虎竹の受け入れ準備

選別作業


一般的にというのは山で束にされ、その1束がいくらということで取引されることが多いようです。その束は例えば直径が約4cm前後の周り寸が4寸(約12cm)の竹であれば14本の束と決まっています。5寸であれば8本、6寸なら6本です。その束でいくらという値段を設定し、その金額で売買が成立します。


もちろん竹の良し悪しで違いは出てきますが、破竹や真竹であれば、そういう規格での売買ですので、山に行ってトラックに積み込む時点で束の数を数えるだけです。


黒竹も大きさによって入り本数が決まっていますので、その規格の大きさごとに分けて、規格の本数にして山から出してくる切子さんもいます。しかし大きさのバラバラな竹を山で選別するのは大変なので、いろんな大きさの竹を束ねて、束ねた周りの大きさが2尺になるように束の大きさを揃えて出す出し方もあります。これを2尺束と呼んでいます。


それに比べて虎竹は大きさはもちろん、色の付き具合や竹の伸びよう、竹の良し悪しなどによって規格が25通りもあるのです。山に生えている虎竹も色つきのものは2~3割ほどしかなく、またその色つき具合も色の薄い物や模様のまばらなもの、片白と呼ばれる片面にしか色のついていないものなど様々です。


山からトラックに積んで下してくる竹の本数は大きさによって違ってきますが、約1000本~2000本くらいです。それを土場と呼んでいる虎竹の選別場に下して、1本1本吟味しながら25通りに選別して分けていくのです。こんな面倒なことをしているのも、日本で唯一の虎竹が出てくるこの虎竹の里だけではないでしょうか。しかしこの作業も虎竹ならではの、虎竹だからこそのこだわりの作業です。


その選別作業で立派に虎竹と認められた竹だけを、この虎竹の里から虎竹として自信を持ってお客様の元にお届けし続けていくことが竹虎の使命でもあり、誇りでもあると思うのです。


朝晩は秋の気配も濃くなり、山に入りだした切り子さんも数名おられます。工場内では新竹と呼ばれる新しく入ってくる竹を立てる場所を空けたり、去年の竹の整理が始まっています。外の現場でもこうして、新竹が出てきたときにまず虎竹を選別する土場の草刈りをして、今か今かと新竹の入荷を待っているのです。