神祭の準備

2015年10月29日

神祭の準備


毎年、11月3日は安和天満宮の秋の大祭です。天満宮のお祭りは1年で何回もありますが、秋は一番大きなお祭りとなっています。農業が主体で、その一年の収穫によって暮らしが大きく左右されていたころは、春の祈願祭が本当に切実なものであったと聞きますが、今は感謝の意味合いの強い秋のお祭りが一番盛んになっているようです。


小さい地域の神祭ですので、地域の人たちが交代で神役になり、いろんな役目を分担しながら続けています。出店も以前は2軒ほどが来てくれていましたが、今は何もなく、来てくれた人の楽しみがないということで、地域の青壮年会がたこやきや焼き鳥、おもちゃなどの出店を出しています。


このお祭りではお旅所と呼ばれる場所に神様が出ていくおなばれという行事があります。その神様が出ていく道を清める意味で竹を持って練り歩き、ところどころでその竹を打ちあう竹練り踊りという踊りがあります。


地域の若者が踊る踊りで、この地域のほとんどの男性はこの踊りを体験しています。数か月前から練習を始め、地域の大人から踊りを習いながら交流し、またこの切な神祭に大切なお役目で参加するということが、この地域や人を知り、親しみや誇りを持つことに繋がっていると感じます。


その竹練りで使う竹は以前は竹虎で用意していた時期もありますが、今は青壮年会のメンバーで竹を切りに行っています。虎竹の山をそうそう見る機会もなく、竹を切る機会もないメンバーに竹山に入ってもらい、切ってもらうことにもまた大きな意味があると思います。


まずどこの山に入るかを決めて、山主さんに了解を得て山に入ります。虎竹の山ですので、色の無い、古い竹を選び、また竹練りに使える大きさを選っていると、そうそう切る竹もなくて、山の中をあちこちと探し回りながら切っています。


急な斜面を登り、歩き、竹を切り、枝をはね、竹をひっぱり下ろす作業は決して楽な作業ではありません。しかし地域のためには当たり前にやらないかんことだという意識がメンバーの中には普通にあります。


花取り踊りは6月から、竹練りは9月から週に2回の練習を重ねます。この神祭もたくさんの人の手助けがあり、踊りを踊る人もそうですが、毎年それを教える人のおかげもあって続けていけています。この地域の伝統を残し、地域を守る気持ちを本当に持って活動している人がこの地域にはたくさんおられます。


この地域が好きというのは、そこに住む人たちが好きだということだと思います。こんな田舎ですが、まずこの地域や人を好きになってもらい、ここに残り、住み、この地域を守り続けていってくれる人が一人でも増えることを願いながら、自分でもまずこの大好きな地域のためにやれることをやるしかないと思うのです。












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孟宗竹が入荷しました。

2015年10月15日

孟宗竹が入荷しました。


孟宗竹は日本国内最大の竹で大きなものですと高さが25m、直径が20cmほどにもなる大きな竹です。その大きさや竹の厚みを利用して竹ワインクーラーやストレートネックに効く竹首枕、またお箸やスプーンなどのカトラリー類の材料として、この孟宗竹は多く使われています。


竹虎では主に袖垣の芯の枠組みとして、この孟宗竹を利用しています。竹は伐採時期が決まっています。たけのこの出る時期によって違っているのですが、竹の一番休んでいる状態で、水や養分をできるだけもっていない時期に伐採をします。孟宗竹ですと8月の終わりから11月くらいが伐採時期とされています。


竹の大きさは様々ですが、袖垣の芯材として使用するのにはある程度の大きさを揃える必要があります。孟宗竹は長いので、その長さのままで持って取ってくるのは大変です。元の部分の大きいところは山で切り飛ばし、元の直径10cm前後の大きさに揃えてから、トラックに積み込み、工場に持って帰ってくるのです。


山で立っているときは真っ直ぐに見える孟宗竹も、切り倒して横にしてみると、結構曲がっているのがわかります。竹は3か月で親の大きさに成長し、それから少しずつ身が入って固くなっていくのですが、まだ柔らかい時期に強い風にあおられたり、他の竹や木に邪魔をされてしまったりしてどうしても曲がってしまうことが多いようです。


