くさび

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虎竹縁台は虎竹で枠を作り、その枠の座面に黒竹を並べ、四万十カズラで編んでいます。その編む段階で必要なのが、このくさびです。くさびと言っても、木片の先を少し削っただけの物ですが、これがあるとないとでは、編みやすさが全く違います。


くさびとは、堅い木材や金属で作られたV字形、または三角形の道具として知られています。柄鎌などの割と大きな刃物に柄をつける時や、柄が抜けた場合に、柄の木材の先にくさびを打ち込んで抜けにくくするのは、刃物を扱う者としては日常的に行うことです。これはくさびを打ち込むことによって、刃物の穴に差し込んだ部分の木材を大きく張らせて、刃物が抜けないようにするものです。


くさびにはこのように物と物とが離れないように圧迫するという役割がある一方、物と物を割り広げるという役割もあります。黒竹と黒竹の間に差し込んで間隔を広げて、編みに使っている四万十カズラを通しやすくしているのです。


何かに詰める形で物が抜けないようにしたり、固定したりするくさびも、割り広げるくさびも、昔からのほんのちょっとした知恵です。いろんな形はありますが、手作りの職人の現場には、こうしたちょっとした工夫や知恵があちこちで見られるものなのです。