濃紺の作務衣がトレードマークの竹虎スタッフ、寅子(とらこ)です。まだ竹について勉強中ですが、好奇心旺盛な寅子ならではの竹製品や虎竹の里をお届けします。

黒竹の切り出し



いつの間にか秋も深まり朝晩もだいぶ冷えてきました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
虎竹の里では竹の切り出しが始まりました。先日寅子も撮影で黒竹の切り出しの現場に行かせてもらいました!


竹を切る音、枝をはらう音、葉っぱのさざめき。竹のいろんな音とともにどんどん作業は進んでいきます。


専務
ナタとのこぎりを使い分けながら一本一本竹を見極めて切り進めていく竹虎工場長。切った竹も運ぶことを考えて同じ方向にそろえて倒すそうです。その目は真剣そのもので寅子は息をひそめてしまいました。


専務
切った後は枝うちと言って竹の枝を払っていく(切り落とす)作業があります。見る見るうちにさっきまで生えていた竹が竹材へと変わっていきます。とても手早い作業に寅子はこじゃんと驚いたちや。


竹虎四代目がよく"竹を切る人がいなくなった、"と話してくれゆうき、寅子は山の職人さんたちの存在・仕事の大切さを想像していました。今回職人さんたちの仕事を見せてもらって山で竹の管理をして切る人がいるからこそ美しい竹製品の数々を作ることが出来るんだなあとひしひしと実感したぞね。


そう思うと竹製品をより一層大切にしたいなあと思えたがです。職人さんはすごいちや!

竹虎工場長に折れた白竹抱き枕を修理してもらいました。

白竹抱き枕,枕,抱き籠,竹婦人,竹夫人


虎竹の里も秋めいてきました。今年の夏、寅子は白竹抱き枕デビューをしたがです。暑い日はクーラーも付けましたけんど、26度に設定していると冷えすぎて、28度やドライでも竹抱き枕があれば十分!6月と7月初めは扇風機と竹抱き枕だけで快適に過ごせました(^^)


しかしそんな時に悲劇が。8月のある日、トイレに行って帰ってきた時、布団に転がっていた抱き枕を踏み抜いてしまったがです!メキッと音がして電気をつけて見てみると、ああっ!割れてしもうたー!!縦方向の竹はしなって無事やったがやけど、横に輪っかに回している竹ひごが4~5本見事に折れちょります。そんな~、使い始めたばっかりやのに...。


折れた白竹抱き枕、竹虎工場長に相談したら直してくれるかも!そしてつい先日、修理をお願いしたがです。幸い縦の竹ヒゴは折れてなかったき「応急的な修理ならやっちょくわ、急いでないがやろ」と引き受けてくれました。


修理は、送料や料金をもらって見合うほどのパフォーマンスができるか、さらに現物を見ないとそもそも直せるのかハッキリ答えられないのが難しい、という話を聞いたことがありました。こうして気軽に竹細工の事を相談できるがは、まっことありがたいなと思ったがです。


さて、修理をお願いした白竹抱き枕ですけんど「そのうちやっちょく~」と言ったのに、3日後には早々に出来上がっちょったがです!竹虎工場長は応急と言いよったけんど、使い心地は元通り。やっぱり職人さんはすごいちや♪

「Installation kaguya」で再発見!竹虎の職人さん

虎竹 竹 矯め直し


3月17日(金)~3月19日(日)に東京国際フォーラムで開催されていた東京アートフェア2017。竹虎四代目から話を聞いたり画像を見せてもらったり、とってもワクワクしましたぞね!


ロビーギャラリーに特別展示された「Installation kaguya」には日本唯一の虎斑竹が使われました。インスタレーションとは何ぞね?と思って調べてみると「オブジェを置くことで空間全体を作品として体験させる芸術」ながやって。確かに!渋い色合いの虎竹が御簾越しのように向こう側を見せたり隠したり。作品のテーマである「竹取物語」の世界に迷い込んだみたいに神秘的ちや~。


さらに神秘的なのは花士(はなのふ)珠寳(しゅほう)さんの献花の様子ぞね。珠寳さんは京都の銀閣慈照寺(銀閣寺)で初代花方を務めた方やそうです。事務仕事の傍らお寺に花を飾り、いけばなのお稽古をつけたりもするそうですけんど、そんなお仕事があったことを寅子は初めて知りましたぞね。白い着物をまとって虎竹のパビリオンの中お花を活けられる姿が、う、美しい~~~。寅子もこんな美人になりたい...。お花ってこんなに場を浄化して神域にするがですね!


