メトロミニッツ・ローカリズム

 
メトロミニッツローカリズム


メトロミニッツ・ローカリズムと言う東京メトロ53駅で配布されているフリーマガジンがある。東京メトロと聞いても自分のような田舎者にはピンと来ないのだが、要するに大都市に網の目のように張りめぐらされた地下鉄の事で毎日の通勤、通学、観光などに利用されている方は1日に740万人だそうなので、何と高知県民の10倍以上の方が使っている事になる。


ただ、ボクも都会では地下鉄が便利なので迷路のような路線に戸惑いながら乗っているけれど、正直構内にあるフリーマガジンの類は見た事はあるのだけれども手に取った事がない。そもそも読み応えがなくて、広告ばかりが多いという印象があるからだ、それに加えて近年ではスマホで手と目がふさがっている人も多いのではないか?


ところがだ。恐らくだからこそだと思うけれどフリーマガジンは頑張っている、面白い。拝見したメトロミニッツ・ローカリズム(metromin.LOCALRYTHM)は「豊かな暮らしのヒントはローカルの日常にある」としていて、本の題名がローカルとリズムを掛け合わせているのが凄い。


虎竹米研ぎざる


ボクも常々言っているが、日本は知らないところだらけ、素晴らしい地域にあふれている。海外も良いけれど、実はこの国の魅力を何も分かっていなかったと気づく日々だ。このフリーマガジンが無料だからと侮るなかれ、ペラペラとめくると旅心を魅了される楽しさが満載されている。実際に行かなくともワクワクドキドキできて、まるでその土地を体感したかのような気持ちにさえなる。近いうちに虎竹の里の米研ぎざるも掲載いただけると思うので、東京にお暮しの方は是非一度手にとってご覧ください。


虎竹とは違う種類の真竹という竹で、同じ米研ぎざるの編み方をYouTube動画にしている。日本唯一の竹林の中で話すボクのシーンからはじまるが、そこはスルーしてもらっても熟練職人の手さばきや心地よい竹編みの音は素晴らしいです。




虎竹と牧野富太郎博士

NHKテレビ放送、虎竹の里


虎竹伐採シーズンはいよいよ今月末まで、そんな虎竹の里を先日はNHK高知放送局さんに取り上げて頂きました。虎竹の伐採や加工の様子を放映いただいたのですが、テレビ放送をご覧になったという方から虎竹命名の父が牧野博士だと知ったと連絡いただきました。実は地元高知の皆様にも、虎竹の事はご存じであっても詳しい事は、なかなか知られてはいないのです。


NHKテレビ放送、虎竹の里


牧野富太郎博士は高知県出身の世界的な植物学者で、高知市五台山にある牧野植物園は全国的にも有名です。本当に素晴らしく、ゆったり出来る場所なので自分は高知観光に来られた方に必ずオススメする一番のスポットです。そして、レストランのテラスから見える虎竹を移植している場所をお教えしています。


牧野植物園、竹虎四代目(山岸義浩)


牧野博士ご自身も庭に植え観察して虎模様がでないと記録されていますけれど、虎竹の里以外の場所に移植しても不思議なことに虎模様が出ない竹です。今はコロナで旅行を控える方が多いと思いますが、いずれ季節も良くなり収まって来れば是非ご覧いただきたいと思っています。




リモート出演させていただく「ザ!鉄腕!DASH!! 」明日放送予定です!

ザ!鉄腕!DASH!! 第3回DASHデミー賞


こうして画像を見ていますと、ついこの間の事ように思い出される暑い一日です。巨大水鉄砲作りにはTOKIOの松岡昌宏さんと長瀬智也さんがお越しになられていました。真っ直ぐに矯め直した孟宗竹を使った、考えた事もないようなチャレンジの紆余曲折は明日のテレビをご覧いただく事にして、収録当日に集まった沢山の須崎市民の皆様に改めて感謝したいと思います。


ザ!鉄腕!DASH!! 巨大水鉄砲


水鉄砲を大きな竹を使って100倍の大きさに製作する事も至難の技です。しかし、それを100人の力を合わせて押し出すのも大変な事です、ご協力いただいた地元須崎高校の皆様も既に社会人になられていると思いますけれど、今でもあの夏の日は忘れずにいてくれているでしょうか?本当にお世話になりました、ありがとうございました。


ザ!鉄腕!DASH!! 第3回DASHデミー賞


ザ!鉄腕!DASH!! 第3回DASHデミー賞、竹虎四代目(山岸義浩)


今となっては良い思い出しかない「ザ!鉄腕!DASH!!」で、DASHデミー賞に選んでいただき大変光栄で嬉しく思います。あの日の新荘川の川原がまるで地元のお祭りのようにテントが並び、まさに黒山の人だかりのごとく楽しそうに賑わう人々が集う機会に協力できて心から嬉しく思っていました。


