虎竹縁台の荷札

虎竹縁台の荷札


虎竹縁台は日本唯一の虎斑竹で枠を作り、腰掛ける部分に黒竹を並べて作った縁台です。虎竹を使っているというのが大きな特長ですが、もう一つ大きな特長として脚を折りたためるということがあります。以前は脚の部分も竹を使っていましたが、今では耐久性や強度を考慮して、四万十ひのきを使った脚をつけています。


脚部分と土台部分を繋ぐのは、折りたためるように蝶番を使用しています。そしてその脚を起こした時に、脚部分を動かないようにするのが、つっぱりと呼ばれる細い竹です。その竹は脚部分から縁台の裏の中心部分に伸びて、中心部分に取りつけているビスに差し込めるように火で炙って少し曲げています。


つっぱりというだけに、これで脚部分を突っ張って固定するのですが、ただ差し込んだだけではどうしても緩みができてガタガタしてしまいます。このつっぱりを少しだけ張って取り付けて、緩みのない、動かない脚に仕上げていきます。


脚部分は2つあるので、つっぱりも2つで、差し込むビスも2つあります。どちらに差し込んでもいいようにある程度は作っているのですが、やはりこれは自然素材で作った手作り商品です。工業製品のように全く同じものはなく、脚でもつっぱりでも一つひとつ違うのです。ですからこちら側の脚はこちらのビスに差し込むというしるしのために、この荷札をつけています。


同じように作って、同じように差し込むように作っても、なにか違ったり、ほんの少しねじれてみたりします。それを修正し、微調整するのが職人の仕事です。竹を切ったり、組むのは誰にでもできますが、自然素材が故の小さなズレやゆがみを調整出来て初めて、その製品を作れる職人となれるのです。