続・60年、感動の箕作り職人

カズラ箕


型や出来映え全てにおいて非の打ちどころのない箕ではあります。ただ、だからこそ只一つだけ気になる所がありました。最後の仕上げの縁巻にビニール系の紐を使用しているのです。


重ねた箕


もちろん大量に製造していますので切れることがなく管理を容易で扱いやすいビニール系の紐を使うのは無理はありません。これ程の竹細工なら最後の仕上げまで昔からそうであったようにカズラで縛るのが一番ですが、そもそもカズラのような山の素材を集める職人がいなくなりました。


竹箕職人


しかし、この箕を見れば見る程に残念でなりません。そこで竹虎の袖垣に使用している四万十カズラで縁巻をお願いする事にしたのです。


四万十カズラ


職人さんはカズラの質をとても気にしています、今まであまり良い素材を使った事がなかったのかも知れません。あまり太いと使えませんし、均一の太さで質がよくないと細工の途中で切れて仕事にならないのです。竹虎のカズラは風通しのより天井裏に数年寝かしてあり格子を縛らねばならない自社製品にも問題なく使用しているので箕の細工には絶対使えるはずだと自信はありました。


カズラ箕


カズラの質が良かったせいか、予定の倍の数が編み上がりましたが、やはり箕はこうでないといけません。最後の竹製箕らしい最高の品の完成です。


コメントする