虎竹 竹 矯め直し


写真を見ていて虎竹がピーンとまっすぐな事が気になったがです。角度を少しづつずらして曲線にしちゅうオブジェやき虎竹の直線が際立っちょります。竹林で揺れゆう竹はもっとねじれちゅうのに、職人さんが矯め直して真っ直ぐに加工したと思うと、こんなにきれいに真っ直ぐにできる竹虎の職人さんはやっぱりすごい。野菜や魚を差し入れしてくれる口数少なく優しい職人さん、けんど竹を通して見える姿はやっぱり格好エイですぞね!

竹皮ベルトスリッパの制作作業を見てきましたぞね♪

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「いま竹皮ベルトスリッパ作りゆうき、見てきいや」


竹皮ベルトスリッパはソックスやストッキングを履いたまま竹皮草履のあの感触が楽しめるスリッパぞね。竹皮の履物は、残暑が厳しい今の時期とかも履き心地がこじゃんと気持ちエイがです。寅子もいつも外履きに使いゆうのに、そういえばちゃんと作っているところを見たことがない!これは見に行きたい、見に行かなイカン!!そういうわけで、竹虎工場長について竹虎の竹工場に向かったがです。そう、いつも皆様に見て頂いているスリッパの形は、実は竹虎の竹職人たちの手作りぞね(^^)


竹皮ベルトスリッパや竹皮スリッパは裏面にEVAスポンジを接着し、一足一足を竹皮に合わせて削り出しちゅうがです。スポンジの部分を見てもらいたいがですが、まっこと、手作業だと思えないキレイな仕上がりですろう?ちなみに、今回寅子が見せてもろうたのはEVAスポンジを貼り付ける前の、接着剤を塗る作業と、足を入れる布部分を張る作業。ベテランの職人さんと、春から新しく入った職人さんが接着剤を塗って、若い職人さんが上の布部分を張り付けたりなどのスリッパの形にする作業をしていたがです。


隣にずらりと並ぶ草履を手に取ると、若い職人さんがペタッ、ペタッと慣れた手付きで草履の裏に布の端部分をしっかり貼り付けます。最後には足を入れる部分に手を入れて、布の張り具合を確認。EVAスポンジを付ける手前の形が完成ながです。


寅子が横で作業を見ていましたら、若い職人さんが今度はまだ接着剤も付いていない平らな草履を手に取って、裏側に線を引いているではないですか。草履の両端の数センチ内側に平行に書かれる二本の線。うーん、いったい何に使うがやろうか?これは、新発見の予感ぞね!


「その線はどうして書きゆうがですか?」


「接着剤を塗る目安です。端から隙間を開けて内側に線を引いてるんで、この間に液剤を塗ったらスリッパが完成したときにはみ出さんがです」


なるほど~!まるでスポンジと竹編みが一体化したような、自然な仕上がりはこういう工夫でできちゅうがですねぇ...。そう聞いてから改めて竹皮ベルトスリッパの側面をじっくり見てみますと......むむむっ!接着剤がはみ出してないだけじゃなくて、草履とスポンジに無駄な隙間が全く無いではないですか!!やっぱり竹虎の竹職人たちは凄い♪今回の新発見から改めてそう思いましたちやぁ(^^)

虎竹自動車のシートが完成!ヤタラ編みの動画も公開ちや♪

竹編みの職人さん


今春を完成予定としております虎竹自動車は、大忙しで制作を続けていますぞね!そして、少しだけお話させていただきましたヤタラ編みのシートが、今週の月曜日に完成しました!シートの制作は竹職人さんにとっても初めてのことでして、作っては外して、と試行錯誤の中で完成したそうです。


シートまで竹製で、しかも日本唯一の虎斑竹をふんだんに使った車です!他にはない竹虎の挑戦ですちや。シートに使われるヤタラ編みの技法も、その通りにすればできるという決まったやり方が無い、長年の経験とカンがものを言う職人技。車のシート一つだけで実はすごい竹細工ながですよ。さて、この竹編みの動画が完成しましたぞね!職人さんが実際に作る様子をぜひ、皆さんに見ていただきたいがです(^^)


背もたれ部分に土台となる竹編みを固定して、竹ヒゴを編み込んでいく...。竹ヒゴをシートの背もたれ部分にまわしてしていく作業の手付きは、まっこと、ほれぼれしますぞね。完成したヤタラ編みのシートは、今は網代編みの土台に取り付けられていますちや。それにしても、虎竹自動車のシート...。もともとバイク型シートに竹編みをあしらっているので、弾力が加わって座り心地がいいということです。これは、はやく座ってみたい!!


