REIWA-125号の輸送が近づいてきました!

REIWA-125号


さて、早いもので今日から7月です。まだまだと思っていたスペイン・ビトリアでのレースも本当に近づいてきた事を感じています。そして、いよいよ竹虎創業125年を記念して製作したREIWA-125号を来週にもスペインに向けて発送せねばなりません。


世界竹会議メキシコ、Ivan、竹虎四代目(山岸義浩)


ちょうど一年前にメキシコの世界竹会議(World Bamboo Congress)で知り合ったIvanさんと初めて言葉を交わしたのは、まさに会場前のこの垂れ幕の前でした。会議では一番最後の基調講演が自分の担当だったので4日間の会期中そればかり考えていて、まさか次の年にスペインのレースに参加するなど思いもしていませんでした。


REIWA-125号、竹虎本社


飛行機便で運ぶことにしたREIWA-125号をコンパネでしっかり梱包しています。ところが、このコンパネではどうやらヨーロッパまで運ぶことは出来ないようです。昨年に続いて輸出にはバタバタのトラブルばかり、結局このコンパネは関空で外されて別の専用ケースが用意される事になりました。


REIWA-125号、竹虎本社より輸送


しかし、それでも陸路を関空まで運ばねばなりませんので箱の中でしっかりと固定できるように作っています。


REIWA-125号、竹虎本社より輸送


特に今回は空輸ですので少しの大きさの違いが運送費に跳ね返ります。竹虎ウィングもできるだけコンパクトに折り畳めるようにしています、今度羽根を広げられるのはスペインの青空の下になります。


実は昨年のレースの様子を動画で知らせていただきました。それぞれが趣向を凝らして走っています、周りの観客の皆様も一緒に盛り上がっていて本当に楽しそうです。ここで走るのだと思うと、ワクワクしてくるのです(笑)




竹の神が降りて来たのです。

REIWA-125号、竹虎四代目(山岸義浩)


ずっと思っている事があるのです。REIWA-125号を出来あがった、練習コースにも恵まれ何とかレースを走りきる自信はついた。


ただ、ひとつ...。


竹の車、竹虎四代目(山岸義浩)


REIWA-125号は普通のボックスカートレース用の車体からすると座高が少し高めなのです。重心は低い方が安定して走ることができますのでヘルメットは当然の事ながら肩や肘などをガードする安全装備も必要かと思いバイクショップに出向いてみました。


竹虎四代目、プロテクター


なるほど、頭から首、胴体から腕、足まで思った以上に色々なプロテクターが用意されています。黄色いエブにご注目ください「守る」と大きく書かれています。これなら確かに守ってくれそうです。


しかし、何かしっくり来ないのです。走行時のREIWA-125号を改めてご覧いただければ分かるようにドライバーがかなり目立ちます。


虎竹の車、REIWA-125号、竹虎四代目(山岸義浩)


REIWA-125号は竹虎創業125周年を記念して製作しました、それだけに自分達ならではの日本唯一の虎竹にこだわり抜いています。その車体とドライバーと一体になれるような工夫はできないものか?いやいや、まず遠く日本から来ているレーサーという事を一目で伝えたい。日本の竹文化と一緒になって走るのです。


武将、侍、竹虎四代目(山岸義浩)


先日、高知在住のデザイナー梅原真先生のところに行ってお話しさせてもらっている時からずっと考えている事でした。


何かないのか...?
ふと浮かんだのは武将です。


そしてヒラメキました!
竹の神が降りて来たのです。(ご期待ください)




竹を世に送り出すのは自分達自身だ。

竹職人


都心にあるギャラリーから展示の問い合わせを頂戴した。たまたま知り合いの作家の個展で訪れたことがある場所だったのと「古き良き日本を愛する」というコンセプトに共感した。


ところが、その取引条件を見て落胆した。委託販売で掛け率は60%とある、これは陳列されている中から売れた分だけを支払うシステムで店舗側にはリスクゼロの販売方法だ。1万円の品が売れた場合に初めて6000円が支払われる、しかも8月からの企画というのに入金は会期終了した一ヵ月後の12月末だと言う。


