのです。


虎竹の里では昔から虎竹ばかり増やしてきた事もあって竹があったと思えば虎竹です。でも、ごくわずかではありますが一部分が孟宗竹の林となっている山があります。TOKIOの長瀬さんと松岡さんをはじめ、カメラマンさんや音声さんなどたくさんのテレビ局のスタッフさんたちも一緒に竹林に入ります。さすが「ザ!鉄腕!DASH!!」で鍛えられたスタッフさんたち、山道にも歩き慣れた感じでサクサク登られてきます。




太い孟宗竹を切り倒すには力もいりますし、なかなか大変な作業です。しかし、さすがにTOKIOの長瀬さん、職人からコツを聞いて見事に竹を伐っていきます。最後にバキッと大きな音をたてて竹が伐り倒されました。




巨大水鉄砲に使うために切り倒した竹はこんなに長い孟宗竹!狭く曲がった山道を運ぶのは大変ですが、職人なら軽々と運んでいきます。







竹は真っ直ぐに天を目指して伸びていきます。でも、みなさんはご存じでしょうか?最初から真っ直ぐな竹などは、ほとんど無いのです。竹林で立っている竹を見て、真っ直ぐだと思っていてもいざ、切り倒すと必ずどこか曲がった部分があるのです。竹林から伐り倒してきたばかりの孟宗竹も赤の矢印のところで少し曲がっているの分かるかと思います。このような曲がりは程度にもよりますが何カ所かありますので、この曲がりを矯正して製品に加工しやすいようにする製竹作業「矯め直し」という工程があるのです。





矯め直しには矯め木という道具をを使いますが、普段竹虎で使われている矯め木は主に虎竹の矯め直しに使うためのもの。今回の巨大水鉄砲に使われる太い孟宗竹には使う事ができないのです。





まずフォークリフトで竹を固定し、ガスバーナーで竹を熱して曲がるようになったところを、TOKIOのお二人と職人たちみんなで押してまっすぐになるよう矯正します。熱されたままだと、今度は曲がりが戻ってしまいますので水で冷やしながら作業を進めます。こうして少しずつ曲がっているところを矯正し、見事巨大な孟宗竹がまっすぐになりました。






竹はご存じのように中が空洞になった植物です。けれど節があるため丈夫、強風が吹きしなる事があっても決して折れない強靱さの源ともなっています。この竹の大事な節にあやかり人生の節目などの贈り物に縁起が良いとも言われているのです。しかし、今回の巨大水鉄砲を作るにあたっては節があると水が入りませんし、押し棒も押せません。綺麗に取り除いていかねばならないのです。


色々考えた結果、竹の節を取り除くためには半割にして作業し、その後に半割の竹を元の一本の竹に戻すという方法をとる事にしました。「竹を割ったような性格」という表現の通り、竹は真っ直ぐに割れますが繊維に沿って割れるため実は多少曲がって割れてしまいます。特に今回のように太く長い孟宗竹は割る事ができないので、竹をまっすぐ半分にするために竹を回転鋸で切り割りしていきます。これも竹職人ならではの技、目印に付けられた墨に沿ってまっすぐにスーッと切っていく職人を見たスタッフさんたちからも「おぉ~っ!」と大きな歓声が上がりました。




TOKIOのお二人と一緒にトンカチで節をたたいて大まかに取り除いたあと、グラインダーできれいに削りました。これで水鉄砲の押し棒もスムーズに動くはずです。






節を取り除いた半割の竹は、元の通りくっつけます。ただ、そのままくっつけると半分に切ったところから水が漏れだしてしまいますので、細いゴムをはさんで水が漏れる隙間を無くし、番線で何カ所もしっかりと固定しました。これで100倍の巨大水鉄砲の完成です。




巨大水鉄砲の本番会場となるのは、須崎市の清流新荘川です。新荘川には噂を聞きつけた須崎市近辺の皆さんが駆けつけて、お祭りのような状態です。何しろ3万人足らずのこんな静かな田舎町にトップアイドルのTOKIOが来るなどという機会、そうはないのです。




今回のテレビ番組、鉄腕のテーマは「巨大竹鉄砲は消防車の放水に勝てるか!?」という事で対岸に簡易建物が設置され、その前に火が燃やされています。ここに向けて巨大水鉄砲が発射されるのです。もしもに備えて地元須崎消防署から消防車も到着です。




TOKIOのお二人と一緒に作った巨大水鉄砲、発射台に設置するとその大きさにみんなが驚いていました。これが実は水鉄砲だなんて思う人はいるのでしょうか?




今更ながらこの巨大水鉄砲、どうやって水を発射するかといいますと下の図のようになります。押し棒は鉄骨を組み合わせ、枝分かれした鉄筋1本にそれぞれ両サイド3人づつが手に持ち100人が整列して一斉に押します。押し棒は地元の鉄工所さんにお願いして作っていただいた別注品です。




水鉄砲や押し棒が準備できたところで100人が整列しました。地元の高校生、地元の市民のみなさん、もちろん竹虎の職人とTOKIOのお二人も一緒に押すのです。








水鉄砲から大量の水が発射され大成功!と思われたのですが…残念ながら対岸の火事には届く事は出来ませんでした。


結果は思ったようには成りませんでしたが職人たちの顔は満足感にあふれていました。誰もできないと断った巨大水鉄砲作り、こうして挑戦することにこそ意味があったのです。一緒に水鉄砲を押した高校生の皆さんにとっても、きっといい夏休みの思い出になってくれたことでしょう。何しろ普段テレビでしか見られないアイドルと 一緒に100人で竹の超巨大な水鉄砲を撃つという機会は恐らく二度とない事かも知れないのです。




今回の竹の巨大水鉄砲作り、この模様は2013年9月1日に日本テレビ「ザ!鉄腕!DASH!!」で放送していただき、全国のみなさまに竹虎や安和、須崎市を知っていただく大変ありがたい機会となったかと思います。今回の放送は竹虎の職人ひとりひとりの技や虎竹の里の豊かな自然あってこそでしたが、何より自分達が地域のたくさんの人々に支えられ温かい応援の中で竹に向き合わせて頂いている事を改めて考えさせていただく機会となりました。

自分たちが119年続いてきた虎竹の里と、地域のみなさま、そして竹虎をご愛顧いただく全国のみなさまの笑顔のためにやらなければならない事は、これから沢山あると思っているのです。




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