竹と向き合う

竹と向き合う


虎竹は山から刈りだされた後、土場で1本1本大きさや色つきごとに選別され、それから竹虎工場にトラックに積み込まれてやってきます。それをまた大きさや色つきによっていろいろな規格の長さに切断していきます。


その後、竹をガスバーナーであぶる油抜きという作業をして、竹の中の油分をしみださせ、竹の表皮についている油分と汚れを溶かして拭き取って綺麗にしていきます。


竹は真っ直ぐに伸びているイメージがありますが、立っているときは分かりにくいですが、倒して横にすると思った以上に曲がっています。竹は熱することで柔らかくなるので、油抜きの時の熱を利用して、同時に曲がりを矯正する、矯めるという作業をすることがあります。


竹細工用に割ったり、短くして使う分には構わないのですが、建築材料や加工材料として使う場合は、真っ直ぐに矯正しておかないと使いにくいために、この矯める作業というのは竹材を扱うものとしては当然必要な、大変重要な作業の一つです。


矯める作業というと、油抜きされた虎竹を矯め木と呼ぶ大きな穴の開いた木に差し込んで、真っ直ぐに矯正していく作業ですが、その作業が出来るように、虎竹をバーナーで炙り、油分と汚れを綺麗に拭き取り、そして竹を柔らかくするために適度に熱を加えるという作業も重要です、


油抜きだけの作業であれば、必要以上に竹に熱を加える必要はありませんが、竹を矯めれるくらいに柔らかくするのには、ある程度の熱入れが必要です。しかしあまり火を入れ過ぎると焦げてしまったり、竹の節の中の空気が膨張してパンと破裂してしまうことがあるので、そうならないように気をつけなければなりません。


竹は1本1本すべて曲がりや大きさや身の厚さ、乾燥具合や性質が違います。1本の竹でも先の方と根元の方でも身の厚みが違いますし、節間の長短によっても破裂する限界は違います。


持った時の竹の重さ、あぶった時の油の出具合や質感、虎竹の模様や色の変化などから、その竹の乾燥具合、身の厚さ、固いか粘りがあるかなどを見極め、竹の曲がりも見ながら、その竹のあぶり具合を判断して適度に熱を入れなければなりません。


油抜きの作業自体は毎年のインターンシップ生に体験してもらっているように、教えてもらえばそこそこやることはできます。それを綺麗に、早く、そして1本1本竹を見て、わかって、それに応じて熱を入れていくためには油抜きの作業をうまくなるのではなく、竹を知ることです。


1年目の新入社員はまだまだ全くわからないようで、何本も破裂させてしまいます。もう30年もやっている職人でさえ、その判断は難しく、たまにパンっと破裂させてしまいます。しかし難しいですが、難しい事を当たり前にできてこそ職人ですし、そうありたいと思います。


そのためにもまず竹をもっと知り、竹にもっと向き合い、まず竹の職人にならないといけないと思います。職人の仕事にゴールや完璧や満足はありません。竹虎の職人が得意とする矯めるという作業1つとっても、いろんな意味でまだまだだと、パンっと竹が破裂する音を聞くたびに、そう感じるのです。