美しい里山の竹

美しい里山の竹林


のある里山の景色は本当に心が和む。窓を開け放した部屋に腰を下ろしていると、遠くに牛の鳴き声が聞こえてくる、フワ~ッと田んぼを渡ってくる風は、真夏と言うのに何とも心地よい。このお宅にはクーラーがないと言われているのも納得する。自分はエアコンの冷え過ぎる部屋は苦手だ、暑い季節でも日陰にいれば結構涼しい、この辺りの暮らしは素晴らしい。向こうの竹葉が揺れている、又いい風が入ってきた。


忘れられた孟宗竹


竹は人の暮らしと共にあった。今では放置されてしまって迷惑な存在に思われている竹林も、当時はわざわざ先人が植えて増やしたものなのだ。曲がりくねった細い山道を、奥へ奥へと登って行った先、明るく開けた場所に人の気配など微塵もないけれど、「ひいじいさんが、ここに鶏小屋をこしらえて沢山飼っていた」車を運転してくれた山の職人がつぶやいた。今ではこの孟宗竹が昔の生活を忍ばせてくれる。


里山の竹林


忘れられた竹林もあれば、役立ち続けている竹林もある。森林面積のわずか0.6%しかない竹を悪者扱いする前に、元々は自分達の生活に活かすために植えたものであり、感謝してもしきれないほど竹の恩恵を受けてきた事を忘れてはいけない。今日も人と共存している竹は「竹」+「二人」=笑っている。



防災竹林、台風が去った虎竹の里

台風後の虎竹の里


台風6号が過ぎ去った、近く国道で土砂崩れがあり通行止め等はあったものの、虎竹の里はお陰様でこれと言った被害もなかった、本当に感謝の気持ちだ。しかし、台風銀座の高知に育ち、大雨には慣れているつもりでも先日の強い雨音には早朝から目が覚めるほどの激しさだった。


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小さい頃には聞いた覚えすらない線状降水帯と言う言葉を、近頃のニュースでは頻繁に耳にする。温暖化で台風のサイズは大きくなり、それに伴い降水量も多く、長時間続く傾向になっているので災害への整備が進み、詳しい情報をリアルタイムに知る事のできる現代でさえ、恐ろしく感じる。




「線状降水帯に強い味方!大雨から川岸を護る蓬莱竹(ホウライチク)と火縄銃の意外な関係!?」では防災竹林としての蓬莱竹を詳しく紹介している。バンブー系で株立ちのため、竹根が隣接する農地に伸びていかない事も多用された理由のひとつだ。


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それにしても、土木技術も発達しておらず治水が脆弱だったその昔、土地に暮らす人々はどれだけ不安だったかと思う。人が護岸用に植えた竹を大切にし、竹を頼りにしてきたのは当然だ。株立ちの根をしっかりと張った蓬莱竹を、今とは比べものにならない程たくましく感じていたに違いない。「土地の守り神」なんて言うと大袈裟だろうか?いやいや、ほんの数十メートル先さえ煙って見えない激しい豪雨の中では、守り神そのものだと、つくづく思う。




「巨大な蓬莱竹が土地の守り神!大自然の猛威から防災百年!」で、蓬莱竹の生命力をご覧ください。自然の猛威には、自然の力で対抗してきた先人の知恵に脱帽する。今回は、すぐ後に台風7号も近づいる、まだまだ警戒は緩める事はできない。



牧野富太郎博士とナリヒラダケ

業平竹、ダイミョウチク


遠くにナリヒラダケ(業平竹)の竹林が見える、今時ならスラリと伸びた筍が見られるのではないかと思い行ってみた。この竹は関東から西に広く成育しているが、同じナリヒラダケでも地域によって微妙に異なる5種ほどがある。しかし、いずれも節間がスラリと長くスマートで観賞用に好まれるのが分かる竹だ。


ナリヒラダケ、業平竹


思った通り、ちょうど筍があちらこちらから伸びはじめている所だった。この竹には、別名ダイミョウチクという名前もあって、昔は大名しか食する事ができないくらいだったと教えていただいた事がある。アルミホイルに包んで焼いて出してもらった筍はホクホクして美味しくて、さすが大名だと納得した。


