竹皮草履用の稲ワラ

竹皮草履用の稲ワラ


日本の主食であるお米を刈り取ったあとの稲ワラは昔から身近で、実に様々な生活用品に使われてた貴重な素材やったと思うのです。今では目にする機会も少なくなって消えてなくなりつつあるものもあります。若い方にはワラなどと言うても見たことのない「新素材」かも知れません。けんど、日本の自分達が毎日食べているお米を作る田んぼでのお話です。是非、ワラの事も少しでも知っていただきたいと思うちょります。


竹皮草履の芯部分には稲ワラが使われちょります。草履職人さんが近くの農家さんのお手伝いに行ったり、親戚の家から頂いてきたりして調達する稲ワラですが。昔は稲ワラにしても、竹皮にしても自分たちの周りで手に入る素材だから、自然と使われるようになった歴史があると思います。前には新しいビニールやら何やら扱いやすく強いモノが出来てきて、一時は、そのような素材を使うたほうが良いという、効率重視の職人さんがいた時期もあったのです。


けんど、耐久性や機能性だけでない。日本のモノ作りの長い歴史そのものを皆様にお届けする事を思えば、「昔ながらの材料を、昔ながらの変わらないやり方でやる」ただ、それだけで良いのではないろうか。竹皮にしても、稲ワラにしても水に強い、身近で豊富にある、モノの無かった昔にしたら願ってもないスーパースターのような存在です。新人(新素材)が出て来て栄光の座を追われてしもうた往年のスターも、虎竹の里ではお陰様で現役選手としてご紹介できちょります。これからも、できる限り第一線で走り続けてもらえるように思うちゅうがです。


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