ただ一つの花籠作り

花籠作り体験


竹虎では毎年夏休みを利用させて頂いて、竹屋ならではのインターンシップを開催させていただいちょります。主に大学生や専門学校生を中心とした学生さんにお越しいただき、昔ながらの竹の仕事や日本唯一の竹林、身近ではなくなりつつある竹細工、竹製品などを体感してもらうがです。そのインターンシップでも、学生さんが楽しみにされちょります事のひとつに虎竹を使うた花籠作り体験がありますぞね。おそらく竹を触ることも、ましてや竹を編むなどと言うことはこれからの長い人生の中でも一回きりかも知れませんきに、こじゃんと(とても)貴重な時間だと考えちゅうがです。


日本人と竹は数千年にわたって身近にふれあい、ほんの数十年前までは、どこのお宅の部屋の中にも竹細工や竹のあしらいがあっちにも、こっちにもあったはずなのです。それが、戦後からの経済成長の中で忘れられた訳ですけんど、今またこうやって県外から来られた体験型の修学旅行の生徒さんたちが見た事もない虎竹を手にとり、はじめて触る竹を職人に手ほどきを受け、隣のお友達にならい、ぎこちない手付きで花籠の形に仕上げていく。まっこと見ていて嬉しくなる光景ながですちや。


インターンシップでは花籠作りのDVDをみながら学生さんたち自らが助けあい、それぞれが一つの花籠を仕上げていきます。学生さんにしろ、修学旅行の生徒さんにしろ、この虎竹の里のにしかない竹で、自分の編んだ、たった一つの花籠を大事そうに持ち帰る姿は、いつまでも見ていたい気持ちになる光景ながぜよ。


虎竹に素麺

虎竹に素麺


夏の人気メニューのひとつに素麺がありますろう。昨日も食欲の話しをしましたけんどいくら暑くて、ちょっと食事は...などと思いよりましても汗をかいたガラスの器に氷を浮かべた麺つゆ、中にはネギやショウガなど、これまた食欲をそそる薬味を一杯入っちゃある。一つかみ口に運んだらスルスルと、まっこと一山無くなるのに時間はかからないがです。


好きな方も多い素麺やと思いますが、最近ではスーパーやコンビニでも透明のプラスチック容器に入ったビニールに入った麺つゆをかけて頂くものもあるがです。確かにあれは急ぎの時などには便利ですけんど、やっぱり、しっかりした大人は昔ながらの虎竹ざるに盛り付けて目でも涼を楽しみたいと思うがです。日本唯一の虎竹の渋い色合いに、真っ白い麺の色が、こじゃんと映えちょります。家族の分いくつか並べてみたら食べる前に、食卓いっぱいで夏を体感できるような気がしてくるぞね。手間がかかる事もありますけんど料理の味にも、食卓の笑顔にも、器は大事やと思うがです。


虎竹ざる


虎竹は山に生えている色合いそのままの竹ですぞね。自分達がガスバーナーで油抜きをして虎模様を浮き上がらせますけんどそこで色を付けられるワケではありません。もともと虎竹の里の山の力で、竹に色づけしてもろうちゅうモノです。竹虎の工場では、その色合いを引き出すお手伝いをしゆうだけぜよ。大自然の意匠ですきに、ひとつとして同じものはありません。色合いが濃かったり、薄かったり模様や柄も千差万別ちや。だから、同じ虎竹ザルでも、この通りぜよ。色合いがこれだけ違うて印象も若干変わってくるがではいなですろうか?虎竹は、こんな違いを楽しんでもらえる竹細工と言えるかも知れませんにゃあ。


静かな竹林の夏

日本唯一虎竹の林


「夏痩せ」等という言葉があります。暑いと、どうしても食欲がなくなって夏場に痩せるという事です。けんど、竹屋には「冬痩せ」という言葉がある事はあまり知られては、いないのでは無いですろうか?


