えびら(竹編み平かご)

えびら(竹編み平かご)


昔から、天日干し用の竹編み平かごとして広く愛用されてきたのが「えびら」です。野菜を干したりしてもいいですが、梅の収穫時期になってくると、梅干しの土用干し用にたくさんの方にご愛顧いただいている商品です。側面に穴を開けてヒモを通せるようになっているために、吊ってお使いいただけるようにも出来ています。


底編みは孟宗竹の2本飛び網代で編んでいますが、枠は杉で作っています。杉は柔らかくて加工のしやすい木材で、杉ならではの木目がよく出るためにいろんなものに使われています。杉の木の中心部分は赤目がかった部分もよくあり、杉の赤身などと言われ、芯の部分ですので普通の部分より多少強度が増していることもあり、用途によっては赤身が向いていることもあるようです。


しかし、あまり一般的ではなく、見ようによっては木材の汚れと取られてしまって敬遠される方もいらっしゃいました。食べ物を入れるものですので、出来るだけ綺麗な材料を使いたいということもあり、このえびらに使用する杉は近くの製材所さんに頼んで特別に選り分けてもらっています。


それをカンナにかけ、表面を綺麗に加工したのちに、底編みの竹を挟み込んで組んでいくのですが、出来上がった後もこうして木材の角をペーパーで削っています。それを気づいて使ってくれているお客様がどれだけいるかわかりませんが、こうした目に見えないちょっとした一手間が持った時の柔らかさに繋がり、また商品自体の価値を上げるものだと思っています。