ザ!鉄腕!DASH!! 第3回DASHデミー賞巨大水鉄砲発射


ザ!鉄腕!DASH!!山岸義浩リモート出演


それはそうと、明日の番組では三人の方が出演されて番組が進行していきます、そのメンバーが凄いのです。まず、巨大水鉄砲作りのため虎竹の里まで来られて、一緒に孟宗竹も伐ったTOKIO松岡昌宏さん、そして別の番組ではありますが、竹虎工場にお越し頂き虎竹の矯め直し作業をしていただいた事のあるTOKIO国分太一さん、更に横浜中華街を日本唯一の虎竹電気自動車竹トラッカーに乗って走ってもらった関ジャニ横山裕さんのお三方でした。

 
ザ!鉄腕!DASH!!竹虎四代目リモート出演


一度お会いさせていただいた芸能人の方に、リモートとは言え再びお会いするなど田舎者の自分には考えられません。収録時間は、ちょうど竹虎の終業時間と重なっていました。いやあ嬉しいなあとニヤニヤしている所に帰宅途中の社員も興味津々という様子で覗き込んみながら帰っていきました(笑)。




「ザ!鉄腕!DASH!! 第3回DASHデミー賞 どデカいヤツら大集合」明後日12月19日(日)19時から放送予定です

 
ザ!鉄腕!DASH!!撮影


もう随分と前の事なのに、今でも稀に竹関係の方からは巨大水鉄砲の話が出る事があります。「ザ!鉄腕!DASH!! 」という人気テレビ番組は知っていましたので最初お話を頂いた時には面白そうだと思いました。


極太孟宗竹


ところが、話を聞いてすぐに全く無理な話だと分かります。孟宗竹という日本には身近に大きながあります、だから電話の相手の方は少し苦労すれば、きっと実現可能だと思われているようでした。


孟宗竹林


全長15センチの竹水鉄砲を、100倍の15メートルの長さに作って、一人で押して使うところを同じく100倍の100人の力で水を発射させたいと言うのです。思わず吹き出してしまうような構想でした、少しでも竹の事を知っている方なら瞬時にお断りしてしまいます。


孟宗竹、竹虎四代目(山岸義浩)


自分もすぐに製造できませんと伝えました。ところが相手は怯みません、実は竹虎に来るまでに何度も同じようなやり取りをされて来ていたのだと後で知りました。


「日本中の竹屋さんに断られました。」


短い沈黙の後、電話口でこう言われるのを聞いてカチリとスイッチが入ったのでした。


ザ!鉄腕!DASH!!孟宗竹矯め直し


竹の巨大水鉄砲が出来ない理由は大きく三つあって、その一つが竹の曲りです。竹を真っ直ぐだと思われている人ばかりかも知れませんけれど、竹は伐り倒してみると右へ左へ曲がっています。その曲りを矯め直しという矯正作業で真っ直ぐな竹に加工しているのです。


ザ!鉄腕!DASH!!、竹矯め直し


ただし、孟宗竹のような太くて長い竹を矯め直すなど創業100年を越える竹虎でもそうそう経験がありません。ホークリフトまで持ち出して四苦八苦してどうにか真っ直ぐな竹に加工します。


ザ!鉄腕!DASH!!竹虎工場の孟宗竹


後の出来ない理由は、節がある事と元は太くてウラ(先端)に行くにしたがって細くなる竹材の特徴です。節を全て抜いて、水を押し出す棒が元からウラまでスムーズに通るようにせねばなりません。竹はただの筒ではない事を改めて皆様にお教えさせてもらった覚えがあります(笑)。


さて、この時の放送が明後日の12月19日(日曜日)午後7時からの「ザ!鉄腕!DASH!! 第3回DASHデミー賞 どデカいヤツら大集合」にて甦ります!巨大水鉄砲をDASHデミー賞なるものに選んでいただいたとの事なのです。自分もチラリとリモート出演させてもらう予定です、ご存じない方は前代未聞の大きさの水鉄砲が登場しますので是非ご覧いただきたいですし、前に観られた方も懐かしみながらお楽しみいたたければと思っています。




前略、「倒産」目前でも「挑戦」を諦めなかった職人パワーに触れたいアナタへ

 
虎竹の里、竹虎四代目(山岸義浩)


「工芸とつながる。工芸でつながる。」熱い思いが伝わってくるクラフトレター刊行の辞を改めて拝見すると大いに共感できる所ばかりです。まだまだ始まったばかりで、これから日本中のものづくり文化を次々にご紹介いただけると楽しみに思います。「伝統的なものづくり文化を見直すべきタイミング」と書かれていますが、まさに自分達も百年続いてきた虎竹文化の変革期にさしかかりました。


