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朝のキリリとした空気と潮風の香る神戸の港で、写真付きの竹虎年賀状が始まりました。1985年、自分が大学4回生の時でした。全国各地に散らばる友人・知人に、その一年間がどうだったのか?新しく迎える一年をどうしたいのか?そんな事を一枚の写真で表せたらいいなあ、言葉で書くよりも伝えやすいのではないかと考えたのです。ちょうど写真をポストカードにるすサービスが始まった頃だったようにも思います、写真屋さんで作ってもらったポストカードを、今度は印刷屋さんに持ち込んで「うん、元旦だ。」と刷ってもらいました。 「なんや学生さん、もう少し早く持ってこなアカンでえ」 年末に印刷屋さんが忙しいと言う普通に考えたら当たり前の事も分からない脳天気な学生生活は年を明けると終わってしまうのでした。 |
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学校の行き帰りには、うずたかく積み上げられた竹の山に登ったり、腰掛けて話したり、近くに落ちている竹の小枝でチャンパラしたり、思えば小さい頃から竹と言えば、虎模様のついた虎竹であり、いつもすぐ近くにある身近な存在でありました。 |
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すぐ目の前の海で釣りをする時には、竹はしなりのある釣り竿として使うし、山に入って猟師さんのごとく遊ぶときには、弾力のある弓矢にもなる。万能素材の虎竹と自然に囲まれて、スクスクと大きくなっていったのでした。 |

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明徳義塾中学、高校に進学した事もひとつの大きな転機となりました。600名の生徒と共に勉学、クラブ活動、そして寮生活、普通の学校生活では絶対にできないような貴重な体験を沢山させていただいたお陰で今があるのです。 とは言っても自分が中学に入学した頃の明徳は、まだまだ創成期。廃校になった学校を移築した質素な校舎と記念館、数棟の寮があるだけでした。勉強やクラブ活動の合間をぬって、また朝礼の後などの時間を使いグランドを整備し、土を運び、コンクリートを練ってまさに自分達の手で少しずつ学校を形づけていった時代でした。 |

「天国でも明徳に行くぞ」と卒業の時に色紙に書いたほど忘れがたく、心に刻まれた明徳を巣立つと、仲間達はそれぞれの道に進み、離ればなれになっていくのでした。 |

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大学に進学する時に立てた目標が3つありました。明徳ではテレビを見ることは1週間のうち土曜日の夜の2時間だけ。ラジオや週刊誌は厳禁という外の世界から断絶された環境の中で中学高校の6年間を過ごしましたので、まず世間というものを広く知りたいと思った事が一番でした。 自由に好きな映画を見ることも本を読むこともできなかったので |
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4年間の学生生活の中で、この3つだけは必ずしようと思い大阪に行ったのです。 本も読みました、漫画ですが...しかし、後の2つについては、掛け持ちで3つのアルバイトをずっとこなし結構な金額を毎月頂けるようになっていましたし、自転車旅行につきましては、たまたま同じように北海道に行きたいと思っていた友人と出会い実現しました。 |

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学生時代には贅沢に時間を使える旅はしておくべきです、この時は一ヶ月近い旅行でしたがこの先にこんな長期間の旅行はちょっと考えにくいと思っているのです。 |
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明徳から大学まで色々な出会いと別れがありましたが共通しているのは全国各地から集まった同年代の仲間達という事。自分は卒業したら高知の田舎に帰ってしまうし、他の友人達とも会う機会も少なくなるだろう...。 しかし、せっかくのご縁をなくしてしまうのは寂しいし、きっと何かで又繋がることもあるはず。せめて一年に一度の年賀状で自分の近況報告や、これからの事を伝えていこう。そう思ったのが写真付き年賀状を始めるキッカケとなったんです。 |
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どんな写真で送るか?これが大きなテーマとなりました。せっかくだから楽しく、面白いものにしよう。しかし...頭を悩ませた結果、当時のタバコのポスターを真似る事にしたのです。 藤 竜也さんという役者さんが港でタバコをくわえ「うん、マイルドだ。」と、コピーの書かれたキャスターというタバコのポスターでした。 |
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学生時代は、アルバイトがなければ昼夜の逆転したような生活でしたのであんな早起きしたことはありませんでした。まだ暗いうちに起きだし、電車に乗って向かったのは神戸港。 藤 竜也さんのポーズを思い出し何枚も何枚も撮影していきます。今のようにデジタルカメラではありません。その場で確認できる事もなく、とにかくひたすらシャッターを押してもらった記憶があるのです。 |





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藤 竜也さん。名前を聞いても、平成生まれの私の頭の中は「???」だらけでした。どのような人なのか気になりパソコンで検索してみると、渋い雰囲気を漂わせながらたばこを吸う、藤 竜也さんを発見。竹虎四代目が真似したくなる気持ちも分かります! |
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明日の元旦には、皆の元に始めての写真付き年賀状が届くと思うと、何やらドキドキワクワクしていた事を思いだされます。そんなに沢山の数を印刷してもらったワケでもないのに、印刷所のおじさんも本当に良くしてくれて一つの形にしていく事の面白さを知った年賀状でもありました。 |
「いよいよ卒業して社会人か...。どんな一年になるのか楽しみにしながら食べた年越しそばの味は今でも忘れれん。最高の味わいやったぞね。」 | ![]() |

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