竹を矯める

竹を矯める


竹は真っ直ぐというイメージがあるようですが、実は結構曲がっているものです。竹はタケノコで生えてきて約3ヵ月で親竹と同じ大きさに成長すると言われています。しかし大きく成長しても竹自体の中はまだ成長しきれておらず、少しずつ身が入って、固くなっていきます。


大きくなってすぐの竹をさわると、竹本来の固い物ではなく、柔らかく、ぶよぶよした感じさえあるほどです。そんな竹が数メートルから10数メートルの高さまで成長して山に立っている状態ですので、風の影響で曲がったり隣に立つ竹や木に邪魔をされながら曲がったりと、いろんな原因で曲がってしまうものなのです。


そんな曲がっている竹も用途によっては真っ直ぐにしないと使えないことも多くあります。建材用や庭垣用、虎竹縁台などの並べて使う用途のものはまっすぐでないと綺麗に並べられません。箒の柄なども曲がっていると使いづらいものです。


その曲がった竹をまっすぐに矯正することを竹虎では矯めると呼んでいます。この大きな木材に竹の大きさに合わせていろんな大きさの穴を開けているのですが、これは矯め木と呼ばれるものです。これも当然職人の手作りです。


先月、矯め職人として長年勤めてきた職人さんが退職されました。これからは自分がこの矯め木の前に立って、前のガスバーナーで熱を加えられ、柔らかくなった竹を1本1本真っ直ぐに直していくことになります。


竹虎に入ってくる竹はすべて1本1本見ています。しばらくやっていませんでしたが、ここでもまた1本1本見ていきながら、真っ直ぐにしていきながら竹に向き合う機会ができました。虎竹のそれぞれの特性や曲がりを見ながら、虎竹に向き合っていこうと思います。