「冬痩せ...?」


少し不思議な言葉かも知れませんぞね。自然界ではクマでも、何でも冬眠する動物は秋に一杯食べて冬は寒さに耐えないといけないし丸々と太っちゅうのが普通です。けんど冬に痩せるとは、どういう事かと言いますと実はこれは竹の伐採、山出しが冬にしか行われないからなのです。伐ったばかりの竹は、乾燥した竹に比べるとズッシリと重たいのですが、そんな竹が小山のようにアチラコチラに積み上げられちょって、それをトラックに積み、選別する土場に下ろす、また積み込む...。日本唯一の虎竹の山と麓を行ったり来たり一日中、汗だくになる一年で一番忙しい時期だからながです。


自分が入社した頃は、今とは比べものにならないくらいの沢山虎竹が伐りだされよりました。朝から晩まで積みおろしが続きよったものです。厚い裏地のついたジャンパーを来て山に上がりますが、仕事をしている内に一枚、また一枚と脱いでいって、結局、Tシャツ一枚になったりしましたけんど、真冬の冷たい風が心地よく感じるほどやったがです。


新竹が所々生えてきちゅう、この竹林に来ちょります。これから迎える虎竹の里の本格的な暑い夏は、竹を伐る音も、トラックや、職人さんのバイクの音もしない静かな夏でもあるがです。


浴場の陰の主役とは?

竹すのこ


暑い季節、やっぱりお風呂が気持ちエイですぞね。夏場はシャワーですませてしまう事が多いがですが、暑い時に、熱いお湯にのんびり入るというのも、暑い時に熱い食べ物を頂くのと同じような爽快感がありますちや。


さて、先日もお陰様でゆったりできるお風呂を頂いて、つかりすぎたようで、ちっくとのぼせ気味で大浴場から一歩足を踏み出すと、


「おおっ!」


もう一歩踏み出してみて、


「おおおっ!!!」


ここの出入り口には粋な計らいされちゅうがやったぜよ。まっこと、まっこと、それでなくても気持ちのエイ刺激のある丸竹ですが、風呂上がりで、火照った足裏へ更に竹の心地よい刺激がビンビンとくるがやきに、お風呂場に来られちゃある皆様はこの竹の大活躍に気づいてくれちょりますろうか?あまり目立ってはないですが、縁の下の力持ちとして気持ちの良いお風呂上がりを、更に気持ちよくしてくれゆう陰の「主役」と呼びたいくらいながです。


こう思うたら、雑誌「家庭画報」さんにも取り上げてもろうて、お陰様で皆様から好評いただきゆう黒竹玄関すのこ。製造を始めてから何年も何年もかかりましたけんど、ようやっと皆様に、少しだけご支持いただけるようになったのも自分が使うてみて足が喜びゆうにゃあ...。そんな思いが繋がっただけの事ですろう。お風呂場の扇風機で涼んだらガンバリゆう白竹に挨拶して部屋に帰りましたぞね。

竹とベルティングレザー

古い竹籠


ベルティングレザーを、ご存じですろうか?随分前の事になりますけんど、この革で作られた鞄を長い間使いよったがです。もともとは工場の歯車などを回すためのベルトに使われていたという強靱さを持った革で、そのタフさが気に入り愛用しちょりました。


ベルティングレザーは、革をなめした後にオイルに漬けた加工をされちょりますので使った後のお手入れは乾拭きだけ。たまに汚れがひどい時には、ぬるま湯で濡らしたタオルを堅く絞って拭いてくださいと説明を頂いちょりましたが、そうやって使っているうちに何とも言えない光沢が出てきて、使えば使うほど、その色合いが増してきますぞね。普通の鞄に比べたら重さもありましたけんど、仕切りポケットが多く使い勝手もなかなか良いものですきに、どうも手放す事ができず、雨の日も風の日も使いよりました。革がついには穴があくほどボロボロになってしまって、感謝の気持ちと共に、その鞄は使う事はなくなりましたけんど、この古い古い竹編みの艶に触れてふと、あの鞄の事を久しぶりに思い出したがです。


と革。


同じ自然素材でも、まったく違うモノではありますし用途も性質も随分と違うようではありますが、実は革のようにしなやかで強い竹細工もあって、今では無くなって見る事はできないのですが、竹で編まれた巾着袋などもあったほどながです。そして、何より長い間、使用しているうちに深まってくる色艶と愛着とは竹でも革でも、全く同じ使う方と同じように育っていく愛すべき道具という点では違いはないがぜよ。


梅干しざるの製造

梅干しざる


梅干しを漬けられちゅう方も多いかも知れませんが、皆様、梅雨明けを心待ちにされゆう事やと思うのです。梅雨があがれば梅干しの土用干しが待ちよります。梅干しを、何となく干す事を知っちょりましても、「日干し」とか「夜干し」がある事はご存じでしたろうか?