出来るだけ真っ直ぐな竹を切り、1本の中でも出来るだけ真っ直ぐな部分を探して使っていくことも竹細工ではとても重要なことなのです。












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虎竹の電気自動車

2015年10月 1日

虎竹の電気自動車


竹虎では今、クラウドファンディングという方法で資金を集め、虎竹の電気自動車を作るという企画が行われています。ずいぶん前に京都で竹の自動車が作られたのは知っていましたが、先日その自動車を見に行く機会があり、行ってきました。


京都の東洋竹工さんという会社が関係機関と共同で作ったというこの車はボディを竹で編みこんで作られておりました。前のライトまわりは輪弧編みで編まれ、全体は六つ目を主体にしたものにやちゃら編みで竹を差し込んで編まれています。


とはいえ、造形などの技術は素晴らしく、これをうちでやれるかと言えば、とてもとても難しいですし、今作るとなるとまだまだこれ以上の物を作って当たり前なので、そういう意味では課題やクリアすべき点がたくさんあります。


ベース車のデザインを見て、すごく直線的なイメージを抱いたので、編むというより、竹を並べるというようなイメージを、車のデザインを考えてくれているデザイナーさんにお伝えしました。それなら竹虎の職人たちが得意とする、竹を組むということに近いので、少しでも無理なく、竹虎の仕事としてやれるのではないかと考えたからです。


どんなデザインになるのかわかりませんし、どれだけのことができるのかもわかりません。いづれにせよ課題はたくさんある中で、もしやることになれば一人でやるしかないと思っていた製作を、竹虎の職人と一緒に考えてやれそうなデザインになりそうで、嬉しく、そして心強く思います。












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枝折戸を編む

2015年9月17日

枝折戸を編む


枝折戸とは丸竹で枠を組み、割竹を菱目に編みこんだ簡単な開き戸で、庭への入り口などによく使われるものです。また2枚をL字に組んで簡単な衝立にしたり、ベランダや庭でプランターの植物を這わせたりと、いろいろな使い方もできる大変便利なものです。


高齢ながらも、もう少しもう少しとこの枝折戸を編んでくれていた職人さんが引退し、この枝折戸を編めるのは今のところ自分だけとなりました。枝折戸に限らず、この人が辞めたらできなくなるという竹細工はたくさんあり、後継者育成と技術の伝承が課題としてあります。


編めるとはいえ、自分はこの枝折戸の編み方を誰にも習っていません。編み方自体は見ればわかるので、見たままで編み始めたら編めたのでそのままやっています。もちろん最初は綺麗ではないですし、時間もたくさんかかりました。少し手先の器用な方でしたら自分も編めそうだと感じる方もいるのではないでしょうか。


しかし編めれるというのと、製造として編むのは大きく違います。割竹を綺麗に剥ぎ、固めと柔らかめの竹を選別して、適した場所に使い、できるだけ折れやすい節が曲げのところにこないように調整しながら、また枠がゆがまないようにして編むのです。また当然ながらその上にスピードが要求されます。


編むのにまず一番分かりづらかったのはシュロ縄を結ぶ方向です。両面なので、規則正しく両方の面に結び目を見せる必要があり、編みながら交差した部分を結ぶ際に、その交差部分がどちらの面から結ばないといけないのかが大変分かりづらかったですが、今は法則を理解でき簡単にわかるようになりました。


綺麗に作るには編み目の枠を出来るだけ同じ大きさに揃えることです。また組んだ枠がゆがまないように気をつけなければいけません。それには編み台につけられた直角の木の枠に枝折戸を時々合わせて角が直角になるように編めているかを確認します。簡単なようですが、難しく、職人と呼べるレベルに到達するのにはまだまだ時間がかかりそうです。












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特注黒竹すのこ

2015年9月 3日

特注黒竹すのこ


最近、黒竹すのこのサイズ違いの特注品のお問い合せやご注文が多くなってきています。幅90cm、奥行き40cm、高さ約7.5cmが既製品の大きさなのですが、どうせ置くなら玄関や置く場所の広さに合わせて、ぴったりの大きさに作って、使いやすさを一番に考えられる方が多いように思います。


特注といっても奥行きや高さの同じものなら、既製品用の塗装したひのきの足がそのまま使えるので、上に並べる竹の長さを変えるだけで幅の違う黒竹すのこを作ることが出来ます。しかし、奥行きや高さを変えるにはひのきの足から製作する必要があり、ひのきの手配や塗装でどうしても余分に時間も手間もかかってしまいます。


