籐巻き修理

丸竹ざる,竹皿,修理,手入れ


丸竹ざる(二重巻き)の修理をさせてもらいました。縁に巻いてある籐は二重巻きにしており、かなり丈夫に作っていますが、長年お使いいただいているうちに、どうしても籐が弱ったり、擦り切れたりして切れてしまいます。


二重巻きにしてあるため、外側の粗く巻いている籐が切れても、内側の密に巻いてある籐は簡単に切れないため、頻繁に苛酷に使われる強度を要求される籠に多用される返し巻き縁という巻き方です。外側の籐が切れた後も、お客様自身で麻ひもで籐を縛って修理しながら使っておられたようです。


内側の籐は隙間が開かないように巻くため、このざるは7回まわって巻きつぶしていました。何回まわるかは縁材の大きさや巻く籐の幅などで変わってきます。初めて作る場合はいろいろと考えながら巻いてみるしかないのですが、そういう意味では巻いてあったように巻く修理はまだ簡単なのかもしれません。


とはいえ最初の1週は、あとの6週まわってくる籐の位置をはかりながら、編んでいる竹ひごの間を縫うように巻き締めなくてはならず、竹ひごのどの位置に通して、どの位置に出すかを考えながらの作業となります。また、7週もするので、籐もどこかで継ぎながら巻きあげていく必要があります。


最近多くなったかごの修理をするたびに、いつもそのかごを手際よく、綺麗に作りあげてくる職人さんたちの熟練の技と大変さを感じずにはいられません。