矯めない矯正法

矯めない矯正法


竹というものは真っ直ぐに伸びているイメージがあるようですが、実は倒してみると結構曲がっているものです。それをガスバーナーで油抜きをした際に、その熱を利用して矯め木という道具を使って真っ直ぐに矯正することを矯めると呼んでいます。


竹は熱すると金属や木材と同じように、柔らかくなる性質を持っています。熱くなっているうちに竹の曲がっている方向の繊維を伸ばして、矯正し、そのまま冷まして真っ直ぐにしていくのです。籠を作る材料としての竹以外は、ほとんどこの加工をして真っ直ぐに矯正して出荷しています。


虎竹玉袖垣などの袖垣の骨組みに使うのは孟宗竹という一回り大きな竹です。よっぽど大きな袖垣を組む以外は、そんなに長さを必要としないので、1本の竹の中で、極力真っ直ぐになっている所を使うようにしています。それでも自然のものですので、多少の曲がりがあり、作っていく段階で矯正が必要な場合も出てきます。


そんな少しの竹の曲がりを調整するのが、竹に切込みを入れて、その中に竹で作ったくさびを打ち込むという方法です。たとえば右側にほんの少し曲がっている竹があるとします。その右側に曲がっている部分に切り込みを入れ、くさびを打ち込むことによって、その部分が少しですが伸びて、竹がほんの少しですが、左側に戻るのです。


当然切り込みをいれるので、竹の強度は落ちてしまいますが、その上に割った竹を貼り付けて銅線で巻き、固定してしまいますので、問題はありません。見えないところでのこんな細工は、職人だけが知っている、職人にとってはなんてことのない技なのです。

梅雨入りしました。

梅雨入り


虎竹の里のある高知県須崎市も梅雨入りしました。例年、梅雨に入る前に外に置いてある竹を取り込んだり、外の仕事をあらかた終わらせようとしていますが、今年も何とか落ち着きました。長い竹を扱う竹屋にとっては、長いままの竹を工場内に取り込むには、それぞれの用途や規格に合わせて切断していく必要があるので、まとめてではなく、少しずつ切断しながら取り込んでいます。


それでもこれからの季節に気持ちよく使っていただける虎竹縁台や黒竹すのこなどでは四万十桧を使用していますし、土用干し用のえびらには杉を一部使用していることもあり、材料として入荷した桧や杉を干したい季節でもあるため、梅雨は困りものの季節でもあるのです。


しかし、それよりもこの季節で一番気をつけていることはカビです。竹は吸湿性が高く、湿気をよく吸います。工場内に乾燥させて立てかけてある竹でさえ、時折カビがくる場合があるので、天気のいい日には倉庫の窓を全開にして、湿気のある空気の入れ替えをしなければなりません。


また青竹踏みや青物の籠などの無塗装の製品には管理に、より一層の注意が必要になってくる時期でもあります。出来上がったばかりの青々とした製品はとても綺麗で気持ちのいいものですが、青々とした色は水分が残っているという証でもあるので、じめじめした季節にはカビの注意も必要になってきます。


しかし、部屋の湿度を調湿してくれる竹炭をはじめ、さらっとした肌触りの竹皮健康草履など、じめじめした季節を少しでも快適に過ごしていただける商品はたくさんあります。青竹踏みや国産天然竹の快眠マットなど、無塗装の、自然素材の竹がゆえの肌触りのよさがあります。


お弁当が蒸れないランチボックスをはじめ、見た目や肌触りの涼しさでも、これからの季節に大活躍の竹製品はまだまだたくさんあります。竹の素材を理解して頂いて、ほんの少しだけ管理に気を付けていただいて、この梅雨からどんどん暑くなる夏に向けて、竹という素材で少しでも快適に過ごしていただけたらと思うのです。