虎竹自動車は現在、外側部分を制作中です。ついに、日本唯一の虎竹自動車の外観を決める作業に入りましたちや。職人さんたちがどんな編み方を使って仕上げるのかはまだ秘密ですので、次の報告が楽しみぞね~~。


竹籠職人さんを見学

竹籠職人さん


先日、2015年に竹博覧会が開催される韓国の潭陽(タミャン)から視察の皆様が、わざわざ竹虎へお越しくださいました。あまり海外の方にお会いする機会のなかった私は、始終緊張しっぱなし...。けれど、皆さんはとても気さくで優しく本当に嬉しく思いました。


一行の皆様が高知に到着されてからは日本唯一の竹林や竹虎本社工場、店舗など沢山見学してもらいました。そしてその中で、土用干しなどに使われる、エビラ籠などの竹編みをされている竹籠職人さんの作業場にもお邪魔させてもらったんです!


竹ヒゴや竹編み、竹籠、竹用の機械などが所狭しと置かれている工房。その中では職人さんがひたすらに竹を編まれていました。竹表皮部分の青い竹ヒゴと竹の身の部分である白い色をした竹ヒゴの色の違う2色の竹ヒゴで編まれていく竹編みは、美しいコントラストを生み出していて感動します。竹職人さんの手元を近くでよく見てみると、びっくりするほど早く正確に動いています。長年培ってきた勘やコツがあのスピードと美しさに繋がっているのだと思い又感動です。職人さんの手捌きについつい惹きつけられてしまいました。


今回は、海外のお客様もおられましたので特別に竹ヒゴを作る工程までも見せていただく事になりました。作業場に置いてあった機械へ、細い幅に割った竹を次々に入れていきます。すると機械へ吸い込まれた竹が一瞬の内に、竹表皮と身の部分に薄く剥がれて出てくるのです!これでも十分綺麗に見えるのですが、この後、職人さんの手によってさらに厚みなどを揃えられるそうです。細部にわたるこだわりがあってこその緻密な竹編み。韓国からの皆様も興味深々なご様子でした。


お越しいただいた皆様は、通訳の方以外は日本語が話せない方でいらっしゃったのですが、言葉が通じなくても皆さんの顔を見ると素敵な笑顔が...。同じ竹で結ばれた者同士、ニコニコされて、優しい雰囲気の職人さんと心が通いあったような温かい空間だったのです。

貴重な職人との会話

入社して三年目。まだまだ未熟な私です。でも今日、貴重なお話しを短い時間でしたが聞くことが出来ました。今までにも竹職人さんにお逢いすることはありましたが、詳しくお話しを聞くタイミングがなかなか無く、お聞きして初めて商品についての苦労などをを教えて頂きました。


高齢になられましたが、材料を取りに行くにしても人任せにせず、自分の目、そして手で触って物の良し悪しを判断して納得した物だけを作業場へ持って帰るという事をしている職人さん。こだわった材料だからこそ、良い物が出来た時には満足が得られるそうです。


「材料は自分で採ってこないとダメ。」


「最近は、良い材料が全然無くなってしまった。」


など、職人さんにしか分からない貴重な意見も聞けました。近場で良い材料に巡り会うことが出来ない為、遠方にも足を運んで取りに行くそうです。職人気質というか、やはり良い材料で良い商品を作り、購入して頂いたお客様に感動を与えたい、という思いがあるので、材料からこだわるそうです。


だからこそ、商品は一つ一つに職人さんそれぞれの思い入れがあり、お話しを聞かせてくださる職人の眼差しは大変輝き、いきいきとしているんだと思います。作る喜び。そして、手にしたお客様からの暖かいお言葉を源として日々、製作されていらっしゃるんです。


私自身、製作には携わっていませんが、毎日頂くお客様のお声。そのお声に対して、感激、感動したり、時には勉強させて頂くこともたくさんあります。しかし、そんなありがたいお言葉があるからこそ、頑張ることができるし、日々、勉強させて頂いています。まだまだ、勉強不足なので日々、勉強に励みたいと思う私です。