日本唯一の虎竹


それぞれの商売のやり方だから自分がとやかく言うべきことではない、これが相場の条件なのかも知れない。しかしこれでは「職人を応援する」と書かれた文字が虚しく見える。せめて聞こえのよい上辺だけのお題目はやめるべきだ。この催しを運営するのは誰もが知る大企業であり、おそらく此処での売り上げは取りる足りない金額だろう。


竹笊のある台所


ならば、もう少し作り手を顧みることはできないか?真剣に田舎と世界を繋ごうとしているのか?会場の現場で働いている社員に罪はない。沢山の仕事の中のひとつとして携わっているだけなら本気や情熱には限界がある。


だから肝に命じている。


竹を世に送り出すのは自分達自身だ。
自分達を知りもしない何処かの誰かではない。


お客様から届いたREIWA-125号のイラストデータ

竹ビアグラス、刻印


竹製品にレーザー刻印をしてオリジナルギフトにされる方は多いのですが、先週お客様から素晴らしいイラストデータが届きました。これは味があります(笑)竹虎ロゴマーク、創業年の「1894」なども気に入りました。


虎竹車REIWA-125号


REIWA-125号のイラストは先日の30年ブログ「竹虎創業125年記念製作!REIWA-125号ついに初走行!」の画像を見ながら描かれているのだと思います。そして、こうして刻印のご用命までいただけるとは嬉しい限りです。


竹カトラリー名入れ、刻印


レーザー刻印ではこのようにイラストだったり写真なども表現できるので面白いものです。そういえばもうすぐ父の日がやってきます、すっかり忘れられている方もいるのでは?お客様からのお問い合わせを見ても母の日と比べるとかなり影の事を感じています。


世のお父さんファイト!自分こそ頑張らねば(笑)。


竹虎創業125年記念製作!REIWA-125号完成

竹虎創業125年記念製作REIWA-125号、社員


竹虎創業125年記念製作!REIWA-125号が遂に完成しました。竹トラッカーほどではないものの今回の製作にも2ヶ月近い時間を要していますので、やはり新しいモノ作りは大変です。


竹虎創業125年記念製作REIWA-125号


には真っ直ぐに伸びる直線美と、しなやかに描く曲線美という相反するようにも思える二面性があります。車体製作を始める前から竹の原点とも言えるこのふたつの顔を表現したいと考えていました。


竹虎創業125年記念製作REIWA-125号製作


創業当時「竹亀」だった屋号が、虎竹を専門に扱うようになって全国で「竹虎」という名前で自然と呼ばれるようになった歴史があります。


竹虎創業125年記念製作REIWA-125号ハンドル


虎竹を厳選し、職人の思いで完成させた車体です。ハンドルも潔く虎竹一本。


竹虎創業125年記念製作REIWA-125号


まだ未完成の部分も少し残っていたり全てに完璧な出来栄えと言うことではありませんが大事なことは、この一歩です。たとえ未熟でも一つの形を作っていくことが次に繋がります。


竹虎創業125周年記念、スペイン・ボックスカートレース!REIWA-125号にバンブーウィング!

REIWA-125号、竹虎工場


さて、8月のレースに向けたREIWA-125号の製作は手探りしながら少しづつ進んでいます。本体のサイド部分はあらかた完成し、上を竹張りしていくとかなり車らしくなってきました。どうしようかずっと頭を悩ませてきたセンターフレーム部分、ハンドル、そして車体イメージを大きく左右するリア部分の製作がはじまります。


REIWA-125号イメージ図


REIWA-125号のイメージ図を思い出していただきますとリア部分がせり上がっています。確かに今のままの車体では面白みがありません。


REIWA-125号


しかし、日本からスペインまで長距離を輸送せねばならない事を考えますと、費用がかなり違ってくるため出来るだけコンパクトにする必要があります。最初はリア両サイドには、箱に同梱できるギリギリサイズの長尺の虎竹を何本かを現地にて取り付けしようと考えていました。しかし、実際試作してみると思っていたほどの格好良さではありません。


REIWA-125号


そこでオーソドックスではありますけれど本体と同じ曲りの虎竹フレームを左右に7本づつの用意しました。折りたためば重なって低くなり梱包を解くと羽根がたちがあります、タイガーバンブーウィングです!


