ビルの谷間の竹

竹の植え込み


都会を歩きよりましたら竹を見かける事が多くなりましたちや。これは前にもお話したかも知れませんけんど、屋外だけでなくて、建物の中などにも鉢植えにされた竹が青々とした葉をゆらしゆう。まっことアチコチで見かけますぞね。「ふ~ん、竹ねえ......」もしかしたら、つい見過ごされゆうかも知れない竹の植え込みですが、じっくりと見たら、どうもワシくの山に生えちゃある竹とは妙に違うよ。びっくと(少し)不思議に思いよった方はいないでしょうか?


実は、都会の植え込みに使われる竹は、品種改良をして大きくならないように作られた竹ながです。考えたらそうちや、山に生えているように20数メートルもの高さになったら困る事もありますろう。だから、「おかしいにゃあ孟宗竹やに、なんか小さいぜよ......」そんな疑問にも頷けると言うもんです。


竹の花が咲くのは60年に一回とも120年とも言われて、実際はっきりした事は分かっていないので、こんな品種改良は時間も必要やし、かなり難しいものだと生産される職人さんから聞いた事があります。ううん......。ここにも竹の匠の技が生きちゅうよ。眺めながら、何度も何度も頷くがです。(腕組して難しい顔をしちゅうきに通行人が避けてゆくぞね。)


夢の竹屋さん

竹かご


前に夢を見たことがあるがぜよ。かやぶき屋根の古びたお店の軒先には沢山の籠がつり下げられちゅう。思わず走りよって店内に入ろうとしたけんど、


「ありゃ、あれもある。これもある...」


「信じられん、これは良く出来ちゃある...」


店先に並んだ数々の面白そうな竹かごやら、竹ざるに目移りしてしもうてなかなか足を踏み入れることもできない程なのです。


「一体、こりゃあ、誰が作りゆうがぜよ!?」


素朴やけんど、まっこと(本当に)しっかりした作り、ぬくもりが手から伝わってくるような竹かごを持ったまま、敷居をまたいで店内へ飛び込んで目をこらして薄暗い店をキョロキョロと見回すと、あっちにも、こっちにも、こりゃあたまらん言うような竹ばっかりの楽園のような場所じゃ。


ありゃあ...?楽園ち、もしかして、あれが天国いう所やったがやろうか?向こうで黙って、もくもくと竹を編みゆう職人さんがおったけんど、あのおんちゃんに聞いてみたらよかったぜよ。まっこと楽しい夢やったちや。


竹は硬いぜよ

鬼おろし


大根おろしが、こじゃんと(とても)美味しいと沢山の方に絶賛してもろうちゅう鬼おろしですけんど、まっこと一回使うたら虜になるばあエイちや。ワシが言うたち、


「そりゃあ、おまん自分くの商品やきにゃあ...」


「本当やろうか?」


と半信半疑かも知れませんきに、コチラからお客様から頂いたお声をどうぞ見とうせや。鬼おろしへのお客様の声


さて、そんな鬼おろしですけんど、何と言いましたち竹の硬いと言う性質を活かしちゅうがです。えっ?竹ち硬い......?そう不思議に思いますろう、そうながです、竹は薄く剥いでヒゴにしたら何ともしなやかで、柔らかく使える物なのですが、竹を切るノコは、刃がすぐにダメになって職人泣かせという事からも分かるように、特に表皮に近い部分を厚く使うと、これは、まっこと(本当に)硬い。


鬼おろし歯


先日見つけた面白い木製の鬼おろしも本体はセンという木を使うちょりますが、一番大事で丈夫さを求められる歯の部分は何と竹ぜよ!よく見とうせや、先を尖らせた短い竹ひごを本体に埋め込んじゅうちや!机の上に置いちゅうだけで結構楽しいですきに実はまだ使うちょりませんけんど、まっこと(本当に)どんな大根おろしが出来るか楽しみにしちゅうがです。


茶堂

茶堂


須崎市から197号線を山の方に向かって走ると、津野町があり更に進むと梼原町があるがです。いっつも国道ばっかり走りゆうと分からないのですが、旧道筋を通ると藁葺屋根の不思議な建物を見つけることがあります。藁葺屋根の下は吹き抜けになっちょって、どうやろうねえ?...四畳半くらいのスペースの板の間があるがです。


「一体これは何やろうか?」

「休むがにピッタリやけんど、腰かけてエイろうか?」


などと思いよりましたが、実はこれが「茶堂」。このあたりの地域には、「茶堂」といわれる、このような藁葺屋根の小さな休憩所があって、昔から旅人や遠くから来られる方のためにお茶などの接待をされる所ながやそうです。集落の境などに設けられちょって、昔は持ち回りで担当の方が常駐したこともあるそうなき、まっこと(本当に)親切な心くばりながです。


険しい山道を登って疲れたところで、ゴロリと寝ころべる板の間のスペースは、さぞ喜ばれたと思います。この茶堂で旅人から遠くの町の話やら、いろんな情報交換したおかげで、山深いこの辺りでは時代を敏感に察知しよった言いますきに、もしかしたら維新の志士に繋がったがやないろうか?ちょうどここら当たりは坂本龍馬の脱藩の道。どうやら無関係でないような気もするがです。


