編み上がったオカメザサの籠を手にして

 
オカザサ、メゴ笹洗濯籠、竹虎四代目(山岸義浩)


オカメザサ洗濯籠が編み上がってきました、高知ではメゴ笹と呼ぶ非常にしなやかで竹編みには適した竹材です。竹材と言いましたが、まるで笹のように細く小さいのですが立派な竹の仲間です。竹には伐採の時期がある事は度々申し上げていますけど、伐採時期をしっかりと守ることが素材の品質管理をする上で大切になってきます。


オカメザサ、神楽笹


孟宗、淡竹(はちく)、真竹でも筍の生える時期が違うので実は伐採時期は竹や地域によって異なっています。オカメザサ(メゴ笹)も一年の内に数ケ月程度しか伐採に適した期間はありません。決まった伐採時期があるのは他の竹材と同じなもののオカメザサのやっかいな所は、伐採して数日の間に編み上げないと堅くなって竹材として使えなくなる事です。


オカメ笹、神楽笹籠


これは籠編みの素材としては本当に難しい。虎竹や真竹なら竹材を一年間保管しておいて必要なだけ割りながら使う事ができるのに、オカメザサ(メゴ笹)洗濯籠は伐採して5日間程度しか使用でません。だから竹虎でも一時は「幻の籠」とずっと言われて続けてきて見ることすらできなかったのです。


メゴ笹籠


それにしても出来あがったばかりの青々としたオカメ笹の籠は水分を含んでズシリと手にきます、小振りな持ち手付の籠でも「えっ?」と思うくらいの重さです。


メゴ笹手付き籠


ところが、これがほんの数日も経過すると、みるみる青みが抜けてきます。白っぽく乾燥してきて、自分が数年使う籠など最後には体感で3分の1くらいの軽さになって持ち運びもも楽だし扱いやすくなっています。さらに編み込みがギュッと締まる事によって硬く強くなるから最高に素晴らしい籠なのです。




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