長い巻き竹

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巻き竹とは孟宗竹で組んだ袖垣の枠部分に巻いて、孟宗竹を隠し、虎竹や白竹の枠に見えるようにするために巻く、割竹のことを言います。


今回、6mと11mの幅の光悦寺垣の枠を巻くために、7m近い長さの巻き竹を割ることになりました。6mの物は1本で、11mの物は途中で継ぎながら枠に巻きつけていきます。


まず直径7センチほどの竹を菊割りという道具で8等分に割り、そしてその1枚1枚を今度は竹割り包丁で4等分にしていきます。手で小さく4等分に割っていくほうが難しいように思えますが、こんなに長い竹を菊割りで均等に割っていくのは、同じくらい難しいことです。


竹割り包丁で割っていくのは、割りながら少しずつ修正をかけて、真っ直ぐに割っていくことができますが、菊割りという道具で割るのは割り幅が違ってきても、なかなか修正が効かないからです。ですから出来るだけ均等に竹に割れ目を入れ、できるだけ真っ直ぐに、均等に力をかけながら割っていくしかありません。


実際巻きつけた巻き竹を見てもなかなか気づかないかもしれませんが、綺麗な巻き竹を割るには、それなりの経験とテクニックが必要となってくるのです。

新竹の製竹作業

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竹は秋から冬にかけてが伐採シーズンです。今シーズンも虎竹が少しずつ山から伐り出され、竹虎工場に運び込んで来ています。長いままトラックに積み込んで、まずは虎竹の色を見て、大きさや用途に合わせてカットし、またそれを細かく用途に合わせて選別します。


ある程度大きくて長いものは4mにカットします。割り剥ぎし、編んだり、巻きつけたりする竹細工用の竹は出来るだけ素直な、細工に適した竹を選り分けておきます。


あまり大きく曲がっていたりする竹は油抜きと一緒に矯正作業をして、出来るだけ真っ直ぐにし、加工材として使用します。ホームぺージで販売している竹材は大きいものも小さいものもほとんどこの加工をして、使いやすいように真っ直ぐに矯正しています。


油抜きや真っ直ぐにして竹材という製品にして販売できるように加工することを竹虎では製竹と呼んでいます。竹を割り剥ぎして籠を編んだり、組んだりして製品を作ることと同じで、綺麗に油抜きし、真っ直ぐにしていくことも、虎竹という1つの製品を作ることです。


ただバーナーの熱で竹を炙り、綺麗に油を拭き取り、真っ直ぐに矯正するだけではありません。1本1本、粘りや厚みや大きさ、曲がり具合や乾燥度合が違います。虎竹のいろんな模様や微妙な色具合でも、その竹の性質は見てとれます。


どんな山から竹が出ているかを知り、その山から竹を取って来て、いつもその竹を油抜きし、切ったり、割ったり、剥いだり、加工している竹虎の職人にしかわからない虎竹があります。でもそれは数千本、数万本さばいたから分かるものではなく、すべて違う一本一本に真剣に向き合い、常に考え、感じ、気づこうとする者だけがわかることだと思います。


今までの経験と知識とテクニックだけで作業し、曲がった竹を真っ直ぐにして、それで満足してもらっては困ります。一日やれば炙り過ぎて竹を破裂させたり、押しすぎて折ってしまう竹が数百本のうちに数十本は必ず出ます。仮に真っ直ぐに出来たとしても、本当に竹を分かって真っ直ぐにできているのか。


目の前の虎竹は間違いなく今まで見てきた虎竹とは違います。経験をもとにしながらも、ほんのちょっとした竹の動きや重さや反発、熱の入り具合や癖や色、立ち上る湯気からも感じることはたくさんあります。


これから新しいことにチャレンジしていくためにも、まずいつもの目の前の仕事でもっともっと深く考え、学び、進歩し、日本唯一の虎竹を本当に知る、本物の竹屋にならなければと、いつもいつも思うのです。