ナリヒラダケ、業平竹


ナリヒラダケ、業平竹


顔を出し始めたばかりの筍もあれば、スラリと高くなっている竹もある。あまり太さのある竹ではないが、この節間の長さが伸びやかな印象として見ていても気持ちがいい。


ナリヒラダケ、業平竹


前にも書いた事があるけれど、命名は何と虎竹と同じく只今NHK朝ドラ「らんまん」で全国の皆様に名前を知っていただいた牧野富太郎博士だ。名前を付けるに当たり、全体の姿形の端麗さは男性的だけれど節に女性的な優しを感じるとして万葉歌人の在原業平(ありわらのなりひら)がその由来となったそうだ。このような名前は、植物の精だと自ら言った博士にしか付けられない。





真竹の筍が竹になる

真竹の竹林


今の季節に竹林を注意深く見ると、このように竹葉のない、まるで釣り竿でも立てているかのようになっているのに気がつく。これは、筍から伸びて竹になっいるのは真竹だ。三大有用竹と呼ばれる竹の中では、まず孟宗竹が一番先に筍が出て、それから淡竹、真竹は一番最後に生える。


真竹竹皮


真竹の若竹は青々とした色合いが特別美しいので見惚れてしまうほどだ。そして、竹皮に特徴があって孟宗竹と同じくお馴染みの模様がついている。かつて竹皮はお肉を包んだり、オニギリを包んで竹皮弁当にしたりしてきたので見慣れている方は多いと思う。


真竹


この竹皮を脱ぎ落としながら真竹はドンドンと伸びていき雨の多い梅雨時なら一日に1メートルも成長する事がある。だから今時の竹林は数日で景色が変わってしまう。


真竹


真竹は節間が長いのも特徴のひとつ、粘りとしなりがあり竹籠や竹ざるに適した素材。青竹細工としても、あるいは晒して白竹としても、竹製品には一番多く使われる竹材でもある。


淡竹竹皮


それにしても不思議なのは竹皮の模様だ、孟宗竹や真竹の竹皮には虎のような模様があるけれど、その下から現れる竹表皮に模様がなく、反対に竹皮には何の模様もない淡竹の仲間の虎竹には、親竹になったら虎模様が浮かび上がって来る。自然の神秘としか言いようがない。



続・竹の危機!タケノコムシか?日本の竹林の現状

真竹林


竹の事になると居ても立ってもいられない、何とか日程をやり繰りして熊本県にある問題の竹林にやって来た。ご案内いただく職人さんに続いて歩きながら何カ所かの山々を回るけれど、遠くからは別段変わった風には見えない。少し元気のない普通の真竹の竹林である。短い期間に数百束もの竹を伐採すると聞いて、どのようにされているのか?不思議にも感じていたが、虎竹の里のように急峻な山道を登る必要もなく、このような平坦で道路脇の竹林は仕事もはかどりそうで恵まれている。


イノシシ真竹


おっと、しかし、やはり此処にもイノシシが身体を擦り付けた跡が残れさている。ただ、このような竹は虎竹の竹林でも沢山見られるので、イノシシが今回の虫害と直接関係があるとは少し考えにくい。


真竹、タケノコ虫(ハジマクチバ)マジック印


竹伐採をされてきた山の職人さんが、分かりやすいように赤いマジックで印を付けてくれている。しかし、辺りを見回して少しギョッとする、マークをしてくれるまでもなく、横にも、その隣にも、ここにも、あそこにも同じような小さな穴が開けられた竹ばかりなのだ。


真竹、タケノコ虫(ハジマクチバ)


タケノコ虫(ハジマクチバ)


中には、このように二つも穴の開いている竹もある、まさかこれほどまでとは...予想以上の虫害である。


胡麻竹


去年、今年あたりから急に被害が大きくなったと話されているけれど、立ち枯れしてゴマ竹になった竹にも同じ穴が見られるので前々から虫の被害は少しづつあったようだ。虫害の急拡大には何か理由があるのだろうか。


