ふつうの水です。

虎竹の矯正作業


竹虎本社工場に見学に来られる方に、虎竹をバーナーであぶって、油抜きし、真っ直ぐに矯正をする作業をお見せすることがよくあります。竹を割った性格だとか、真っ直ぐに伸びるというようなイメージのある竹ですが、倒してみると結構曲がっているものが多くあります。


ご存知のない方も多いと思いますが、竹は3ヵ月で今の大きさに成長します。3ヵ月で他の竹と同じ高さや大きさになって、3年ほどかけて固く、細工や実用に耐えうる竹になっていきます。ですから春先にタケノコが出て、成長した1年竹は夏には大きくなっていますが、まだ柔らかく、弱い竹なのです。


そんな1年竹が大きくなった頃にやってくる台風などの強風にあおられたり、隣り合わせた竹に邪魔されて竹は曲がってしまったりするものなのです。しょうよくと呼ばれる杉や檜の植林の中にある竹が真っ直ぐに伸びているのが多いのは、植林の木に守られているからだと思います。


そんな曲がった竹をガスバーナーで油抜きする際に、真っ直ぐに矯正作業をしています。竹は金属や木材などと同じように熱を加えると柔らかくなる性質があります。ガスバーナーの窯を通して熱くなっている竹を矯め木と呼ばれる職人自作の大きな木の板に、竹の大きさに合わせて数種類の穴をあけた道具を使って、反対に曲げながら真っ直ぐに矯正していくのです。


熱くなった竹の繊維を伸ばしながら矯正していきますが、熱があるうちはまた元のように戻っていってしまいます。それを少しでも防ぐためにこのようにして、水をつけて竹を冷やしているのです。