竹筬(たけおさ)の課題

竹筬(たけおさ)製造


竹筬は大正10年頃(1921年)に金属製の筬である金筬羽が使われるようになると、朝鮮動乱(1950年~1953年)あたりまでがピークでそのあと徐々に需要が少なっていき竹筬を製造する会社も高齢化等が進み平成13年(2001年)に廃業されています。


日本竹筬技術保存研究会、竹虎四代目


この製造できなくなってしまった竹筬を復活させようと活動されているグルーブが日本竹筬技術保存研究会です。竹筬は、軽く扱いやすく、竹のしなり弾力があり歪みや湿気に強く経糸にもやさしいという特徴があり、竹筬でないといけない織物があるそうなのです。


日本竹筬技術保存研究会


竹虎に竹の視察に来られていた皆様の他にも多くの賛同者がおられ、若い方も入りながら積極的に取り組まれ成果をあげられています。無くなりかけた伝統の道具がこうして多くの方の力によって復活しつつあるというのはあまり他には例がないことではないかと思います。


竹筬(たけおさ)竹材


竹筬製作においては、数年間の研究と努力によって技術的な面ではすでに及第点のような製品ができるようになっておられるようです。


筬羽作りには、竹編み、竹割り、荒引き、幅取り、二番引き、皮取り、上引き、羽揃え、羽切りと工程があり、続く仕上げと組上げにも傍(わき)仕上げ、焼き入れ、縁仕上げ、面取り、筬編み、仕上げと長い工程があります。このような手間のかかる工程を再現し昔と同じような製品を手がけられようとする関係者の皆様の熱意には頭が下がる思いなのです。しかし、やはり一番の問題は良質な真竹の確保という問題です。


竹筬(たけおさ)竹材


良い真竹材の育つ条件というのがあります。風当たりが少ない、陽当たりがよい、程度な水分量、弱酸性の粘土質などがあります。淡竹の仲間であり、特有の虎模様の付く虎竹の成育する虎竹の里とは少し違う部分もありますが成育条件が悪いと節間の伸びは悪く、節が高くなるなどします。竹が身近でなくなっている現代では、しっかり管理されて真竹の竹林などは皆無に等しく竹筬に適した材料確保が課題だと代表の方はお話しされていました。


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