黒竹の山

手入れ後の黒竹竹林


虎竹の里では山の職人さんの高齢化や後継者不足もあり、年々山に入って竹を切る人が少なくなっていることが課題の一つとなっています。黒竹も例外ではなく、年々山に入る人が減り、また伐採しないことで竹が増えすぎて、立ち枯れや雑草などで山に入れない状態のところも多くなっています。


以前は山の職人さんも何十人もいて、虎竹や黒竹は黙っていてもどんどん入荷していた時期もありました。そのため竹虎としての山の仕事は、伐り出された竹を山まで取りにいくまででした。


自分が山の担当になった頃に、竹の伐採の仕方、竹山の場所や山によっての色付きの違い、山の職人さんによっての切り方の違いなどを勉強するために頻繁に山に入って行きました。これまで山まで入っていなかったので、山の職人さんに大変驚かれたのを覚えています。


でもそのおかげでいろんな山が見え、いろんな虎竹が見え、いろんな山の職人さんを知ることができたので、それは本当に良かったと思っています。


しかし黒竹に関しては今までのように伐採された竹を山に取りにいくまでというやり方でずっとやってきたので、その山から出てきた黒竹しか知りませんでした。この冬は入らなくなった黒竹の山に入らせてもらえることになりました。


手入れ前の黒竹竹林


ほんの2年ほど入っていないだけなのに、竹がたくさん生えて、立ち枯れしているものがたくさんあります。下草や木も生え放題になっていて入って行くだけでも苦労するところもあります。その立ち枯れの竹と下草や小さな木を刈って整理して、伐れそうな黒竹だけを倒していきます。


大変でしたが、これで新しい黒竹が生え、陽も入って、いい黒竹が育ちそうな気がします。来年からこの黒竹の山を育てていくのが楽しみになってきたのです。