濃紺の作務衣がトレードマークの竹虎スタッフ、寅子(とらこ)です。まだ竹について勉強中ですが、好奇心旺盛な寅子ならではの竹製品や虎竹の里をお届けします。

竹皮の思い出

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私の父親はたこ焼きを作るのが好きで、週末になるとたこ焼きを大量に作っては、家族全員に食べさせてくれます。つい最近の週末もそうでした。キッチンへ行くといつも通りたこ焼き作りに励む父。私は、飲み物を取りに来たのですが、すると父が「お皿がない」と言い始めたのです。あいにく、近くのお皿は流しにおきっぱなし。遠くの棚から取ればいいのでは?洗ったら使えるんじゃ?と心の中で思う私でしたが、父があまりにも急かすので近くに置いてあった国産竹皮をしぶしぶ渡す事になったのです。


お店やさんでも竹皮の模様をコピーしたお皿にたこやきが盛られているのを良く見るのですが、本物の国産竹皮に置くと様になります。20個以上は置けそうでした。なんだかいつものお皿で食べるよりおいしそうに見えます。


父親と2人並んで久々食べるたこやき、おいしいねと言いながら、いつの間にか過去の記憶を思い出したのです。小さい頃は2人で父親と過ごす機会が多くありました。父親が夜出掛けると少し寂しく、帰ってくると同時にいつも竹皮に包まれたお寿司のお土産を持って帰ってきてくれました。当時、「あ、いつものお寿司屋さんだ!」と言って良く兄弟で奪いあったものです。昔通っていたお寿司屋さんも今では無くなり、店の人も引越し、なかなか思い出すことはありませんでした。この日、国産竹皮のおかげで、家族との大切な瞬間を思い出し、心がほっこり温かくなりました。もちろん、本人には恥ずかしくて言えませんが...。


使い終わった後もべとべとしたたこ焼きの油とソースがついていたにもかかわらず、簡単に水で汚れが洗い流せました。竹皮の表面がお皿のような役割をしてくれて洗う時とても助かります。洗って何度も使えるところがまさにエコ商品ですね。お弁当箱だけでなく、お皿にも使えるのは便利だなあと改めて思いました。次は、刺身をおいてみたい。とお皿としての新たなリクエストが父親から届きました。