ニューヨークで虎竹バックニューヨーカー

虎竹バックニューヨーカー


日本唯一の虎竹達がひょんな事からニューヨークで展示される事になったがです。一体どの商品をと思うた時に真っ先に頭に浮かんだのが、やっぱり虎竹バックニューヨーカーやったがぜよ。


そもそも竹というのは和というか東洋のものであり、「ニューヨーカー」などという横文字のネーミング自体が、ちっくと違和感があるかと思われる方もおるがではないろうか?けんど、これには60年という長い歳月と、日本からアメリカ、そしてアメリカから日本へという、まっこと不思議な経緯かがあって名付けられたものながです。


虎竹バックニューヨーカーと竹虎四代目


自分達とは祖父の代からずっと懇意にしていただきゆう網代編みの巨匠で渡辺竹清先生という作家の方がおられるがです。竹虎のウェブサイトや、このブログをご購読の皆様やったら既に何度もご紹介させて頂いて、お馴染みの竹芸家の先生ですが、実は、渡辺先生ご自身もニューヨークに本社のある有名宝石店のお仕事をされていた事もある関係で、ご本人はあまり海外には行かれる事はないものの、ご友人や知人の方の中には頻繁に旅行に行かれる方もおられたようです。そんな中のお一人が、ある時ニューヨークの街角で、見慣れない竹バックを提げてている一人のアメリカ人に出会い、ご自分の提げていた竹バックと交換して持ち帰ってきたのが、実は、虎竹バックニューヨーカーの原型となった竹バックでした。


J-COLLABO


ニューヨーカーが実際に提げていたバックと言うのが単純な名前の由来ですけんど、もともとは日本で作られて一端海外に渡ったものが、日本に里帰りした後、今度は更に虎竹という衣装替えをして、再度アメリカに上陸したという何とも面白い縁ながです。


J-COLLABO


ちょうど訪問させて頂く日程の中で、展示頂いているJ-COLLABOのイベントが開催されちょりましたので、前夜祭から参加させてもらいましたけんど、日本からニューヨークに活動と活躍の場を求めてやって来られちゅう沢山の方とお会いさせて頂きましたぜよ。こんなに多くの方が来られちょって、しかもネットワークで繋がってるとは、まっこと(本当に)知らずに驚いたり、感心したりながです。


竹を海外に発信する事はしないのですか?そんな質問を頂く度に、今の若い皆様は青竹踏みすら知らない方がいる、日本のそのような次世代の方々が既に外国の方のようなものだから、海外と言うより、まず日本の皆様に竹を知ってもらいたい、ずっとそう思うてきましたし、今もそう考えちゅうがです。


けんど、特に今年は韓国、台湾、そしてニューヨークと、珍しく外に出て行く機会がとても多い一年になりましたぞね。改めて日本の竹を違う視点から見る事によって、今までとは明らかに変わったものが自分の中に芽生えちゅうのを感じるがです。


コメントする