いやいや、自分も実は実際に梅を漬けたことも無かったですので知らなかったのですが、梅干しは、梅酢からあげて日中に天日干ししちょいてから、夕方には梅酢に戻すという作業を2~3日くり返すという「日干し」だけでなくて、昼間に3日ほど干した後には今度は昼夜逆転させて、昼間には梅酢に漬け、夜に竹ざるに広げて夜露に晒す「夜干し」があってから、これも3日間するという事だと合計で6日間という間、梅酢から出して並べる...梅干しざるから梅酢に戻す...梅酢から出して並べる...。


これをくり返して行う必要があるそうながです。こうする事により見た目にも綺麗で美味しく、保存性のエイ梅ができるがやき。やっぱりエイものは手がかかる言う事ですろう。


けんど、前に梅干しざるやエビラを何枚かお求めいただいたお客様から、土用干しの様子をお写真で拝見させてもらいましたけんどズラリと規則正しく間隔を置いて並べられた梅が、まっこと壮観と言う言葉がピッタリな位、作られちょりましたちや。あれだけの数を、ただ並べて置いておくだけではなく、毎日並べたり、しまったり繰り返して漬けられる皆様の事を思うたらこうやって一枚一枚手作りさせてもらいよります竹ざるも、竹素材を吟味して、しっかりと丈夫に編み込んでおかねばと改めて、しみじみと思う次第ですぞね。


竹のトランク

竹トランク


大好きな映画に「男はつらいよ」がありますぞね。知らない方はいないのでは?と言うような国民的な映画ではないかと思いますけんど、主人公の寅さんが、いつも旅に持ち歩きよりましたのが革のトランク。


実は学生の頃には、このトランクに憧れて町の骨董品店や屋外の骨董市のイベントを回ったりしちょりました。けんど、たまに見かけても気に入らなかったり、エイと思うて思わず手にとってみたものは、ちっくと予算オーバーでやったりしてとうとう購入する事がなかった覚えがるあのです。


そして、時は流れて現在となっちょりますが、革のトランクを手にできなかった自分の前に現れた。竹職人が遊び心と工夫で製作したのトランク。これが渋いがぜよ。角張った形、頑丈そうなボディ、持ち手。大きさが、もうちっくと大きくてもと思いますけんど、それは贅沢というものやちや。竹の材料と強度を考えたら、最大級と言えますろう。


さてさて、こんな凄いトランクが来ましたきに、今度のお休みには作務衣に竹帽子、足元は竹皮男下駄。手には、このトランクで決めて歩きたいにゃあ。こりゃあ、もしかしたら、あの寅さんも暑い夏場は涼しげに、こんな竹トランク持ちたかったがではないですろうか?そんな事を勝手に思いながらニヤニヤしちょりますぞね。


五角箸の細かいこだわり

五角箸


この竹箸の特徴は2つあるがです。ひとつは、無塗装で仕上げられた自然派のお箸であるという事。竹細工の場合は、管理や耐久性の問題があってからほとんどのものがウレタン塗装など透明な塗り加工をしちゅう場合が多いのですが、この竹箸は自然そのもの。使った後にも取り扱いが、ちくと大変になってきますけんど、最近はこのようなお箸をお求めの方もおられるがです。


実際に使うてみるように手に持ってみるがです。手の感触はナチュラルな感じで温もりがあり、職人の丁寧で真面目な仕事ぶりが指先から伝わってくるようで、まっこと、なかなかエイがです。