REIWA-125号、サドル


やたら編みのサドルもイイ感じに出来あがりつつあります、早く腰掛けてみたい気持でちいっぱいです。


竹虎創業125周年記念、スペイン・ボックスカートレース!続・姿を現すREIWA-125号

 
竹虎工場、REIWA-125号、令和125


先週から続いているREIWA-125号の製作は、ゆっくりとした歩みながらも確実に一歩また一歩と進んでいて大まかなボディの形は出来あがりつつあります。


竹虎工場、REIWA-125号、令和-125号


馴染のない皆様から見れば、と木は似ているように思われるかも知れません。しかし、圧倒的な違いがあり、そのひとつが曲げやすい事なのです。


日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」


今度のREIWA-125号の製作にあたり考えたのは、日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」と同じヤタラ編みでは面白くないという事。


竹虎1961年10月13日


そして、もう一つがこの竹の大きな特性である曲げ加工です。曲がった竹を真っ直ぐに矯め直すという技術を125年の歴史でずっと守り続けてきたことを表現したかったのです。


REIWA-125号、令和、竹虎本社工場


そんな先人のひとり、退職して畑仕事をしているおじさんがフラリと立ち寄って又変なことをしていると笑います。


REIWA-125号、令和、竹虎四代目


それでも何かが形になっていくことは楽しいものです、やはり現場は面白い。


Soapbox race of La Blanca in Vitoria-Gasteiz


ビトリアガステイスラブランカのソープボックスレース(Carrera de Goitiberas de las fiestas de la Blanca de Vitoria-Gasteiz)には凝った作りの車体から簡素なものまで色々な30チームを超える参加者が集います。


REIWA-125号、令和、竹虎四代目


あの坂道を下るのかと思うと11日間の長丁場だった「チャレンジラン横浜」以上の準備が必要だと感じています。




竹虎創業125周年記念、スペイン・ボックスカートレース!姿を現すREIWA-125号

虎竹の車、REIWA-125号


先日からお話ししていますように8月6日にスペインのビトリアという街で開催されるボックスカートレースに創業125周年を記念して参加すべく日本唯一の虎竹で製作をしているレース用竹製車「REIWA-125号」は、少しづつながらもその姿を現してきました。


虎竹の車、REIWA-125号


竹の曲線と直線を表現すると言うのは簡単ですが、それを時速40キロのスピードで動く車体にしていくのは思ったよりも大変な作業です。


虎竹の車、REIWA-125号、竹虎四代目(山岸義浩)


輸送コストの関係で車体サイズを決めているので、その中で竹に馴染の少ないヨーロッパの皆さんに最大限に竹を感じていただくにはどうすれば良いでしょうか?


虎竹の車、REIWA-125号、竹虎四代目(山岸義浩)


レースの順位より、まず完走できることを目指して試行錯誤は続きます。車体はレッドブルボックスカートレースに参加したものを岡山科学技術専門学校さんから譲っていただき再利用させてもらっていますが、実はこのレースコースにはジャンプ台などが設置されていたようです。


虎竹の車、REIWA-125号、竹虎四代目(山岸義浩)


そこで、前輪、後輪共にスプリングが入ってショックを吸収できるように作られています。しかし、それは同時に車体自体が走行時に激しく揺れることを意味しますので仮留めをしながら組んでいる虎竹フレームには柔軟性を持たせる必要があります。


虎竹の車、REIWA-125号


以前、60年前の竹バッグを復刻した虎竹バックニューヨーカーのように虎竹フレームを紐で繋ぐのはどうかとアイデアが出ました。なるほど、それならイメージ通りのデザインと機能性を両立させた車体となりそうです。


虎竹の車、REIWA-125号


そうして上段まで並べてみると、ようやく次の課題が具体的に見えてきました。


虎竹の車、REIWA-125号、竹虎四代目(山岸義浩)


車体後部も竹の曲線美を活かしたいと思っています。


Ivanさん竹車


元F1デザイナーのIvanさんが昨年のボックスカートレース用に製作した車は、竹のフレームを使い、駆動部分まで非常に良く考えられた素晴らしいものでした。


スペイン、ビトリアボックスカートレース


日本から参加する唯一の車として、又違う竹の可能性を示さねばなりません。スペイン、ビトリアの夏も暑そうです。


チョコレートケーキの王様、ザッハトルテ

衣装籠


随分と前からお願いされていた衣装籠の下地がようやく出来あがりました。大きな衣装籠には真竹より孟宗竹の方が身も厚く、頑丈に製作できるという事ですが良質の材料がなくて時間がかかっていたのです。美しい出来映えに、これならお客様にも喜んでいただけると嬉しくなっていました。