まあ、それはさておいて、藁葺屋根を下から眺めとうせや。木材の骨組みにまざって竹が、こじゃんと(とても)使われちゅう。昔からこうやった竹は建材としても役にたちよったがです。もし、これで下に囲炉裏でもあったら、何年も何年も煙で燻されて、高級竹素材の煤竹のできあがりとなるかぜよ。


都会で出会うた竹林

もぐら庵さん


もぐら庵の先生と出会ったのは、もうだいぶ前の事やにゃあ。あれは東京やったけんど、ぶらぶら歩きよったら偶然に通りがかって、まず、目に飛び込んできたがは、清々しい竹林。ぬくもりのある笑顔。こじゃんと(とても)楽しそうながちや。観ているうちにグイグイと引き込まれてしもうたぜよ。優しくて、ユーモラスで、懐かしゅうて、エエにゃあと思うて、お願いして一枚、描いてもらうことにしたがです。


竹林の虎


半年ばあ経ってから、もぐら先生から届いた絵は、ワシの思うた通りの絵になっちょった。竹林に虎で竹虎、そのまんまじゃあ。


「感謝の気持ちを忘れないように、ありがとうの言葉をいっぱい入れちゅう」


なんちゃあ無い、いつもと変わらん毎日に、心から感謝したいと思うちょります。先生、まっこと(本当に)ありがとうございます。


かき氷の秘密

かき氷機


ここの、かき氷が凄いがです。栃木県から言うたろうか?はるばる遠くから取り寄せた天然の氷を、電動の機械らあは使いませんぞね。見るからに懐かしい、レトロな雰囲気すら漂うちゅう手動のかき氷機の大きなハンドルを、ぐるぐる...ぐるぐる...回しながら独特のかき氷を盛りつけていくがです。まっこと(本当に)かき氷がこんなに違うとは思うた事もないちや。同じモノでも、とことんこだわる事の大切さを教えてもろうたようやちや。ワシも見習わなあイカンぜよ。


宇治金時


見た目にも、氷の食感にも感激しましたけんど、おっと、見逃しちゃあしませんぞね。かき氷機の台座部分に注目しとうせや。さすが、店主のセンスがキラリと光っちゃある!太い孟宗竹を使うて、かき氷の清々しさ、涼しさをいっそう感じさせてくれるし、どっしりした存在感が何とも落ち着くぜよ。深まる秋で涼しゅうなって来ゆうけんど、ここのかき氷は季節は関係ないようながですこりゃあ、又、へんしも(早く)行かなイカンちや。


竹プランター

竹プランター


なんちゅう事はないがです。節と節の間を切りこみいれちょいて、両端をハツって転ばんように細工したら、小さな用水路に色とりどりの花を植えられる。竹プランターの完成ちや。中が空洞になっちょって、身近にいくらでもある竹は、こうやって、人の役にたちゆう。エライにゃあ!おまんは!まっこと!


水曜どうぜよ

いろりや


「水曜どうでしょう」この番組のファンの方はおられますろうか?「水曜ロードショウ」やないちや。「水曜どうでしょう」ぜよ。ワシはあんまり見たことがないがですけんど、もともとは北海道の番組やけんど、今や全国で放映されちょって、なんやら熱烈なファンの方もおるらしいがです。


ずっと前になりますけんど、一回、たまたま大阪のデパートで、この番組のグッズか何かの販売にいきあたりました。ほいたら、「こりゃあ、今日はハリウッドスターでも来日しちゅうがかえ!?」言うたばあ、人がならんじょりました。まっこと、こじゃんと(すごい)人気やったちや。そうそう、もし「水曜どうでしょう」知らん言う方も、大河ドラマ龍馬伝にも近藤長次郎役で出演しちゅう、大泉洋さんは知っちょりますろう?大泉さんは、この番組で人気者になった俳優さんや言うことちや。


さて、なんで「水曜どうでしょう」かと言いますと、じつは、この番組の中で四国八十八カ所を車でまわるいうシリーズ(?)があったらしいがですけんど、その番組で大泉さんが、本来は回らなイカンはずの札所をとばしてまで(人づてい聞いたがやき内容は多少違うかも知れんきに)まあ、どういたち立ち寄りたかった、「いろりや」いう美味しい饂飩屋さんが高知県の黒潮町にあるがです。


いろりや言うばあやきに、店の中には立派な囲炉裏があるがですけんど、先日、たまたま通りかかったもんですきに久しぶりに入ったら、前は、板張りの床にそのまま座るスタイルやったに、机と椅子に模様替えちょってビックリしたちや。う~ん、前の感じの方がワシは好きやったにゃあ。そんな事思いながら店内見回したら、おっと、その囲炉裏の上の天井に虎竹がいっぱい並べられちゅうじゃいか。


