菊割りの修理

2017年10月12日

菊割り,修理


菊割りとは丸い竹をその刃の枚数に均等に割る道具です。竹の大きさや割り幅によって割り枚数を変えるために、竹虎にも3枚割から22枚割くらいまで、多くの菊割りがあります。その菊割りの手が折れてしまいました。


金属で出来たこの菊割りの手が折れるというのはよっぽどのことのように思えるのですが、これまでにも数回折れたことがあります。この菊割りは鋳物で出来ており、鋳物で出来たものは折れたり、割れたりするということを経験上知っています。


鋳物とは金属をとかし、その形に作った鋳型に流し込んで作る製造方法です。詳しい事はよくわかりませんが、その製造方法で作ると鉄の中に炭素が多く混ざり、その炭素量によって鉄の持つ性質が変わるため、この製造方法で作る鉄のことを鋳物と呼ぶようです。


その性質の最も大きな差が鉄の強度や硬度などの材料としての強さの性能だそうです。炭素が多いと材料は硬くなりますが、反面、粘り強さが落ちてきます。硬いものは限度を超える力がかかると折れることがあります。


鉄は固いというイメージがありますが、よく考えてみると鉄板などの薄い物は手で容易に曲げられます。違う製造方法で作られる、いわゆる一般的な鉄には炭素含有量が少なく、どちらかというと硬くはないが、粘りがあるということなのでしょう。


それを考えると、なぜこの菊割りが鋳物で出来ているのかが、推測されます。竹は杉などの木材よりも固く、孟宗竹など身の部分の厚いものを割るのには大変な力が必要です。鉄でできた菊割りで割っていると、少し違う方向に力がかかったりすれば、薄い刃の部分が曲がったりしてしまいます。


その点、炭素含有量の多い鋳物は固く、曲がったりはしません。だから竹虎に昔からあり、ずっと使ってきている菊割りはほとんど鋳物で出来ているのです。手が折れたといっても、その炭素含有量のせいか、鋳物は普通の溶接では強くくっつけることができず、また別の特殊な溶接が必要なようです。


この菊割りが鋳物で出来ている理由がその硬さゆえなのかは自分の推測でしかないのですが、昔からある道具にはそれなりの理由があり、先人の知恵の積み重ねの結晶だと思うのです。












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数寄屋草履スリッパ

2017年9月28日

数寄屋草履,スリッパ


数寄屋草履とは露地を歩くときに履く、竹皮などを二重に編んで作った草履で露地草履ともいいます。露地とは茶室や草庵の庭、門内や庭の通路を指し、お茶の席で使われることが多いようです。


今回、その数奇屋草履の裏に竹皮健康スリッパのようにスポンジを貼ってもらえないかと問い合わせがありました。雨などで底が濡れたり、足が少しでも濡れないようにということでした。


本来お茶の席なのでは雨や雪の場合は足元が濡れないように数寄屋下駄を履くとしたものらしいのですが、今回のお客様は普段履き用に竹皮の鼻緒のものが欲しいということで、スポンジを貼ることになりました。


初めてのことでうまく貼れるか少し心配もしましたが、綺麗に貼れて一安心です。お客さまにも喜んでいただけるのではないかと思います。小さい事ですが、ちょっとした要望にも柔軟に、そしてその要望に応えていけるような、物作りのできる竹虎でありたいと思うのです。












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お百度串

2017年9月14日

お百度,串


お百度参りとは、内容が藁をもすがりたいというような切実な場合が多く、一度の参拝でなく何度も参拝することで、その願いが成就するようにと願う方が参拝する方法の一つだそうです。


昔は願いを叶えるために同じ社寺や神社などに百日間、参拝するもとされていたようですが、百日間通うことの困難さや、その願いを一日でも早く叶えたいという思いもあり、現在では1つの場所で参道から本殿までを続けて百回お参りする事も多いようです。