今回のすのこは幅は同じですが、奥行きが短く、高さがかなり高いすのことなっています。全体の高さの指定というよりも、下に入れる靴の高さの合わせて、竹の下側の空間の高さの指定があった黒竹すのこです。


使う人や場所によって、いろんな形に変わりながらも、竹が暮らしのなかに入っていくお手伝いができることは、大変嬉しいことなのです。












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インターンシップが始まりました。

2015年8月20日

インターンシップが始まりました。


毎年恒例となっている大学生や専門学校生を迎えてのインターンシップが始まりました。今年は8人の学生さんが竹虎にやってきてくれました。2週間のうち、1週間は本社工場や店舗での実習、後の1週間はその実際に竹を扱ったりした体験をもとに、このインターンシップのHPを学生さんに作ってもらうといったプログラムです。


まず最初に驚かれるのが朝礼です。朝礼は単なる報告、連絡をする場ではなく、社員のベクトルを合わせ、仕事への意欲を高め、今日一日頑張ろうとスイッチを入れる場でもあると考えているので、元気な挨拶実習や意見を言い合うことを大事にしています。普段通りの朝礼ですが、学生さん達には非常に元気だと感じてもらえているようです。


必ずやってもらっているのが、虎斑竹をバーナーを使って油抜きをすることです。山から伐り出されたままの竹が釜であぶられ、油がにじんできたところを表面の汚れと一緒にウエスで拭き取ります。真夏の工場内での火を使った作業はとにかく暑く、学生達は苦戦しながらも、本当にまじめに取り組んでくれています。


教えないというのが自分の中での基本姿勢としてあります。当然仕事内容や意味は教えないといけないのですが、そこから先はこの作業を通じて学生さんに気づいてもらうようなインターンシップになればいいなと思うからです。


毎日少しずつ、学生さんと話をしたり、感想を聞いたりしながら、いろんなことを提案したり、目標を作ったりしていくなかで、気づかなかったことや、見えなかったものが見えて来ているようです。学生さんたちの成長が見えてくる毎日の感想文を読むのが楽しみなインターンシップ週間なのです。












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ものつくり研修会

2015年8月 6日

ものつくり研修会<br />


先日、トヨタ自動車(株)の社内団体であるEX会という団体にお招きを頂き、ものつくりについての講演と花かご作り体験、竹を割ったり剥いだりの体験をしてもらう研修会に参加させていただきました。


竹細工は場合によっては竹を切るところから始まり、油抜きをし、竹を割り、剥ぎ、それで籠を編み、物によっては塗装もすべて自分でやって、一つのものを一人で完結させることが多い仕事です。


しかし、自動車を作るという現場では、組み立てや板金や塗装など、各パーツでの仕事しかなく、ものを作っている感覚や喜びが薄れがちで、またお客様の顔も見えないために、気づけないことや、忘れがちなこともあるようで、それをもう一度再確認するための勉強会のようでした。


各製造部署のチームリーダー的な人たちが集まり、中には世界技能オリンピックの金メダリストになった人もいるような、その道のエキスパートの方々を前に何を話してよいかわかりませんでしたが、竹細工の現状や技術的なこと、自分なりのものつくりの考え方や、課題などを話させていただきました。


一番驚かれていたのは、竹細工で使う刃物が切れたらいけないということでした。ほとんどの刃物は一旦綺麗に研いでおいてから、刃先を潰すのですが、そんな竹細工では当たり前のことが大変珍しかったようです。


しかし、自分の使う道具を自分の使いやすいように自分なりに工夫、加工しながら使うのはどこのものつくりの現場でも同じようです。機械がやってくれていることの多いようなイメージの自動車を作る現場でも、その道のプロがいて、技術者の技能やほんのちょっとしたことで、自分たちにはわからない差ができ、またそれをなくし、もっと上を目指す職人さんがたくさんいることがわかりました。


オートメーション化され、流れ作業の中で組み立てられているかのような自動車の製造も、人によって作られ、たくさんの技術者の技術が結集して作り上げられていることを、今回の研修会に参加して気づくことができました。


またその技術の向上や若い人への継承、人に教えることや伝えることの難しさはどこでも同じだと実感しました。ものを作るということの本当の難しさはやってみないとわかりません。私とはレベルが違いすぎる人たちですが、ものつくりの難しさや矛盾や葛藤など、共感し合えることが多く、そんなレベルでの話ができる仲間のいることを大変うらやましく思いました。