竹箸


そして、もうひとつの特徴は、何と言うても五角形という形ぞね。五角形という事から語呂あわせで「合格」と呼んで、合格箸などと言うたりしちょります。五角のお箸は、ちっくと珍しいと思うがです。


ただ、この竹箸の凄いところは、持ち手のところが五角というだけでなくて、細く細くなった竹箸先端部分までが五角形に削られちゅうところ。太くて肉厚な竹材料を縦割りし、少しづつ仕上げられていきますが、この画像で分かりますろうか?持ち手のところから先までを、こうやって美しく削れるというのは熟練職人の技ならではぜよ。黙っちょったら分からない方も多いかも知れませんけんど、こんな細かいところに、竹職人のこだわりが宿っちょります。


竹ビアグラスのレーザー刻印

竹のビアグラス


竹のビアグラスや、そばちょこ等にも刻印のご用命をいただきます。先日は、竹のぐいのみにレーザー刻印させてもらいましたぞね。けんど、まっことコレが刻印してみるまでは何とも思っていなかったのですが、いざ、名入れやマークを入れてみると同じものとは考えられないくらい、こじゃんと格好がエイがちや。お客様にお届けさせていただくために箱に詰めていたものをひとつ手にとって惚れ惚れと見ゆうがです。


「こりゃあ、竹虎のマークも刻印してほしいにゃあ」


その日の仕事が、片付いた頃にちっくとビアグラスに刻印してみます。レーザー刻印は、名入れをする商品によって強さを調整するがです。特に竹など自然素材のものは、同じように乾燥させて、同じように製造しちょりましても、それぞれの個性がありますので同じような感じには打ないがぞね。


この時に何個かに竹虎マークを刻印してもろらいましたけんど、もちろん形や大きさは全く同じですが、竹素材がそれぞれ違いますので刻印の濃さにこれだけの差ができるが事があるがですちや。お箸耳かき等の細いモノに小さく入れる刻印や、虎竹名刺入れなど墨入れするものは同じように仕上がりますが、竹ビアグラスのように淡い色合いの生地に、大きめに文字入れする場合には違いができる事を分かっちょく事も必要ちや。まあ、濃い刻印もパッと見た目には目立ってエイけんど、うっすらと入るロゴマークも、これはこれで渋い感じやにゃあ。


和傘だけの別世界

黒竹番蛇の目傘,作務衣,さむえ,SAMUE,竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI、TAKETORA)


使い込まれた道具は少々へたりがあったとしても、それ自体が味となってから格好がエイものです。20代の頃、母から譲ってもろうて愛用しよった一本の和傘がありました。所々破れたり、穴が開いてしもうて雨が漏ったりしよったけんど、これが、なかなか味となって、どうしても捨てられず結局長い間ずっと愛用しよったがです。


コンパクトになる軽く使いやすい傘は、いくらでもありますし、雨になったら手軽なビニール傘は、どこにでも売りよります。こんな、重たい、かさばる、使うた後の手入れも大変な傘を、どうして、やったろうか?母が大事に使いよった傘やき、そんな思いもあった事は確かですけんど、やっぱり和傘そのものに何もと言えん魅力を感じちょりましたぞね。さすがに出張など遠くに行く時には使えませんけんど、近場で使う分には十分機能的にやし、あの傘を手にしちょったらイヤな雨でさえ、ちっくと心待ちにしたくなるような不思議な気持ちになったがです。


和傘


今回、縁があって高知県特産の黒竹を柄にした、番傘と蛇の目傘の中間のような別誂えの傘を作っていただきましたちや。名付けて黒竹番蛇の目傘。傘を閉じた時には朱色のラインが胴体に映えて、いやいや、こじゃんと格好がエイが違う!そこに立てかけて置いちゅうだけで絵になる和傘ぜよ。もう、これ見ただけで結構しびれてしまうがですが、この朱色は傘の竹骨の細い部分にだけに塗られちょりますので、傘を開いたら、開いたで、傘の表情はガラリと違いますぞね。


