虎竹の切断場

2019年1月17日

竹虎,須崎市,安和,竹,職人


古い職人が退職されたので、今まで以上に若い職人に仕事を覚えてもらおうと思っています。今回はあいばんと呼ばれる竹の切断をやってもらいました。トラックに載せて、山から取ってきた竹をここで台に下ろして切断するという、竹虎工場内での一番最初の作業で、一番大事な作業でもあり、一番難しい作業でもあります。


虎竹を切断するには1本1本色や大きさで選別して買い取った竹を、また1本1本色の付き具合や大きさや、その竹自体を見ながら切断しなければならず、まだまだ若い職人には無理ですが、それに比べ黒竹はまだ切り分ける種類が少なく、色の違いも少ないので、黒竹の切断から覚えてもらっています。


色や大きさを見ながら、15尺、13尺、10尺、6.5尺の規格の製品の長さに切り分けます。その先をまた1m、1mの垣用、枝折戸の横桟、縁台用の竹などに切り分けていきます。若い職人と言っても、もう5年目ですし、竹をまっすぐにする矯め作業もこなせる職人なので、初めてにしては問題なくできていたようで安心しました。


虎竹を切る場合はこれに、15尺でも用途や行先によって竹を見て切り分け、竹垣の柱を巻く巻き竹の各種、、枝折戸を編むへぎ竹用、細工や節間用に取るタルキ、細工用各種、縁台の縁用の竹、飾り竹炭用竹、手ほうき用、自在垣用、四ツ目垣用など、その竹の色付きや大きさ、素直さや節間などを見ながら、最適な用途を見つけて切り分けていくことが必要になってきます。


山から伐り出された虎竹は竹虎工場内に運ばれた段階で、この切断場で切断する人によって、用途を決められカットされます。26通りにも細かく選別され、買い取ってきた虎竹をいかに効率よく、その竹を最適な用途にカットするかは、切断する人の判断にかかってきます。


そういう意味で、この切断する作業は竹虎工場での一番大事な作業です。またここで虎竹を切るということは、虎竹の里から出てきた竹をすべて見ることにもなりますし、ここから出ていくすべての虎竹の行方を決めるという大切な役目でもあります。


この場で虎竹を切れるようになるのが虎竹と竹虎工場の仕事を少しはわかったという最低限の目安です。伐採したり、割ったり剥いだり、加工したりと、まだまだ覚えることはたくさんあります。でもその前にまず竹屋として虎竹をちゃんと知るということができてからが、本物へのスタートだと思うのです。












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竹虎工場は暑いです。

2018年7月26日

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猛暑が続いており、熱中症対策が毎日のように報道されています。いつものことではありますが、竹虎工場内も暑い中での作業が続きます。竹を長いまま立てられるようにと天井は高い部分もありますが、屋根は鉄板で出来ており熱を持ちますし、工場内は竹を積み上げていますので、風の通りも良いほうではないので、熱がこもりがちです。


じっとしていても汗が流れる環境ですが、職人たちは扇風機の風だけを頼りに、毎日頑張っています。幸いなことに今の時期は竹の製造も一段落し、座り仕事が多いですが、油抜きというガスバーナーを使っての作業があるときなどは、暑さでくたくたになることも多いのです。


とはいえ、この炎天下に外で作業される方もたくさんおられます。職人たちはどう思っているかわかりませんし、ひどい工場長だと思われるかもしれませんが、自分としては暑いとはいえ扇風機の風に当たりながら仕事できるのは、それだけで幸せな環境だなと思うのです。


職人にはそういいながら、自分はよく冷房の効いた事務所に座っていることがあります(笑)。冷房の効いた場所から工場のムッとした熱気の中に行きたくないと思うこともありますが、暑い中で汗をかいて事務所に入ると寒くてたまらず、いつも事務所内ではパーカーを着て座っています。


暑いと言っても何もなりません。寒くて手がかじかんで動かなくなる冬の寒さに比べればずっと作業のしやすい季節です。この暑さを受け入れ、こまめな水分補給など体調管理に気を使いながら、この暑さを乗り切っていこうと思うのです。