「燻して、煤竹にするがやろうか?」そんな事思いながら、喉ごしのエイ饂飩をいただいたがです。饂飩は前とひとつも変わらず美味かったぜよ!満足、満足。えっ?そう、これだけの話ぜよ。今日が水曜日やったら「水曜どうぜよ」とでいも言うけんど、今日は火曜日やし。オチも何ちゃあないきに、ほいたら、また明日。


鯨海酔侯

竹ランマ


NHK大河ドラマ「龍馬伝」見ゆう方は多いと思います。エイところは一杯あるがやけんど、何がエイちキャストが、こじゃんとエイが違う!主役級はもちろん、脇をかためる役者さんらあも、いったい誰がキャスティングしたがやろうか?見よって拍手したいばあ、はまり役ばっかりぜよ。


そんな一人、近藤正臣さん演じるお殿様の山内容堂。これも渋い、まっこと渋い!藩のトップの重責。時代の翻弄される城主ならではの、誰っちゃあに話すことの出来ん苦悩と緊迫感を、巧いこと表現しちょります。ほんで、それがお酒を呑むシーンによう出ちゃあるがです。鯨海酔侯(げいかいすいこう)と自分で言いよったばあな、お酒好きやき、まあそれはエイがですけんど、あのシーンの設定は高知城内ながです。実は日本唯一の虎竹は土佐藩の年貢としても上納されたという歴史がありますきに、ワシは城内が写るたびに、


「もしかしたら、虎竹が出てこんろうか?」


「近藤さん、酔うて虎竹の花かごでも投げんかよ?」


こんな事も思いながら見ゆうがやけんど、まあ、それは置いちょいて、高知城と言うたら後藤象二郎らあ部下の侍と対面する部屋は、庭も、びっくと(少し)見えちょりますように、お城の一階に面会用の立派な座敷があって、それは今も残っちょります。


たしか、その部屋にもあったような気がしますけんど、部屋のランマが特徴的で、さすが土佐の荒海というか、波を大胆にあしろうた、「ハッ」と目をひくようなデザインながです。一体誰が作ったか知りませんけんど、こりゃあ、あの昔に、これだけ洗練された形は凄いと感心したことがあるちや。高知城に来られることがあったら、ぜひ、注目して見てもらいたいがぜよ。


けんど、ここな竹のランマもなかなか凝っちょって、まっことエイにゃあ。おっと、これは高知城内にあるがじゃあ、ありませんぞね。別んくにあるがやけんど、竹を縦に割って節をそのまま活かしちょったり、小枝を巧く使うたり、竹の葉のキリッとしたシャープな感じに、これを仕上げた職人さんの心意気を感じて、しばらく見上げちょった...。ほいたら、おおの、首が痛うなったにゃあ、まっこと。


龍馬通り

龍馬ブーツ


龍馬のブーツを履いて歩いたら、まっこと、まっこと、いろいろな人に、いろいろな事に、いろいろなモノに、不思議と出会うちや。いや、まっこと(本当)ぜよ。この前は羽田空港で麿赤兒さんに会たきにゃあ、ただ、会うただけやないぞね。トイレで会うたちや。おっと、けんどワシも大人やきに、いきなり横から、「もし......」と、声をかけるような、ざっと(粗雑)した事はセン。その時は黙って用を足しがやき。(常識人として当然かも知れんけんどよ)けんど、イカンぜよ。イカンちや。飛行機に乗ってから地方の小さい空港に降りたったら、ありゃりゃ...また、麿さん、おるやいか!


なんじゃあ~~~~~~~~~~!ワシと行き先同じやったかよ?こりゃあ、イカン、縁じゃ、縁に決まっちゃある!へんしも(早く)、声をかけんとと思うて、写真を撮らせてと頼んだがです。ほいたら、「よっし、分かった、今度ね」と来たちや。


「うーーーーーん。今度?......いつやろうか?」


芸能人の「今度」はアテにならん言うきに、その時、持っちょった本にサインだけもろうたがです。


麿赤兒さんサイン


えっ?麿赤兒さん、ご存じないろうか?ワシは舞踏家いうイメージが強いけんど、俳優でもあってから大活躍しよりますぞね。そうそう。なんと、なんと、なんと、ワシも、「ハゲタカ」以来、こじゃんとファンになっちゅう大森南朋さんのお父さんやきにっ!大森南朋さんは大河ドラマ「龍馬伝」で、武市半平太役を熱演中の役者さん。これ、これ、これを縁というがじゃあないですろうか!?


おっと、また龍馬伝の話になりましたけんど、龍馬言うたら京都で思いだした話があるぞね。京都やったら伏見、あの有名な寺田屋やにゃあ。近くの商店街は龍馬にちなんで、龍馬通り言うそうですちや。まっこと、龍馬さん色々な場所で大活躍じゃあ。その龍馬通りをズンズン歩いていきよって、パタリ......。足が止まったがは、なんと、なんと、虎竹発見!!!!!こりゃあ、ワシんくで作らせてもらいゆう虎竹枝折り戸ぜよ。


虎竹枝折り戸


高知生まれの坂本龍馬の名前の商店街で、高知生まれの虎竹ち。高知生まれのワシは、まっこと、まっこと(本当)、こじゃんと、嬉しゅうなりますぜよ。