そのお参りする回数を数えるのではなく、数を間違えないようにするのと、想いを集中できるようにと、こよりや一円玉や竹串を持って、それを置き、回数がわかるようにするようです。先日、お百度参り用に指定のサイズで竹串を作れませんかというお問い合せを頂きました。


竹を指定のサイズにカットし、指定の幅に割るだけの簡単なものではあるのですが、その竹串の意味の重さを思うと、お金を頂き、作製することに少し躊躇しましたが、お役に立たせていただきたいという想いから、作らせていただくことにしました。


どんな商品でもそうなのですが、物を作るときにはいつも使っていただく人の満足感や笑顔、そして使い勝手や耐久性などを考えながら製作しています。しかし今回の製作はいつもとは少し違います。自分には計り知れませんが、お百度参りをされるほどのお客様の願いがどうか叶いますようにと、願いながらの製作になったのです。












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竹虎インターンシップ2017

2017年8月31日

インターンシップ 就活 職場体験


今年の夏もインターンシップ生が竹虎に来てくれました。竹虎では毎年お盆休み明けの時期がインターンシップの時期になっています。例年7~8人ほどの学生さん達が来てくれることが多いのですが、今年は2人の学生さんが来てくれました。


インターンシップ期間、2週間のうち、前半の1週間は本社工場や配送現場での現場作業を体験してもらい、後半の1週間で、その現場での体験を生かしてインターンシップのページ作成をしてもらうというプログラムで進めています。


竹林を見てもらい、竹の枝を綺麗に払う目打ちという作業をし、そして油抜きというガスバーナーで竹をあぶって綺麗にしていく作業と続きます。真夏の暑い工場内での作業に学生さんたちは悪戦苦闘しながらも頑張ってくれました。


インターンシップ 就活 職場体験


本社工場での体験後半には虎竹花かご作りにも挑戦しました。山から伐採した竹を、カットし、目打ちし、油抜きして、さらにその竹を割って、剥いでヒゴを作り、やっと編み始められる花かご作り。一連の作業を実際に体験したことで、また感じることや気づいたこともあるのではないかと思っています。


後半の1週間のページ作りで、本社工場での1週間で何を考え、感じ、気づいたのかがわかります。インターンシップ生の作文ではない、想いの伝わるページを楽しみに待っているのです。












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虎竹の里の花火大会

2017年8月17日

虎竹の里 夏祭り 地域


今年も虎竹の里の花火大会が行われました。花火大会と言っても、市販の打ち上げ花火を足場板に並べて置き、次々に火をつけて打ち上げていくような、本当に手作りの花火大会です。花火大会というより、夏祭りと呼んだ方がいいのかもしれません。


虎竹の里にある青壮年会という30人ほどのメンバーのいる団体の主催で、寄付も頂きながら、なんとか毎年続けている夏祭りです。人口700人あまりの小さな地区の小さな夏祭りですので、当然出店など来るわけもなく、いろいろな出店もほとんど青壮年会メンバーの手作りです。


虎竹の里 夏祭り 地域 青壮年会


焼き鳥、焼きそば、お好み焼き、豚串にかき氷やビールなどを販売します。それにくじ引きや、今年から手作りしたピンボールゲームなど、子どもたちに喜んでもらえるような夏祭りを目指しています。釘の打つ位置に四苦八苦したピンボールゲームも人だかりができ、楽しんでもらえたようで一安心でした。


小学生以下の子どもたちにはお楽しみ抽選会のカードを渡します。今年も一等は自転車ですが、そのほかにもおもちゃなど、たくさんの商品を用意したおかげで、この祭りの一番の盛り上がりはやっぱり、このお楽しみ抽選会でした。


子どもだけでなく、多くの大人も来てくれて、お盆期間中の開催とあって、今年も多くの帰省された人も来てくれました。あちこちで人の輪ができ、このお祭りが里帰りしてきた人の再会の場になれていることがとてもうれしく感じます。


