竹集成材とエルメス(HERMES)

竹フローリング


昨日の30年ブログで登場した竹フローリングは国産材を使い国内で製造した集成材です。ただ大型施設になればなるほどコスト面でかなりの差が出てくるので海外から輸入される竹フローリング材が使われています。


いつだったか東京に大型商業施設ができた際、植栽にも竹が使われているとの事で近くに行ったついでに拝見させてもらいました。なるほど床や壁面には確かに全て竹材を使われていて感心したのですが、女性のハイヒールの小さなキズがお客様がよく通る導線部分ほど無数に跡になっているのが気になりました。


これは輸入材であっても、国内材を使ったとしてもある程度仕方のない事だそうです、しかし実は床のキズを最小限に抑える方法があります。それが竹を輪切りにした面を使用するやり方で細かい維管束の孔が無数に並ぶ独特の模様の素材です。集成材の製造には3倍の手間暇がかかると職人が話すものの確かに最強だと思います。


エルメス、HERMES、パリ本店、竹チェア


HERMESと言うブランドには、革への探求心の素晴らしさ自分達の技術への誇りを感じますが大阪にある店舗のひとつには、ちょうどこの竹素材が採用されています。壁で仕切られている売り場から売り場への出入り口部分には床、壁、天井までループ状に施されていて圧巻なのです。


エルメス、HERMES天井デザイン


そう言えば一度パリ本店にお伺いした際、上の階に案内いただき竹で作られたロングチェアなどを拝見させてもらいました。展示されている天井のデザインは煉瓦だと言ってましたが、自分にはどうしても竹にしか見えませんでした(笑)。まあどちらにしてもHERMESが竹という素材に対して強い関心を寄せていることは間違いありません。


エルメス、HERMES、パリ本店、竹家具


展示されていた竹チェアのフレームも日本製の竹集成材だったので、竹に対しても日本人以上に知識とノウハウ、そして何より情熱を持っているように感じました。


竹集成材


さて、そして今回の維管束の竹素材の店内装飾です。わざわざコスト高になる素材を使っているのは単にメリハリをつけた見栄えだけの事ではないはずです。超一流のブランドをも魅了するの美しさ、そして特性を知って活かしきっているHERMESの素晴らしさを垣間見る思いがします。


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