敬老の日に

竹の先人


竹の世界に限ったことではないかも知れませんけんど、手仕事というのは職人さんの高齢化によって少なくなりつつあるがです。それは作り手だけでなく、作り手の周りでずっと職人さんを支えてきた、例えば材料を担当する方、職人さんの使う道具を作る方など、意外と見過ごされがちな事でもありますけんど、モノ作りの長い一本のラインがあるとしたら、その中がまるで歯抜けのように一つ、又一つと無くなりつつあって、出来なくなったりあるいは効率が悪くなって、今までのように数量が揃わなくなったりしゆうがです。


いざ、そういう状態になって改めて、竹という自然素材を何人もの人の手を経て、その方々のお陰で、製品として人様の手にお届けできていたがやにゃあと思うがです。


ボクは、竹と聞いたらどんな苦労をいとわず千里を駆けて行った。祖父のようになりたいと、いつも思いよります。「虎は千里を駆けて千里を還る」などと言われます。だから「竹虎」という社名ではありませんぜよ...。ただ、自分は田舎者で何の取り柄もないですきに、せめて竹で誰かの笑顔が作りたいがです。


そう思いよったら、竹は知れば知るほど面白く、何ちゃあ知らない事ばっかりながです。いつもビックリするような事を教えてくれたり、満面の笑みになる竹の事を話してくれるがは竹の先輩たち。時には何度も聞き返さないと分からないようなお国言葉で、時には子供や孫に言い聞かせるように話してくれる一つ一つが宝物。そして、それらを自分が全部背負うて行こうと思いゆう。初代から二代、三代、と竹虎が宿命づけられちゅう道ですろう。


さて、今日は敬老の日ぜよ。全国の竹にかかわる全ての敬愛する皆様に、ずっと、ずっと、ずっと、元気でおって欲しいがぜよ。


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