蛇の目傘


蛇の目の由来通り、濃紺の色地に白抜きの輪が浮かびあがり、和傘ならではの風情がありますぜよ。もちろん、機能的な事や手軽さ、便利さを考えたら和傘を全面的にオススメできる言う事では無いがです。けんど、和傘には和傘をささないと分からない和傘だけの別世界があるがぞね。48本の竹が頭上に360度広がる別世界。雨に濡れないための傘ではなくて、雨を楽しむための傘という事ですろう。


竹のモビール

竹のモビール


南国土佐は、もうすでに真夏ぞね。暑い、暑い、しかも湿度が高くてムシムシしよります。けんど、こんな猛烈な暑さでもエアコンは抑え気味で少しでも涼しく過ごす工夫は色々しちょりますぞね。その代表が足元の竹皮草履ぜよ。革靴やハイヒールでを脱いで素足になって履き替えるがです。そしたら、まっことウソのように涼しくなるがです。たとえば、デスクワークをされゆう方で、竹皮草履クールビズが許される職場の皆様は、是非一度お試しいただきたいと思うちょります。おっと、それはそうと連日の暑さの中で、思い出した写真があるがです。


竹のモビール


いつやったか若い竹職人さんにお会いさせて頂いた時に、天井から吊り下げられちょった竹のモビールぞね。なんで、今頃になって急に思い出すがかにゃあ?二枚の写真を見ながら、アレコレ考えよりましたけんど、


「なるほど、そうか!」


膝を打ちましたぞねそうそう、このモビールが雪の結晶のように見えませんろうか?カンカン照りの中で、見た目くらいは涼しい気分でとそんな風に感じちょったがです。竹のモビールなどは、あまり拝見する事は無かったですけんど、新しいモノ作りをされる方の感性はいつ見ても楽しいですし、変化を感じて嬉しゅうになってくるがぞね。


赤い逃亡者

ベニカミキリ


「こりゃあ、おまん待ちやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


ついつい声を荒げてしまうがは、あの赤い虫のせいながですちや。知らない方がご覧になられたら鮮やな赤い色合いに、ああ綺麗な虫だこと、やっぱり緑の多い田舎はイイわね...などと、思わず笑みを浮かべながら見入ってしまうかも知れませんぞね。


けんど、実は何を隠そう竹の世界では、ちっくと困った害虫。名前をベニカミキリと言うがです。木と同じようににも竹を専門に食べる虫というのがおりまして、主な竹の害虫はこのベニカミキリとよく似ていて、黄色っぽい色に黒い虎模様が入っているタケトラカミキリ、そして、チビタケナガシンクイムシなどがおるがです。


小さな身体のチビタケナガシンクイムシは、竹笊など細かい竹細工などの竹ヒゴも食ったりするし、本当に小さな小さな虫やのに、その竹を食べるパワーは意外と強力で食べられてしまいやすい旬の悪い竹やったら、大きな竹でもボロボロになってしまう事もある程ぜよ。久しぶりに竹製品を動かした時などに目立った穴もないのに、竹の粉が落ちちゅうような場合はだいたいこのチビタケナガシンクイムシと思って間違いないがです。それに対して今回のベニカミキリは、身体も数センチと大きいですきに竹に空ける穴も大きくて主に身の部分の厚い孟宗竹などを好んで食べますけんど、体長がある分、竹に開ける穴も大きくて、こじゃんと目立ちます。まっこと、やっかいな虫ながです。


さて、今日見つけたベニカミキリも、ちょうど好物の孟宗竹の上。赤い色合いは、すぐに目に付きますきに指で掴もうとしたら、


......スルリ。


こちらの動きを察してか、なかなか敏捷な動きちや。今度こそと思うて指を伸ばしても、


......スルリ。


写真を撮ってたのがマズかったのか、そうこうしている内に竹と竹の間に入ってしもうて見えなくなりましたぞね。ほとんどの竹細工の場合には、これらの虫の害を最小限にするために旬の良い時の竹を使う事や、炭化加工という高温と圧力で蒸し焼きにするなど竹の管理に注意する他にはないがです。せっかくの竹を虫に食われる事には毎回泣かされますけんど、心のどこがでは、まあ自然の摂理やきにと思うて憎みきれないところもあるには、あるがですちや。