職種は全く違いますが、世界最高峰レベルでのものつくりを実際されている方々との時間は大変貴重な、また心地の良い時間となりました。












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竹を割る

2015年7月23日

竹を割る


竹を割ると一口に言っても、長さや竹の大きさ、用途などによって様々な割り方があります。菊割りという数枚の刃のついた金具で割る方法や、割りたい幅にけがきコンパスで印をつけて鉈で割る方法など、どんな割竹やヒゴを作りたいかによって割り方を変えています。


内装材として竹を丸いまま壁に貼りたいという場合によくお客様から「竹を半割にできますか?」というお問い合せをいただくことがあります。竹を半割にすることは可能ですが、竹は縦の繊維に沿って割れるため、どうしても割面が波打ってしまいます。


また竹を割ったような性格といった言葉がある通り、竹を縦に割ると一直線に割れるというイメージがありますが、長い竹を真ん中に真っ直ぐ割ることはそんなに簡単なものではありません。


鉈で割ろうとすると、力が入りにくく、また調整もききません。竹虎ではこのように竹を丈夫で動かないところにしっかりと立てて、それに先を割った竹を差し込んで、押しながら割るようにしています。


真っ直ぐ押していくのが基本ですが、どうしてもちょっとした力加減で偏って割れていってしまうので、力を入れる方向を調整しながら、できるだけ真っ直ぐに割るのです。これは職人の技というよりは、知恵と呼ぶほうがしっくりくる割り方です。












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竹馬

2015年7月 9日

竹馬


竹馬と聞くと竹の竿に横木をつけ、それに乗って遊ぶ遊具を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ここで言う竹馬は、江戸時代に竹を棒が通せるように曲げたものを組み立て、それを天秤のように前後で担いで物を運ぶための竹馬です。


これは参勤交代の際に、お弁当代わりのおにぎりを運ぶために使われたそうです。これに底板を付けて、布をかぶせて使用していたそうで、大名行列の後方にこの竹馬を担いだ人が道具を持った人達と一緒に付きしたがっていたそうです。


これはある地域のお祭りで大名行列をやるところがあるらしく、その保存会からの依頼で製作したものです。最初はそう難しく考えていなかったのですが、棒を通すために竹を薄くして熱を入れて曲げる部分でつまづいてしまいました。


竹を曲げるためには熱を入れて曲げるのですが、厚みがありすぎると割れてしまいます。ある程度薄くする必要があるのですが、削った厚みが不均等だと、薄い部分が負けてしまい、そこだけが大きく曲がってしまって綺麗な曲がりにならないのです。


結局、出来るだけ削らずにうまく熱をいれながら、竹の特性を生かして大きく曲げることにしたら、なんとか綺麗に曲がってくれたのでどうにか作ることができました。やはり初めて作るものはやってみないとわからないことがあるなと痛感しました。


しかし出来上がったものをお届けした保存会の方には、よくできていますねと合格点をいただき、ホッとしたところです。今回こうしてご注文を頂いたおかげで、こういう竹馬があることを知れましたし、こうして竹が昔から人々の暮らしの中にあったことや、それを今こうして改めて竹虎が形に出来たことが嬉しかった製作でした。












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虎竹短冊入れ

2015年6月25日

虎竹短冊入れ


短冊とは現在では七夕の行事の一環として、願い事を書く折り紙を細長く切ったものが一般的ですが、これは短歌や俳句を詠む際に使われる分厚く装飾が施された色紙のような短冊を入れる用に作ったものです。


波網代というのは網代を編むヒゴの幅を少しずつ変えることによって編み模様が波のように見える編み方です。炭化竹で編んだ波網代の細いヒゴの部分を虎竹で編んで、鶴が飛んでいるかのように見せようとしたのですが、色のコントラストがはっきりせずにぼやけた感じになってしまいました。


この籠は竹細工を初めて2年目に作った籠で、もう23年も前のことです。中蓋もついていて蓋も含めて3つの籠を編んでいますが、すべて表側の籠に内側向けた籠を重ねて2重にしてあるために、6つの籠を作ったことになります。


竹細工や竹に対する思いや考え方は人それぞれだと思いますし、こういった籠を作っていた時の自分の気持ちや考え方と今の気持ちはまた明確に違います。それが23年間の時間の流れや経験、自分の竹に対する向き合い方や気持ちの変化だと思います。この籠を見るとその頃の気持ちを思い出して、とても懐かしい気持ちになるのです。












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