真竹、タケノコ虫(ハジマクチバ)


数年前に竹の講演で招待いただき、色々と見学に訪れさせてもらったブラジルやメキシコの竹林で見たような大きな虫の穴ではないものの、結構大きな穴を見つけた。これは又別の虫のによるもののように思う。


タケノコ虫(ハジマクチバ)


真竹、タケノコ虫(ハジマクチバ)、竹割


穴の開いた竹を割ってみると黒ずんでいたり、粉をふいていたりと竹細工や加工ができるような竹材ではなくなっている。園芸やその他資材用に使うにしても、このような穴が沢山開いた竹では販売が難しい。


真竹


真竹、タケノコ虫(ハジマクチバ)


タケノコムシ(ハジマクチバ)と言う蛾の幼虫が筍の時に入ってこのような穴を開けているのではないかと今のところ考えている。竹の節間に等間隔に明けられた穴は、筍の時に虫が食い破って貫いたものではないかと思うからだ。


伐採後の真竹林


タケノコ真竹


しかし、どうもそれだけでは納得できない所もあり、伸び出していた筍を許可をいただいて何本か折って皮を剥いでみたりして痕跡を探してみたが見つけられなかった。


淡竹


真竹だけでなく、淡竹の竹林で同じような状態だった。


テング巣病


今や当たり前のようになったテング巣病が、竹林でもいたる所に見られている。健康でない竹の抵抗力の低下が、ひとつの大きな要因となっている事は間違いないと思っている。


女竹、タケノコ虫(ハジマクチバ)


真竹、淡竹、そして孟宗竹のウラ(先端)の柔らかい部分が食害にあっているとの事だったが、今回はじめて女竹でも全く同じ症状の竹が見つけられた。これには山の職人さんたちも一様に驚かれていたが、竹なら種類を問わず食害に合うという事を頭に入れておかねばならない。竹籠や竹ざるには籐を使う場合があるけれど、竹を食する虫はこの籐にも同じような穴を開けてしまう、つくづく竹には愛情をもって良く見ておかねばならないと思う。





竹の危機!タケノコムシか?日本の竹林の現状

真竹、タケノコムシ(ハジマクチバ)


「竹の危機ではないか?」わざわざ熊本から来られた職人さんは深刻な表情だった。竹虎とは祖父の時代からのお付き合があり、熊本から長崎まで九州一円で竹伐採を続けてきた数少ない竹一筋の方が手に持っているのは、一節一節に一定の間隔をおいて小さな穴の開いた真竹だ。


虎竹の里、イノシシ跡


近年、どこの竹林でも増え過ぎだイノシシによる筍の食害があるが、同時に竹の根元に身体を擦り付けてキズにしてしまう被害も多い。泥遊びの好きなイノシシが、身体が痒いのか竹林のあちらこちらに跡を残している。だから「寄生している虫を、イノシシが広めているのではないか?」一緒に山で働く職人の奥さんが言うのも納得できる。


虎竹の里、イノシシ跡


しかし、イノシシが竹にキズを付ける事はあっても竹の害虫との関係はあるのだろうか?


タケノコムシ(ハジマクチバ)、宮崎


鳥が突っついているのでは?そんな話もあったそうだ。硬い竹表皮に、こんな穴を開けるなんてと突拍子もないように聞こえる。色々な風説があるのは、それだけ被害が大きいという事だと思った。


タケノコムシ(ハジマクチバ)、宮崎


実は昨年の秋に宮崎の竹林で、やはり同じように小さな穴の開いた真竹を見せてもらった。タケノコムシの食害ではないかとの事だった。宮崎県と熊本県は隣同士だし、症状も酷似しているので恐らく同じ害虫によるものだろう。


宮崎真竹シミ


実は、あまり知られていないが真竹の竹林にはテング巣病が広がり酷い状態だ。これは九州に限った事ではなく、東北から関東、東海、関西、中国、四国と見かけない所はない、そんな抵抗力の弱まった竹に虫が入りやすくなったのではないだろうか。