虎竹の名入れ箸

虎竹男箸


虎竹男箸は日本唯一の虎竹を使うて漆で仕上げた大好きな竹箸のひとつですけんど、最近ご用命が多いのが、それぞれのお箸にお名前やメッセージを入れる刻印のサービスながです。虎竹はそれぞれが自然の意匠というか、柄がひとつ、ひとつ違うちょりますのでオンリーワンのお箸ですけんど、そこに大切な方のお名前など入れますと、更に特別なギフトとして贈られる方にとっても最高の一品となるがぞね。


明日は「父の日」。世のお父さん方は、なかなか捨てたものではありませんちや。沢山のお名前やメッセージのご依頼を頂戴して、そんな事を毎日のように幸せに感じ、世界でただお一人様のためのレーザー刻印をさせていただきゆうがです。


名入れ箸


そこで、竹虎のせめてもの、お心づくしのサービスとしまして、名入れやメッセージを刻印させて頂きました虎竹男箸はじめ、様々な竹製品をカメラで写真を撮り贈り主の皆様にお届けさせて頂く事をさせてもらいゆうがです。


「お父さんに、どんなメッセージが届いたろうか?」


ギフトの送り先が大切な方ばかりですきに、皆様少なからず、こんな事を思われているのではいなろうか?それぞれ竹虎のこだわりの竹製品、竹細工ではありますけんど、更に、そこに皆様それぞれの温かい思いを込めて全国各地にお届けさせて頂きますので、手間や時間は、ちくとかかりますけんど、喜んでもらる事ではないかと思うちゅうがです。


名入れ竹箸


おっと、刻印サービスについてですうろか?もちろん日本語が多いでけんど、ローマ字や英文などのご注文も最近は増えてきちょりますちや。虎竹の里におったら、さっぱり分かりませんけんど国際化が進んじゅうきですろうか?意外と多いのが海外へのお土産やプレゼントながです。高級住宅街の植栽に少し見られるくらいで、アメリカでは竹はほとんど見る事はないそうで、こじゃんと珍重されますしヨーロッパの方も竹はエキゾチックさを感じていただけるのか、日本から想像する以上に人気があるがです。


現代の日本人も実は竹の事はあまりご存じなくて、ひょっとしたら竹に関して言うたら海外の方と同じやろうか、と思う事もありますので、自分達の情報発信はまだまだ国内が中心ですけんど、日本の竹が、日本の竹として世界に受け入れられる日が来たらこんな嬉しい事はないがですぞね。


伝説の男絶賛の虎竹縁台

縁台


夏の季節商品のひとつに縁台があるがです。日本唯一の虎竹を使うて作る折りたたみ式のもので、祖父が考案してから既に40数年もずっとご愛顧を頂く事ができて製造を続ける事のできゆう竹製品ながです。


冬の寒い時期に虎竹が伐り出されて土場に広げられ、色づきやサイズ別に選別作業があるのですが、この時にすでに虎竹縁台の材料は確保されちょります。だから一年に製造できる台数というのは、一番ご用命のある夏よりずっと前に決まっちゅうがです。


縁台は枠組を沢山作ったあとこれも高知特産の黒竹をズラリとならべて、四万十カズラでしっかりと縛り仕上げていくがですが、山で伐採する職人さん、山出し、選別、虎竹の油抜き、矯め直し、間伐材のヒノキ、竹セン、黒竹の油抜き、矯め直し、四万十カズラ、枠組、仕上げ...。改めて考えてみたら何人もの職人さんの手を経てようやく皆様のお手元にお届けできよります。竹細工は、ひとりで全ての行程をまかない、完成させる事のできるモノも多いのですが、色々な人の手が関わるモノも実はかなり多くて、この行程の、どの部分ひとつが無くなっても商品が出来上がりません。


近年、職人さんの高齢化などで作りたくても作れない商品が増えてきちょります。沢山の方の関わるモノ作りは大きな産業だった時代には、まっこと有効に働きよりましたけんど、今からの時代、代わりとなる若い技術者が育っていない一部分があれば、他のラインが動いていても竹製品は完成せんがです。手仕事を続けていくための舵取りが、ますます難しゅうなってくる虎竹の里。けんど、伝説の男ジョニー・ザ・サーファーも絶賛した虎竹縁台。これからも作り続けていきますぞね。