この地域の人たちは、この地域と人が好きでここに住み、そして帰って来ます。小さな地域の小さな夏祭りですが、自分たちには一番の夏祭りとなっているのです。












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秋の準備

2017年8月 3日

山 整備 秋


梅雨が明けても、まだ梅雨のようなムシムシする虎竹の里ですが、そろそろ秋から冬にかけての虎竹の伐採時期に向けて、準備をしないといけない時期となりました。


竹は秋から冬にかけての伐採ですが、それまでに竹林の下草を刈ったり、またその山まで行く道の整備をしておかなければいけないのです。今年は2年に1度の焼坂の道を重機で整備をする年です。重機を借りたり、重機に乗ってくれるオペレーターの手配や日程の調整もそろそろ始めなければいけません。


最近のゲリラ豪雨などで焼坂の山に上がる道も、ところどころ山肌が緩くなり、石や土が落ちて来て、道幅も狭くなってきています。山道自体も山に降った雨が道の上を流れていくので、削れて傷んでいるところが多くあります。


梅雨前にはその道を流れる水を切るために、ところどこ溝を切って谷に水が落ちるようにはしてありますが、どうしても多く雨が降った時などには道を流れる水で山道が削れてしまうのです。


それを直すために重機を入れるのですが、その前に焼坂の山のてっぺんまで続く約5キロほどの山道の草刈りや道に倒れた竹や木の整理を行います。夏真っ盛りですが、気持ちはもう秋の伐採に向いているのです。












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梅雨が明けました

2017年7月20日

青竹踏み 手入れ


梅雨が明けました。梅雨の時期は、竹を扱う者として、いろんなことに気を使う時期です。一番気をつけていることはカビが生えないように管理することです。竹は自然素材ということもありますが、吸湿性が高いので、ジメジメと湿度の高い時期が続くときには、カビが生えないように梅雨の晴れ間に干したり、箱の中に蒸し込んだりしないように気をつけています。


塗装をかければそういう心配もいらないのですが、そこはやはり竹そのものの素材のよさを直に触れてもらいたいですし、竹が持つ柔らかさや暖かさなどのなんともいえない感触は、塗装をかけてしまうと失われることも多くあるものです。


このずらりと干してある青竹踏みも、プラスチック製もあるようなのですが、実際に踏んでみると足あたりが全く違うとの声をお客様からいただくことも多く、自然素材ならではの優しさや温もりが伝わることの嬉しさを感じています。


普段から竹に囲まれている自分たちの気づかない竹のよさ、魅力をお客様から教えられることは本当に多いです。また逆に、自分たちだからこそ気づいている竹の良さ、魅力をもっともっと伝えていき、竹のある暮らしをご提案できればと思うのです。












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えびら用の杉板

2017年7月 6日

えびら用の杉板


梅雨真っ只中の高知県須崎市安和の虎竹の里ですが、梅雨明けの梅の土用干しに使うえびらの製造に追われています。土用干しとは夏の土用の時期に衣類などを干して虫やカビを防ぐ虫干しや、田んぼの水を抜いて稲に強い根を張らせるといったことも土用干しと呼ばれ、どれも昔からの先人の知恵と言えるでしょう。


梅の土用干しとは6月頃に採れた梅を塩漬けにしておき、それを三日ほど天日に干すことを言います。太陽の紫外線で微生物などを殺菌し、梅の水分量も減らし、それによって梅の保存性を高めることができるようです。


その梅の土用干しになくてはならないざるの一つがえびらです。竹ヒゴを網代に編み、それに杉の枠を取り付けた平かごで、使う場所や梅の量によって二種類の大きさがあります。またその杉の枠には穴があけてあり、それに紐を通してベランダなどに吊るすこともできる便利な平かごとなっています。


そのえびらに使う杉板を梅雨の晴れ間に製材所から取ってきて、干しました。この杉板もどんなものでもよいのではなく、できるだけ節が少なく、白いものを選別して取って来ています。節があると杉板を引くときにその部分で微妙に曲がったり、節が取れて穴があいてしまったりする場合があるためです。