虎竹の里、竹虎四代目(山岸義浩)


熊本の竹林での虫害は、特に昨年から目立ちはじめ、今や伐採をしている竹林で被害のない所はないと山の職人は言う。「虎竹は大丈夫ですか?」近くの竹林では真竹だけでなく、虎竹の仲間の淡竹(はちく)にも被害が出ているからと心配して頂いた。虎竹の場合は、テングス病も、このような虫害も今のところ見られないが今後は厳重な注意が必要だと感じている。





虎竹の竹皮、孟宗竹の竹皮

虎竹の林


竹の種類と言っても、多くの方は竹を見分ける必要もないし、竹と言えばテレビや雑誌などで見かける大きな孟宗竹などを指して漠然と思っているのではないかと思う。しかし、実際には竹の種類は日本国内だけでも600種類もあって、それぞれの特性があり、その性質を活かした使われ方をしてきている。中でも日本三大有用竹と言って、孟宗竹、真竹、淡竹の三種類は全国各地に生えていて、特に多くの利用方法があるのだ。


虎竹(淡竹)の竹皮


日本唯一の虎竹は淡竹の仲間なのだが、ご存知のように独特の虎模様の美しさが珍重され様々な竹製品、竹細工はもちろん、室内装飾や庭園用の竹垣などにも多用されてきた。ところが、ちょっと面白い話をしたいと思うけれど、虎竹は独特の竹肌をしているのに竹皮はご覧のように全く模様が入っていない。


孟宗若竹


竹皮と言えば、抗菌性がある事から身近な食材を包むのに使われているので、覚えておられる方は少なくないと思う。なので、この無地の竹皮を見て「あれ?竹皮には模様が入ってるのでは?」と不思議に感じられるのではないだろうか。その通りで、一般的に使われる竹皮(ほとんどが輸入になってしまったが)は孟宗竹か真竹の竹皮だから模様があるのが普通である。


虎竹筍


竹虎の竹皮草履も、多くは模様が入っている孟宗竹を素材に使っている。ただし、よく注意して頂くと鼻緒の付いている前ツボ部分には模様の付いていない竹皮を使用している。編み初めの前ツボ部分には柔らかい淡竹の竹皮が適しているからだ、竹皮草履をご愛用の皆様は足元を見てご確認ください(笑)。





防災、水害対策としての竹

天竜川


台湾で開催されていたアジア太平洋ソーシャルイノベーションサミットの帰りの事だった。乗り継いだ羽田空港から高知龍馬空港に飛ぶ機内からは東海道が良く見える、この日は雲が多かったが眼下に増水して濁った大河の流れがあった。位置的に考えたら、どうやら静岡県内の川だろう。実は、竹トラッカーで高知から横浜まで走った「チャレンジラン横浜」では、この辺りを流れる天竜川、大井川、安倍川、富士川など大きな川が、小さな電気自動車にはまるで行く手を阻む関所のように感じていたから忘れられず親近感もある。


天竜川


川の形から調べたら天竜川だと分かった、それならすぐに浜名湖も見えてくるはずだ。それにしても、海をあれだけの濁らせてしまう激流だと相当の大雨が降ったに違いない。


女竹


雨の多い日本では、川の災害も昔から多発していたから護岸の工事には根を張り巡らせて育つ竹が植えられてきた。近くの安倍川では、川沿いの竹を利用した籠作りが盛んだったから、天竜川にも同じような護岸竹が今も残っているのではないだろうか?