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切断台

2018年6月28日

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山で伐採され、選別をした後に竹虎工場に持ち込まれる虎竹はまずここで切断されて、工場内の各置き場所に保管されていきます。長い竹をその竹の大きさや伸び、色の良し悪しや、竹の良し悪しによって用途を決め、その長さに切断するのです。


のこぎりの向こうにある、木材や鉄のでっぱりに竹を突っかけるとそのでっぱりまでの長さにカットができます。短いものは50cmから、一番長いもので15尺(約454cm)まで、様々な規格の長さがあります。


切断するには竹を見て、その竹をわかることは当然ですが、そのいろいろな規格や用途を知り、それに合った竹をその規格の長さに切断するという判断力も必要です。入荷した竹をその竹に応じて最適な用途に切り分ける作業は、その竹を生かすという意味でも大切な作業です。


自分が子どものころには2代目社長である祖父が、いつもその切断台に座って仕事をしていました。今考えると、祖父もそれをよく分かっていて、虎竹と向き合う一番大事な責任ある仕事を、自ら進んでやっていたんだなと思います。


現在の竹虎では自分ともう一人の職人しか、この切断場で竹を切ることはできません。いつか一緒について仕事している若い職人がこの一番大事な、虎竹や竹虎の仕事を知らないとできないこの仕事をできるようになればいいなと、期待しているのです。












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段違いすのこ

2017年12月 7日

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すのこの別誂えの注文をいただきました。玄関のシューズボックスへの導線に不便を感じており、黒竹すのこを置いてシューズボックスへ行きやすいようにと、玄関の幅いっぱいに別誂えで作れないかというお問い合せからのご注文となりました。


既成の奥行き40cm、幅90cmものを1つ置いて、もう1つ幅いっぱいになるように、玄関のサイズに合わせて作るというものです。お話を聞いていると玄関の廊下につながる靴を脱ぐ部分がほんの少し奥に出っ張った形状をしており、真っ直ぐではないことが分かりました。


同じ奥行きのものを並べると、その部分に隙間ができてしまうので、その出っ張った部分に合わせた黒竹すのこのご提案をさせていただきました。


また1枚物で、その部分だけ奥行きを広く作ることも可能ですし、同じ竹で1本で通すほうが綺麗には見えるのですが、それですと幅が大きくなりすぎて、掃除などの時に大変だということで2枚物で作ることをお勧めし、了承してもらってからの、製作となりました。


奥行きが変わると、それに合わせた桧の足からの製作となり、材料となる桧の手配や加工、塗装などで、時間もかかってしまい、多少の割り高にはなってしまいます。


それでも玄関の凹凸や幅にぴったりとあったサイズで製作し、お届けしたお客さまからは、大変気に入っていただき、作って良かったとの言葉を頂き、こちらも大変嬉しい別注すのこの製作となったのです。












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桝網代編み

2017年11月24日

竹,編み方,網代網,桝網代編み


久しぶりに網代編みを編みました。網代編みは竹細工を始めた頃から好きな編み方で、オーソドックスな長桝網代をはじめ、その編みヒゴの幅を変えながら編むだけで編み目が波模様に見える波網代、六角形の底になるクモの巣網代など、網代編みの籠ばかり作っていた時期がありました。


網代編みは基本的には3本すくって3本押さえるといった基本形があり、それを少し変化させたり、編み替えたりしながら思った形や模様にしていきます。編み方はワンパターンながらも、隙間の無いように編み、模様を綺麗に見せるために細いヒゴを使うことが多いため、ヒゴの本数がどうしても多くなる編み方でもあります。


またぴったりと編み目を詰めていくにはある程度のヒゴの薄さが要求されるため、0.05ミリ単位での精度でヒゴを取る必要があります。割り剥ぎの段階で出来るだけ薄く剥いでおき、銑と呼ばれる片刃の刃物のついた道具で、ヒゴの裏の厚みを取りながら厚みを揃えていきます。


今回は網代にしては少し幅の広い5ミリ幅のヒゴでしたので、厚みは0.45ミリのヒゴを取りました。あまりやらない桝網代編みという中心がはっきりしていて、周囲に向かって桝目が広がっていく編み方で編みました。


