年期の入った矯め木

矯め木


高知県は森林県ですけんど竹虎のある須崎市は、もともと港町。魚市場もあって漁業も盛んですけんど木材の積み卸しで大きな船がつくような土地柄やきに近くを通りかかったら木の香りがしてくるような製材所も結構あるがです。そんな製材所から分厚い木材を分けてもろうてノミで削って、穴を掘ってつくるのが、この矯め木ちや。


ガスバーナーで炙られた虎竹の曲がりを矯正する大事な道具ですが、そうです。もちろん、職人の手作り。自分の、のうがエイ(使い勝手の良い)所に穴を開けたいし矯め木をいれる穴が何カ所もありますけんど、実はそれぞれ角度が違うちょって竹の曲がりやクセによって使い分けゆうがです。


ご覧いただきゆう矯め木も年期が入っちょりますがある時期になったらこの矯め木は使えなくなって又新しい矯め木を用意せなあイカンがぜよ。おっと、木が腐る訳ではないですぞね。竹を通す穴が何度も何度も使ううちに削れてきてから角度が微妙に違うてきて竹を矯め直しできなくなってくるがやき。


ええっ?たまるか!?木が削れるばあ、竹を通しますか!?


そうです、通しますぞね。まあ、年期、年期。何年もやりゆううちに、そうなってくる言う事ちや。


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