虎竹


歴史と共に挑戦し続ける竹材メーカー竹虎、100年以上歴史をもつ彼らが「人々の心を打ち続ける理由」とは...こう掲載いただいていますけれど人の心を打ち続ける事など出来ていません。ただ挑戦と諦めない気持ちは沢山の人や竹に支えられて燃やし続けられています。


RKC高知放送「ビビっとビビる!!」で土佐遺産認定

RKC高知放送「ビビっとビビる!!」竹虎四代目(山岸義浩)、ビビる大木さん


ビビる大木さんと言えばジョン万次郎資料館名誉館長であり高知県観光特使であって高知では馴染みの深い芸能人のお一人です。そんなビビるさんが出演されるRKC高知放送のテレビ番組で県下の様々なレアなモノや人にスポット当てて土佐遺産に認定するという「ビビっとビビる!!」なるコーナーがあります。


RKC高知放送「ビビっとビビる!!」、竹トラッカー


今回は竹虎が土佐遺産にふさわしいか、どうなのか?取材にやって来られたのはRKC高知放送のアナウンサー雫石さんです。ネクタイを締めてニュースを読んだり、情報番組の司会をされているのは拝見していましたけれど、今回はいきなり筋肉ムキムキのタンクトップに驚きました。


RKC高知放送「ビビっとビビる!!」、雫石さん、竹虎四代目(山岸義浩)


ビビる大木さん、雫石さん


しかし、番組内では自慢の筋肉を前面に出しながら懸命に竹虎のアピールをしてくださりました。大木さんとのやり取りでは世界竹会議の話にまで及びます、世界50か国の国と地域から竹の専門家が集う「竹のオリンピック」とも言われていますが東京で開催されるオリンピックもまさに目前に迫っていますのでタイミングも良かったかも知れません。


RKC高知放送「ビビっとビビる!!」


RKC高知放送「ビビっとビビる!!」


さて、結果の方はどうだったかと言いますと見事「土佐遺産認定!!」忖度ナシでぶっつけ本番で大木さんの判断で決まりますので画面の言動をドキドキしながら凝視してましたけれど認定いただきホッとしました。


雑誌「D-Letter」に掲載いただきました。

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大和ライフネクストさんの発行されている「D-Letter」という雑誌に取り上げて頂きました。大和ハウスグループの中にあるマンション事業を担当されていますので、特に今のコロナ渦にあって自宅室内で仕事を快適にするためのインテリアなどがお洒落に紹介されています。


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当社などはどうしても現場にこないと出来ない仕事ばかりですけれど、都会では在宅ワークが増えていると聞きます。そして今後もそれが続くとの見方が大半なため、リノベーションを検討される方も多いようです。ペラペラとページをめくって拝見していると仕事の在り様は急速に変化しているのを感じます。


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こんな時代だからこそ竹の出番があるように思いますが、昨年新しく作ったスクエアバスケットのシリーズの中でひとつ小さな長角の小物入れをこちらの雑誌で読者プレゼントに使っていただいています。キッチンでもデスク周りでもご愛用いただけます、どんな風に製作されているのかは下記のYouTube動画をご覧ください(笑)。最近は30年ブログの最後にこうして動画を紹介することが本当に多くなりました。




東海テレビ「運搬千鳥 それ、どうやって運ぶんじゃ?」

山の職人と竹虎四代目(山岸義浩)


「運搬千鳥 それ、どうやって運ぶんじゃ?」(東海テレビ・フジテレビ系全国ネット)という番組があって虎竹の里に撮影に来られていました。前回の放送は2020年との事なので、もしかしたら年に一度の特別番組なのでしょうか?司会はお笑い芸人千鳥のお二人、ゲストには若槻千夏さん、夏菜さん、VTR出演でパンサー尾形貴弘さん、たんぽぽ川村エミコさん、ロンドンブーツ1号2号の田村亮さんらの出演されている「モノの運ばれ方」にスポットを当てている少し風変わりなバラエティ番組なのです。 


日本唯一の虎竹


当日は日本唯一の虎竹がどうやって竹林で伐採されて山から出されているのか?虎竹を運んで行く仕事をパンサー尾形さんに体当たりでチャレンジしていただきました。細く急な山道を登っていく間には、そもそも竹の仕事などご存じない尾形さんに竹虎の今までの歴史や日本の竹について色々とお話させてもらいます。


竹の道保全


放送ではどのような内容になっているのか分かりません。しかし、地域の宝である虎竹はここにしか成育しないし、決められた時期でしか伐採もされない100年以上続いてきたからこそ今があるこの生業を、どんな形であれ知っていただける機会は嬉しいものです。


虎竹とトラック


虎竹を運ぶのにはトラックを使うのが普通です、もちろん間違いではりあませんけれど当たり前すぎます。実は、その前に竹林から細く曲がりくねった急峻な山道を専用の運搬機械で運び出すところが大変なのです。