単純で正方形に編める編み方なので、何も考えずに編め、やりながら、やっぱり網代編みって好きだなと再確認した桝網代編みとなりました。












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菊割りの修理

2017年10月12日

菊割り,修理


菊割りとは丸い竹をその刃の枚数に均等に割る道具です。竹の大きさや割り幅によって割り枚数を変えるために、竹虎にも3枚割から22枚割くらいまで、多くの菊割りがあります。その菊割りの手が折れてしまいました。


金属で出来たこの菊割りの手が折れるというのはよっぽどのことのように思えるのですが、これまでにも数回折れたことがあります。この菊割りは鋳物で出来ており、鋳物で出来たものは折れたり、割れたりするということを経験上知っています。


鋳物とは金属をとかし、その形に作った鋳型に流し込んで作る製造方法です。詳しい事はよくわかりませんが、その製造方法で作ると鉄の中に炭素が多く混ざり、その炭素量によって鉄の持つ性質が変わるため、この製造方法で作る鉄のことを鋳物と呼ぶようです。


その性質の最も大きな差が鉄の強度や硬度などの材料としての強さの性能だそうです。炭素が多いと材料は硬くなりますが、反面、粘り強さが落ちてきます。硬いものは限度を超える力がかかると折れることがあります。


鉄は固いというイメージがありますが、よく考えてみると鉄板などの薄い物は手で容易に曲げられます。違う製造方法で作られる、いわゆる一般的な鉄には炭素含有量が少なく、どちらかというと硬くはないが、粘りがあるということなのでしょう。


それを考えると、なぜこの菊割りが鋳物で出来ているのかが、推測されます。竹は杉などの木材よりも固く、孟宗竹など身の部分の厚いものを割るのには大変な力が必要です。鉄でできた菊割りで割っていると、少し違う方向に力がかかったりすれば、薄い刃の部分が曲がったりしてしまいます。


その点、炭素含有量の多い鋳物は固く、曲がったりはしません。だから竹虎に昔からあり、ずっと使ってきている菊割りはほとんど鋳物で出来ているのです。手が折れたといっても、その炭素含有量のせいか、鋳物は普通の溶接では強くくっつけることができず、また別の特殊な溶接が必要なようです。


この菊割りが鋳物で出来ている理由がその硬さゆえなのかは自分の推測でしかないのですが、昔からある道具にはそれなりの理由があり、先人の知恵の積み重ねの結晶だと思うのです。












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お百度串

2017年9月14日

お百度,串


お百度参りとは、内容が藁をもすがりたいというような切実な場合が多く、一度の参拝でなく何度も参拝することで、その願いが成就するようにと願う方が参拝する方法の一つだそうです。


昔は願いを叶えるために同じ社寺や神社などに百日間、参拝するもとされていたようですが、百日間通うことの困難さや、その願いを一日でも早く叶えたいという思いもあり、現在では1つの場所で参道から本殿までを続けて百回お参りする事も多いようです。


そのお参りする回数を数えるのではなく、数を間違えないようにするのと、想いを集中できるようにと、こよりや一円玉や竹串を持って、それを置き、回数がわかるようにするようです。先日、お百度参り用に指定のサイズで竹串を作れませんかというお問い合せを頂きました。


竹を指定のサイズにカットし、指定の幅に割るだけの簡単なものではあるのですが、その竹串の意味の重さを思うと、お金を頂き、作製することに少し躊躇しましたが、お役に立たせていただきたいという想いから、作らせていただくことにしました。


どんな商品でもそうなのですが、物を作るときにはいつも使っていただく人の満足感や笑顔、そして使い勝手や耐久性などを考えながら製作しています。しかし今回の製作はいつもとは少し違います。自分には計り知れませんが、お百度参りをされるほどのお客様の願いがどうか叶いますようにと、願いながらの製作になったのです。












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えびら用の杉板

2017年7月 6日

えびら用の杉板


梅雨真っ只中の高知県須崎市安和の虎竹の里ですが、梅雨明けの梅の土用干しに使うえびらの製造に追われています。土用干しとは夏の土用の時期に衣類などを干して虫やカビを防ぐ虫干しや、田んぼの水を抜いて稲に強い根を張らせるといったことも土用干しと呼ばれ、どれも昔からの先人の知恵と言えるでしょう。