ビワの里

ビワ


虎竹の里は「ビワの里」と言うてもエイかも知れませんぞね。この辺りは日当たりがよくて温暖なせいか昔から、温州みかんやポンカン、文旦などいろいろな果物の生産地としても知られちゅうがですが、ビワもアチコチで栽培されちょりまして、山の斜面にビワの花にかぶせる白い袋がいっぱい見えて、まるで花が咲いたようにも思えるほどながです。収穫の季節になれば国道沿いの販売所には、美味しそうなビワがズラリと並ぶのも楽しみにしちゅう事のひとつ。安和の虎竹の里は、日本唯一の虎竹だけでなくて何処よりもフレッシュでお手頃なビワが食べられる場所でもあるがぞね。


そうそう、前にもお話させて頂いた事があるかも知れませんけんど、小学校の頃、遠くへ転勤された先生が安和を懐かしんで贈ってくれた唄がありました。講堂で皆で合唱したのは「ビワの唄」。


ビワは優しい果実だから~♪


歌詞まで、まだ覚えちゅうがですぜよ。まあ、今でもビワは買うものではなくてどちからと言えば職人さんや近くの農家さんに頂くものですが、確かに小学校の頃から山に遊びに行けば野生のビワなども沢山成っちょったので、まるで、お猿さんのように木に登って服がビチャビチャになるまで食べよった覚えもありますちや。


さて、梅雨の中休みですろうか?こじゃんと強い陽射しが照りつけゆう南国土佐ですけんど、竹虎本社前にも、たわわに実るビワの木があるがです。お店に並ぶような立派なものではありませんが、そろそろ収穫(?)できるろうかにゃあ。楽しみに眺めゆうがです。


愛農学園農業高等学校

竹ベンチ


先日、愛農学園農業高等学校と言う、日本では只ひとつの私立の農業高校に行く機会があったがです。何とフード・アクション・ニッポンアワード2011大賞受賞するような「食」に対する素晴らしい取り組みをされちゅう学校やったです。農業高校を卒業されたら自然と農業をされるのかと思いよったら、実はそうでも無くて就農率は、こじゃんと低いそうながですが、ここ愛農高校はなんと卒業生の45パーセントが農業をされゆうそうぜよ。これは、専門家の方からしたら驚愕の数字らしいがです。


お米や野菜はもちろんの事、牛や豚、鶏などを飼育されている広大な敷地に自分がお伺いして、まず最初に目についたのは、大きな孟宗竹のベンチぞね。


バンブードーム


面白いものを作られちゅうにゃあと思うて、学生さんには会う前から、こじゃんとワクワクしよりました。そもそも全寮制というのがエイぜよ。自分も明徳で中学、高校の6年間を全寮制で過ごしてこの生活の中で得た事が今の仕事や生き方にどれだけ影響しちゅうか分からんがです。いや、歳を重ねたら重ねるごとに、明徳の教えや体験が、より鮮明に出てくる気がしちょります。恩師の校長先生のお写真を学校から借りてきて、大きな額にいれて会社に飾っちゅうのは伊達ではないがです(笑)


食堂で生徒さん達と同じ食事をさせてもろうたがです。まっこと、美味しくて懐かしゅうて中学や高校の頃の事を、ちっくと思いだして、嬉しゅうてたまらんランチタイムやったけんど、またまた驚く事がありましたぞね。それは、出して頂いた食事の70パーセントが、学校内で生徒さん達が一生懸命生産されたものであるという事。お米、野菜、肉、牛乳...こりゃあ、たまげた、凄い学校ではないですろうか?