ザッハトルテ


今日は何か良い事が起こりそうな予感がすると思っていましたら、オーストリアから成田に到着し、そのまま脇目もふらずに虎竹の里に直行いただいたお客様が来られたのです。普通は色々ご覧になられたり、日本での用事があったりされるものではないかと思いますが虎竹の里に真っ直ぐにお越しいただいたと言われます。


それだけでも感激なのですが、そのお方の手に持たれていたお土産に更に感激しました。ご存じでしょうか?チョコレートケーキの王様と世界が認めるザッハトルテです!ザッハトルテは、有名すぎるくらい有名なオーストリアのホテル・ザッハー(Hotel Sacher)のお菓子です。テレビや雑誌でも出てくる事が多いので実はずっと前から一度食べてみたいと思い続けていました。


ホテル・ザッハー(Hotel Sacher)、ザッハトルテ


恐る恐る箱を開けてみると、ああこれが憧れのザッハトルテか!?と又感激。一人で食べるにはあまりにも、もったいないので切り分けてもらい社員全員と少しづつ分け合い美味しく頂きました。お菓子にはワクワクさせていただきましたが、肝心の来社の目的である虎竹の仕事の方はもっとワクワクできるような内容です。実現できるなら来年の春を飾る楽しいイベントになりそうです。


この名物菓子ほどではないにせよ、一人でも多くの方に喜びを感じられるお手伝いができればよいと思っています。


思い出すバリ島、Bambu Indah Resortのバンブーナイト

バンブードーム、竹虎四代目


工場の中に地元のイベントに使うバンブードームの試作があります。わずか30年前までは筍生産は、ある一定のレベルで続いていたものの安価な輸入筍の拡大によって国内孟宗竹の伐採はされなくなり放置竹林が増えて来たという事情があります。そこで、その余っている竹を使う催しが各地にあって、大きなものから、小ぶりな物まで、このようなバンブードームを色々な所で見かけるものですが、さすがにこのドームをホテルにするという発想は無いと思います。


竹虎四代目、Green Village


ところが、そんな常識を覆すのがジョン・ハーディー(JOHN HARDY)さん。竹への思い入れは普通ではありません、Green schoolはじめGreen villageなど目を見張るようなアートとライフが融合した圧巻の竹の世界に触れれば瞬間に心を奪われます。


竹の車


事業で大成功されている方と聞いていますが自分の知るハーディーさんは竹好きな子供がそのまま大人になったような無邪気な方。竹トラッカーとは対照的に集成材の竹フレームを使いシンプルな構造の電気自動車を乗り回す事もあるそうです。


ジョン・ハーディー(JOHN HARDY)、竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI)


Bambu Indahという大人気のリゾートホテルも竹づくし、バリの美しい緑の中で、のんびりゆったりと自然と戯れて過されていました。


ジョン・ハーディー(JOHN HARDY)、竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI)


「泊まっていけ」


と言われて、厚意にあまえる事にしたのですが急なので部屋が空いていません。


「ちょっと付いて来い」


不思議なバンブーエレベータや、徳島県祖谷のかずら橋もビックリする竹橋を渡りとにかく様々な世俗から遠く離れる結界のような場所を通り過ぎて辿り着いたのがバンブードームでした。


バンブードーム


切り立った崖の上に並ぶバンブードームは一目で気に入りました。こんな経験はあまり出来ない事ですし、とにかくワクワクしてきます。


バンブードーム


バンブードームの昼


バンブードーム


バンブードームの夜、ジャングルが一晩中、これほど賑やかとは知りませんでした。川の音、鳥や虫の声、何か分からない動物の声、たまに野犬の遠吠まで聞こえてきますが慣れてくると森と一体感を覚えますので不思議です。




bambu indahジャングル大合唱団と自分が名づけた声が少しだけお聴きいただけます(笑)




明け方の素晴らしい心持は言葉では言い表すことはできません。


バンブードームホテルの朝


今度行く時には自分はどうなっているだうろか?竹に関心のある方は是非一度行くことをおすすめします。詳しくは「バンブードームの夜 in bambu indah