梅の土用干しとは6月頃に採れた梅を塩漬けにしておき、それを三日ほど天日に干すことを言います。太陽の紫外線で微生物などを殺菌し、梅の水分量も減らし、それによって梅の保存性を高めることができるようです。


その梅の土用干しになくてはならないざるの一つがえびらです。竹ヒゴを網代に編み、それに杉の枠を取り付けた平かごで、使う場所や梅の量によって二種類の大きさがあります。またその杉の枠には穴があけてあり、それに紐を通してベランダなどに吊るすこともできる便利な平かごとなっています。


そのえびらに使う杉板を梅雨の晴れ間に製材所から取ってきて、干しました。この杉板もどんなものでもよいのではなく、できるだけ節が少なく、白いものを選別して取って来ています。節があると杉板を引くときにその部分で微妙に曲がったり、節が取れて穴があいてしまったりする場合があるためです。


えびら用の杉板


杉の木の色は木の芯の部分に近い赤身と、外側の色の薄い白身とに分かれています。色の薄い白身のほうが最初のうちは綺麗に見えて清潔感があるため、できるだけ白身に近いものを選んでいますが、そういう杉材は少なく、赤身の混じったものや、赤身の杉材も混ぜています。


こう言うと赤身の杉材が良くないように思われる方もいるかもしれませんが、実は赤身の方が水に強く、虫やカビに強いという特徴があり、神社やお寺などでは赤身の杉材を好んで使っていたという話もあります。


竹も種類によってや、個体によって、強さや固さが違いますが、木も種類やどの部分かによって、性質や特徴が違っているようです。それぞれの特長を知って、自然素材ならではの一つ一つ違う風合いや、経年変化を楽しんでいただけたらと思うのです。












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竹磨き

2017年6月22日

竹 加工 磨き


竹を磨くと聞くと、竹の表面汚れを米ぬかや濡れたスポンジやタオルなどでこすって汚れを取り、少しでも青々とした竹に見えるように綺麗にすることを連想される方が多いのではないでしょうか。虎竹や黒竹をガスバーナーで炙って、油抜きし、表面の汚れを綺麗に拭き取ることも、ある意味磨くと呼べるのかもしれません。


しかし竹細工では竹磨きというと、磨き包丁という特殊な曲線のある刃物で、竹の表面の皮を薄く剥ぐことをいいます。竹を染色する場合など、表皮が残っていると、色が染まりにくく、綺麗に染められないために、染色をする籠はあらかじめ表皮を剥いだ竹でヒゴを作って編んでいきます。


また染色しない籠でも油抜きをせず、真竹磨き手提げ籠のように青竹のまま使う場合にも、表皮を剥いで磨きをかけることによって、竹表面を綺麗にし、美しいヒゴにしていく場合もあります。この籠はヒゴの綺麗さもありますが、時間が経つにつれてあめ色に変わっていく変化を楽しめる籠ともなっています。


虎斑竹のように、表面にあらわれる美しい模様や独特の艶の美しさもありますが、この磨きの籠のように、竹本来の美しさや自然素材ならではの経年変化を楽しむことも、竹という素材の魅力だと思うのです。












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ベルトサンダー

2016年11月24日

若い竹職人


ベルトサンダーはキャタピラーのようにつながれたサンドペーパーを回すことで研磨を行う機械ですが、竹虎では主に竹皮スリッパの底部分のEVAスポンジの研磨やの研磨、また縁台や黒竹すのこに使う黒竹のカット部分の面取りなどに使用しています。


その他にもいろんなものの切断面や割り面を綺麗に研磨したり、角い角を丸く整えたりと竹虎工場内にある機械の中では無くては困る非常に大事な役割をしてくれている機械です。


でも機械と言っても、電動のこぎりのようにそれを使えば綺麗に早く切れるというような簡単なものではなく、ベルトサンダーは結局それを使う人の技量が重要です。ベルトに竹を押し付けて削っても、少しの力の入れようで削りすぎたり、歪んでしまったりしてしまいます。


少し前から若い職人に箸を削ってもらっています。荒めのサンドペ―パーと細かいサンドペーパーを使い分けながら、100膳なら100膳を同じ規格で、できるだけ綺麗に、出来るだけ早く作るためにどうすればいいのか、試行錯誤の毎日です。












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