博士の虎竹炭クッキー
高知県須崎市安和でしか美しい模様が浮かばない日本唯一の土佐虎斑竹(とさとらふだけ)は、高知県出身の植物学者「牧野富太郎」博士に命名されました。今年、2023年は牧野博士生誕160年の節目の年。竹虎ではその記念に、虎斑竹の竹炭を使い特別なクッキーを作りました。
土佐虎斑竹命名の父、牧野富太郎博士
坪井伊助著「竹類図譜」
土佐虎斑竹(学名:Phyllostachys nigra var.tosaensis Makino)の命名をされたのは、高知県出身の世界的植物学者で、自ら草木の精と言ってはばからなかった牧野富太郎博士です。牧野博士が虎斑竹を命名されたのは、1916年(大正5年)の事でした。
はちくの変種にして、高知県高岡郡新正村大字安和に産す。(現在の須崎市安和)凡の形状淡竹に等しきも、表面に多数の茶褐色なる虎斑状斑紋を有す。余は明治45年4月自園に移植し、目下試作中なるも未だ好成績を見るを得ず。
虎斑竹を牧野植物園へ移植
牧野富太郎博士の功績を広く伝えるため昭和33(1958)年に開設された牧野植物園。生誕160年記念では、虎斑竹を虎竹の里から牧野植物園へ植え替える移植もおこないました。
日本唯一の虎斑竹を竹炭に
虎斑竹は虎のような斑(まだら)模様が特徴ですので、通常は竹表皮を残し竹製品にします。今回は、普段竹炭パウダーにすることのない虎斑竹を特別に使用しクッキー生地に練りこみました。竹炭パウダーは無味無臭ですので、生地に混ぜ込んでいてもクッキー本来の香りや甘さをそのまま味わえます。
デザインも虎斑竹
クッキーのデザインは虎斑竹を輪切りにした断面を表しています。フチの緑は竹の表皮で黄色は竹の身部分をイメージ。表面はアイシングで仕上げ、中央部分に竹虎のロゴマークをあしらっています。
博士の眼鏡モチーフの缶
クッキーは博士の眼鏡のイラストが可愛らしい缶に12個入っています。
日本で唯一 土佐の虎斑竹(とらふだけ)
「虎斑竹(虎竹)」は淡竹(ハチク)の仲間に分類され、高知県須崎市安和の虎竹の里でのみ、稈の表面に虎模様が浮かぶ不思議な竹です。この模様は、幹に付着した寄生菌や潮風の作用によるとの学説もありますが、科学的には未だ解明されていません。実際に各地方に移植を試みましたが、何故か模様が付く事はありませんでした。
明治44年、当時日本最高の植物学者達が絶滅寸前の虎斑竹の保護のために、建白書を時の政府に提出しました。これが今日の天然記念物条例発布の導火線となり、天然記念物保存法が発令され虎斑竹はその第一号の指定を受けたのです。
イギリスBBC放送も取材に来た「ミラクルバンブー」
左の写真が、自然に生えている状態の虎竹です。この虎竹をガスバーナーで炙り、竹自身から出る油分で拭き上げると右の写真のように虎模様がはっきりと浮かび上がります。この珍しい虎竹(Tiger Bamboo)を取材するためにイギリスBBC放送までもが虎竹の里を訪れ神秘的な虎竹に「ミラクル!」を連発されていました。
竹職人達の想いが繋ぐ虎斑竹
竹は秋から1月下旬までが伐採のシーズンです。虎竹もこの期間に一年分をまとめて伐ります。竹職人達は急勾配の山道を運搬機と共に分け入り、一日中重たく長い竹を切り運び出すのです。そして、大きさや品質で選別したのち、ガスバーナーによる油抜き、矯め直しという製竹作業を行います。一本一本の個性を最大限に生かすために、熟練した職人の手で竹を炙り、まっすぐに矯正されるのです。こうして製竹された虎竹が、様々な竹製品へと生まれ変わります。
※保管方法
直射日光、高温多湿をおさけください。開封後はなるべく早くお召し上がり下さい。