虎竹山出し、竹虎四代目(山岸義浩)


竹運搬機械には竹の太さによって15束から20束程度の虎竹を積み込みます。伐採したばかりの竹は重たく、おまけに満載している竹は長さもありますからカーブの多い急な坂道を下るのは容易ではありません。


山出しされた虎竹


車が入って来られる山道には何気にこうして虎竹が積まれていますけれど、どれもこれも山道を登らねばならない遠い竹林から運ばれてきた竹達ばかりだと思えば見え方も違ってくるものです。


虎竹山出し


パンサー尾形さんと言えば身体も大きく高校時代には名門サッカーチームで活躍されたスポーツマンで体力も相当なものです。けれど、いざ竹を担ぐとなると竹虎の女性社員とそれぼと変わらなかったのが印象的でした。力はあっても長さのある竹を運ぶにはコツが必要、さてどんな番組になっていますやら?


「運搬千鳥 それ、どうやって運ぶんじゃ?」は今度の日曜日4月18日(日)16時5分~17時20分(東海テレビ・フジテレビ系全国ネット)です。日本各地でご覧いただけます、お時間あります方は是非ご覧いただき少しでも山の職人の苦労を感じていただければと思っています。




スザンヌ・ルーカス(susanne lucas)著「竹の文化誌」

 
susanne lucas<br>
「bamboo」


本はアマゾンでばかり購入するのは考えモノだと、こういう時に思います。たまたま本屋に入って目についたのが「竹の文化誌」、この手の竹を題材にした本などは地味だし随分前に発刊されたものとばかり思っていたら何と今年の2月に翻訳されたばかりのホヤホヤ!しかも著者がsusanne lucasと言うから更に驚いたのです!


第11回世界竹会議メキシコ(11th World Bamboo Congress Mexico)


スザンヌさんはマサチューセッツ州プリマスを拠点にして活躍される園芸家、デザイナー、造園家であると共に世界竹機構(World Bamboo Organization)のエグゼクティブディレクターなのです。何を隠そう2018年にメキシコのハラパ(Xalapa)で開催された第11回世界竹会議(11th World Bamboo Congress Mexico)の基調講演にお招きいただいた際のご連絡を頂戴した方でもあります。


スザンヌ・ルーカス「竹の文化誌」


は人々の暮らしに衣食住すべてに深く根ざし長い長い歴史と共に今があります。スザンヌさんは世界的に竹と人との関わりを研究され、環境負荷の小さい資源としての可能性にも目を向けられています。日本の竹は品質も高く、生み出されるモノは日本人特有の感性によって磨かれ、竹の姿そのものが日本人の生き方や考え方にまで大きな影響を与え続けてきました。竹の国ニッポンで一人でも多くの方に手にして欲しい一冊です。


スザンヌさんには世界竹会議メキシコで日本唯一の虎竹電気自動車竹トラッカーで現地を走る「チャレンジランメキシコ」にも多大なお力添えをいただきました。




感謝の気持ちしかありません、高知新聞夕刊が休刊しました

竹虎四代目(山岸義浩)


先日の25日(金)をもちまして地元で愛され続けてきた高知新聞夕刊が休刊となりました。夕刊は朝刊と違って紙面も少ない分だけ、その一日の事がギュッと凝縮されて掲載されていたようにも思いますし、朝刊にはないカジュアル感のようなものがあって好きでした。また夕日の中、各ご家庭をまわって配達する姿も良いものでした、何ともほのぼのした気持ちにさせてもらえた事があります。


地元新聞の一番の利点は全国紙では取り上げられる事のない地域密着の記事です。最終日にも高知市にあるスーパーが閉店するニュースがありました、街のランドマークとして40年近く親しまれたとありますけれど、昔はこのスーパーの前の道路を通らないと中心地に行けずとても馴染みのある場所のひとつです。あの懐かしい建物がなくなるのか...などと知ることができるのは高知新聞だけなのです。


日本オンラインショッピング大賞


高知新聞さんには、こうした地域に根差した情報として竹虎を何度も取り上げて頂いています。本当に感謝しかありませんが、特に夕刊には田舎者の自分がインターネットに取り組みはじめ苦労の連続だった頃にたまたま受賞させていただいた「日本オンラインショッピング大賞」の記事を裏一面カラーで載せてもらった思い出があり思い入れは人一倍なのです。


日本唯一の虎竹


平成15年といいますと2003年、今から17年も前の事ですが記事を見た内職のおばちゃんから、まるで自分の事のように嬉しそうな声で電話がかかって来た事は忘れられません。こうして高知新聞さんにも助けていただき、盛り立ててもらってきたお陰で今日まで何とか仕事を続けさせてもらえていると思います。夕刊は休刊となってしまいましたがご恩は虎竹の里のたちと共に忘れる事はないのです。