蓬莱竹


真竹など大型の竹の場合もあるけれど、篠竹など小型の竹や女竹、五三竹など中型の竹笹を良く見かけるのは密集して生えるからだ。蓬莱竹のような株立のバンブー系の竹は、温暖な高知では河川のポイントや合流地点に守護神のように立っている。


吉野川


日本三大暴れ川「四国三郎」と昔から呼ばれる吉野川の川岸には、グリーンベルトのように真竹の竹林が続いている。たまたま、そこに生えているのではない、人々が防災、洪水対策のために植えて管理してきた竹林だと言うことを知ってもらいたい。



人の暮らしを支える、生業の竹林

孟宗竹の竹林


世界に約1300種もあると言われる竹だが、そのうちの半分近くの600種類がこの狭い日本に成育している。この国が、いかに豊かで美しい自然に囲まれているかを象徴的に表していると思う。さて、そんな多品種の竹笹がある中で主に竹細工や竹製品として活用されているのは、孟宗竹、真竹、淡竹のわずか3種類しかない。だから一般的に皆様が竹と呼ぶ場合にはこの3種類の内のどれかを指して言っている。


しかし、このわずか3種類の竹が生える竹林には、それぞれの事情により見た目や性質が異なっている。ひとつは筍を採取するために、手入れされ陽当たりが良いように伐採、管理された畑と呼びたいような竹林。また、本格的な畑とまで行かずとも、里山にあって家庭菜園のようにおじいちゃんが一人でコツコツと世話をしているような竹林もある。その他、庭園や観光地には観賞用として見せるための竹林があり、見栄えが良いように間引きされ多くの人の目を楽しませている。


孟宗竹


そんな一方で、成育の早い竹が完全に放置されて荒れ放題になっている竹林がある。立ち枯れてしまったり、風で倒された竹が斜めに交錯して、もはや竹林本来の縦のスッキリたラインは見られない。日中でも薄暗いほど鬱蒼と茂り人の立ち入りを拒んでいるかのような竹林、このような竹林を竹藪と言う。そして、そんな悪い景観の竹を、何とか間引いて風通しの良い美林にしたいと手入れをされている竹林なんかもある。


ところが本日ご覧いただいている竹林は、これらのどれでもない。筍を採るためでもなく、見せるためでもなく、景観のためでもない、人の暮らしに役立つ製品のための孟宗竹たちだ。景観を維持するための竹林のように、伐り倒した竹の使い道に困ったりする事はもちろんない。竹製品に加工するために伐採して、運ばれていく竹は姿形を変えて全て生活シーンで生きている。だから、ここの竹林では竹たちも笑っている。




そうそう、30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」をご覧いただく皆様なら、簡単な竹の見分け方くらいは是非知っておいていただけると嬉しい。このYouTube動画を見ると、誰かに教えたくなる竹の見分け方が分かります(笑)。



竹林の異変

竹林


あまり誰も話題にしていないけれど、近年全国各地の竹林は元気がない。先日も、飛行機が着陸態勢になり高度を落とすと山々に点在するの様子が気になってくるが、どうも覇気を感じない。竹の秋でもないのに葉が黄色くなっていたり、立ち枯れした竹もある。




高知でも土佐市という所で全国最大級という孟宗竹の部分開花を見つけた事がある。あまりに広範囲だったので竹林の持ち主の方も一体何が起こったのか?と驚かれていた。


孟宗竹


竹は孟宗竹で60年に一度、真竹や淡竹では120年に一度花が咲くと言われている。開花すると竹は全て枯れてしまう、今ちょうど全国的に淡竹の開花時期となっているけれど、それとは少し違う。


真竹竹林


気になる竹林の多くは孟宗竹だったり、真竹だったりする。真竹は前から何度も言っているようにテング巣病だ。


テング巣病の竹林


これだけ蔓延しているのに、どうして竹を扱う職人や業者さんからも何も話しを聞かないのだろう?と思っていたら、ひとつは竹林に入らないので知らないのだ。竹材を使うと言っても、枝打ちされて一本の竹になったものしか見る機会がないので仕方ない。良質の竹を求めて竹林に入る若い職人も、既に最初からテング巣病ばかりだったので実はあまり違和感をもっていなかったりする。


竹林


「竹の秋」と言って竹も紅葉するのだけれど、一年中このような竹林の姿は異様だ。


竹林


孟宗竹の場合、大型化した台風の強風と潮のせいだとも、地震があった地域では根が揺れて傷みがきているのではないかという職人もいる。理由は分からないけれど、竹の異変には注視していきたい。