えびら用の杉板


杉の木の色は木の芯の部分に近い赤身と、外側の色の薄い白身とに分かれています。色の薄い白身のほうが最初のうちは綺麗に見えて清潔感があるため、できるだけ白身に近いものを選んでいますが、そういう杉材は少なく、赤身の混じったものや、赤身の杉材も混ぜています。


こう言うと赤身の杉材が良くないように思われる方もいるかもしれませんが、実は赤身の方が水に強く、虫やカビに強いという特徴があり、神社やお寺などでは赤身の杉材を好んで使っていたという話もあります。


竹も種類によってや、個体によって、強さや固さが違いますが、木も種類やどの部分かによって、性質や特徴が違っているようです。それぞれの特長を知って、自然素材ならではの一つ一つ違う風合いや、経年変化を楽しんでいただけたらと思うのです。












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竹磨き

2017年6月22日

竹 加工 磨き


竹を磨くと聞くと、竹の表面汚れを米ぬかや濡れたスポンジやタオルなどでこすって汚れを取り、少しでも青々とした竹に見えるように綺麗にすることを連想される方が多いのではないでしょうか。虎竹や黒竹をガスバーナーで炙って、油抜きし、表面の汚れを綺麗に拭き取ることも、ある意味磨くと呼べるのかもしれません。


しかし竹細工では竹磨きというと、磨き包丁という特殊な曲線のある刃物で、竹の表面の皮を薄く剥ぐことをいいます。竹を染色する場合など、表皮が残っていると、色が染まりにくく、綺麗に染められないために、染色をする籠はあらかじめ表皮を剥いだ竹でヒゴを作って編んでいきます。


また染色しない籠でも油抜きをせず、真竹磨き手提げ籠のように青竹のまま使う場合にも、表皮を剥いで磨きをかけることによって、竹表面を綺麗にし、美しいヒゴにしていく場合もあります。この籠はヒゴの綺麗さもありますが、時間が経つにつれてあめ色に変わっていく変化を楽しめる籠ともなっています。


虎斑竹のように、表面にあらわれる美しい模様や独特の艶の美しさもありますが、この磨きの籠のように、竹本来の美しさや自然素材ならではの経年変化を楽しむことも、竹という素材の魅力だと思うのです。












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竹の凹み

2017年6月 8日

竹 黒竹 枝


竹虎工場横の川べりには黒竹が生えている一角があるのですが、今年も新しい竹が生えてきました。竹はたけのこから成長するのに1日で1m以上も伸びることもあるくらい成長が早いことで知られていますが、この黒竹もあっという間に伸びてきました。


細いたけのこから、皮をかぶったまま成長していますが、先の方になるとその中に枝を格納しており、幹を伸ばすと同時にその中の枝も伸ばしながら、皮が落ちるとそのまま枝を広げられるようになっています。


竹は2~3ヶ月で上への成長は止まり、それから少しづつ、固くなっていくために、この状態の竹はまだまだ柔らかいままです。その状態で枝がたけのこの皮の中に格納されているので、竹の先の方の枝の出ている部分の上側には凹みがついてしまうようなのです。


長いヒゴなどを取る場合はその部分には枝があり、凹みがあるので、それを避けて使うことになり、その部分は使えず、無駄となってしまう場合が多くあります。しかしお茶の道具の茶杓ではその凹んだ部分を桶(ひ)と呼び、その凹みを価値のあるものとして捉えているようです。


茶道は解釈の違いや、流儀などにより呼び方ややり方の違うことが多くあるようですが、その部分は凹んでいるために、お茶をすくいやすいということがまずあるようです。


その部分を竹の先の方から使うか、元のほうから使うかで、本樋とか逆樋などと呼び、樋の形の違いなどからくる、茶杓の違いなどを楽しまれているのではないでしょうか。


ヒゴなどを取るのには邪魔な節の部分や凹みも、竹によって多少の違いもあり、茶杓のように、その凹みを面白い物として見て、使うことができる竹という素材は本当に面白い物だと思うのです。












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