和傘だけの別世界

黒竹番蛇の目傘,作務衣,さむえ,SAMUE,竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI、TAKETORA)


使い込まれた道具は少々へたりがあったとしても、それ自体が味となってから格好がエイものです。20代の頃、母から譲ってもろうて愛用しよった一本の和傘がありました。所々破れたり、穴が開いてしもうて雨が漏ったりしよったけんど、これが、なかなか味となって、どうしても捨てられず結局長い間ずっと愛用しよったがです。


コンパクトになる軽く使いやすい傘は、いくらでもありますし、雨になったら手軽なビニール傘は、どこにでも売りよります。こんな、重たい、かさばる、使うた後の手入れも大変な傘を、どうして、やったろうか?母が大事に使いよった傘やき、そんな思いもあった事は確かですけんど、やっぱり和傘そのものに何もと言えん魅力を感じちょりましたぞね。さすがに出張など遠くに行く時には使えませんけんど、近場で使う分には十分機能的にやし、あの傘を手にしちょったらイヤな雨でさえ、ちっくと心待ちにしたくなるような不思議な気持ちになったがです。


和傘


今回、縁があって高知県特産の黒竹を柄にした、番傘と蛇の目傘の中間のような別誂えの傘を作っていただきましたちや。名付けて黒竹番蛇の目傘。傘を閉じた時には朱色のラインが胴体に映えて、いやいや、こじゃんと格好がエイが違う!そこに立てかけて置いちゅうだけで絵になる和傘ぜよ。もう、これ見ただけで結構しびれてしまうがですが、この朱色は傘の竹骨の細い部分にだけに塗られちょりますので、傘を開いたら、開いたで、傘の表情はガラリと違いますぞね。


蛇の目傘


蛇の目の由来通り、濃紺の色地に白抜きの輪が浮かびあがり、和傘ならではの風情がありますぜよ。もちろん、機能的な事や手軽さ、便利さを考えたら和傘を全面的にオススメできる言う事では無いがです。けんど、和傘には和傘をささないと分からない和傘だけの別世界があるがぞね。48本の竹が頭上に360度広がる別世界。雨に濡れないための傘ではなくて、雨を楽しむための傘という事ですろう。


コメント(3)

kotaママ 返信

風情がありますね。和傘を手にしたことがありませんが、和傘を持った時、開くときの感触、傘に落ちる雨露の音、画像から伝わります。立てて置くのですね。雨を楽しむための傘ですね。

竹虎四代目 返信

kotaママ様

ご覧いただきありがとうございます!
まっこと、まさに雨を楽しむための傘ながです。

あまり嬉しくはない雨の日を
少しでも楽しくしてくれるアイテムですぞね

是非機会があればお手にされて
開いた時の感触、音、さした時の重さなど体感されますと
和傘の素晴らしさがよりお分かりいただけるかと思います
何卒よろしくお願いいたします。

竹虎四代目 返信

kotaママ様

ご覧いただきありがとうございます!
まっこと、まさに雨を楽しむための傘ながです。

あまり嬉しくはない雨の日を
少しでも楽しくしてくれるアイテムですぞね

是非機会があればお手にされて
開いた時の感触、音、さした時の重さなど体感されますと
和傘の素晴らしさがよりお分かりいただけるかと思います
何卒よろしくお願いいたします。

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