竹清先生の昼寝

タイ王室御用達竹籠


渡辺竹清先生の工房にお伺いすると、いっつも新鮮なニュースがあるぞね。「高野の昼寝」という言葉がありますけんど、ご存じですろうか?その昔、今のように電話も新聞もない時代、世の中の動向というのは旅人によって、その地域、その地域にもたらされる事が多かったと聞いちょります。不便な時代ではあり、なかなか遠くの事情は分かりにくい世の中にあって、高野山には人の出入りが沢山あり遠くの情報が黙っていても、それこそ昼寝をしていても自然に集まったことからこのような事が言われちゅうがです。


これになぞるとしたら、まさに「竹清先生の昼寝」ですろうか?竹の世界に色々な人脈があり、古くからの方にも、若い職人さんにも慕われる人徳のある先生ならではやと思うがです。竹の新しい話しは、今日もありましたぞね。祖父も父も、こうやってドキドキワクワクさせて頂けるきにいつも竹清先生の工房には足しげく通うたがやろう。


さて、先生に見せていただいたのはタイ王室御用達の竹職人が作る竹籠ぞね。高さが、ほんの数センチしかない小さな小さな籠をこれだけ緻密に、正確に編み込める技術は圧巻ぜよ。


竹ハンドバック


竹編みの種類は色々とありますけんど、網代編みと言う細かい編み込みを極めた渡辺竹清先生だからこそこの逸品の真価が分かると思うがです。普通、これだけ小さいサイズだと竹ヒゴを取るのも大変な技やけんど、その細かい竹ヒゴを正確無比に間違い一つ無く編み込む技術、これは賞賛すべきものやと言われちょりました。竹のハンドバックにしても、何とも上品な雰囲気を漂わせちゅうのは、さすがに王室御用達ぜよ。一体どんな編み込みをしちゅうのかさえ分からんけんど手から伝わる質感、オーラのようなものが違います。


竹は身近な素材として使われてきたのは、何ちゃあ日本だけではなく、むしろ、南方系の植物やきに東南アジアでも生活に欠かせない大事な素材とされちょります。そんな中で、こんな芸術品と呼べるような美しい竹工芸が完成されちゅうとは、まっこと凄い事やと感心することしきりながです。


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