竹粉堆肥


学園内には牛舎、豚舎、鶏舎が点在しちょって、案内いただきながら周りを見渡すと所々に竹林が見えよりました。筍を掘りに行ったする事もあると先生が教えてくれましたけんど、身近な素材を活用するというのは自然な事やし、は継続利用可能な唯一の天然資源と言われるほど毎年ドンドン生えるし、加工もしやすいですきに、畑に立てられちゅう立て札などにも使われちょりました。


また、生徒さん達が竹と頻繁にふれあいゆうと言うのは、先の竹ベンチでもそうですし、園内に2つほどあったバンブードームからも伝わってくるがです。このバンブードームも農作物を育てるのに支柱がわりにしたりして利用しているとの事やったですが、歩きながら、そんな話しをしよりましたら、ふと竹の農業利用を研究されゆう農家さんの事を思いだしますぞね。


ここでは竹の微粉末を鶏糞と混ぜて堆肥を作りよりました。果物の生産に使われよりましたけんど、果樹園の土がフワフワで、こじゃんとビックリした事を思い出すがです。もしかしたら、こちらの農業学習にも竹が果たす役割は、まだまだあるのかも知れませんちや。


再会、虎竹人形

虎竹人形


先日の事、とある会社様を訪問させて頂いちょりました。見晴らしのエイ、こじゃんと立派なお部屋に通していただいて高級そうなフワフワの革のソファーをススメて頂きましたけんど、田舎者ですきに、反対に座り心地が悪いがぜよ。なんやら、お尻がモゾモゾしてきますちや。そんな事を思いよったら先様がお見えになって、色々とお話をさせていただくがです。日本唯一の虎竹の話しは必ずさせていただきます。高知県の須崎市の、たった1.5キロの間口の谷間でしか成育しない事。イギリスBBC放送が取材に来られたりあのユニクロさんとのコラボTシャツが発売された時の事。


正直いうて、こんな当たり前の事を話しさせてもろうても、何ちゃあ面白くもなんとも無いと、ずっと思ってきた時期もありました。江戸時代に山内家のお殿様に年貢として献上されよった頃なら、よその藩に行って話す事は御法度やったかも知れませんちや。けんど、珍しい竹で皆様がご存じない竹やと知ってからは、どこにお伺いさせて頂いても虎竹の話しはさせて頂くがです。と、言うより、虎竹の事しかお話させて頂く事はないがです。色々談笑させてもろうた後、


「不思議な竹なんだねえ。一度見てみたいなあ...」


先様が言われますので、


「遠いですけんど一度、虎竹の里にもお越しになられてください」


そう言うて帰ろうとした間際、ふと高級そうな黒塗りのサイドボードの上を見ると、


「あれっ!オマン、ここにおったかえ?」


一同が振り返って見つめる先には小さな竹人形ぜよ。


「ここにも使って頂いちょります、これが虎竹ながです」


ずっと、この部屋に飾られちゅう遠い故郷の竹に誇らしいやら、嬉しいやら、しばらく、言葉にもなりませんけんど、まっこと、まっこと、こじゃんと嬉しい再会をさせていただいたがです。


古い炭籠

炭籠


古い囲炉裏を見つけたので近寄ってみたら、縁のところに味のある古い炭籠があるやですか。これは年期が入っちょって見るからに渋い雰囲気ちや。編み込みが粗い竹籠ですので、内側には和紙が貼られちょります。所々破れたところもありますものの、まだまだ現役で使える感じ。こりゃあ、一体何年くらい前の籠ながやろうか?


竹籠竹ざる等は、そもそも生活の道具で見栄えなどよりも、まず使い勝手の良さや耐久性が一番やったがです。この炭籠も決して繊細な編み込みではありませんでしたが、竹表皮の強い部分を選び、しっかり堅牢に作り込まれた感じぜよ。質実剛健な大和男子のような面構えに見えるのは、籠の四カ所にあしらわれた、こじゃんと幅広の割竹のせい。中に入れる炭の重さを十分に受けとめられるように、との職人さんの配慮だと思うがですがこれが、現代の自分などから見たら珍しいデザインとなっちょりますし、竹の古さがなかったら若手の職人さんが新感覚で編んだ竹と言われても間違えそうな、そんな何とも斬新で格好よく見えてくるがです。


そして、朝に昼に晩に、この竹籠を囲んだ人々の暮らしが少しでも見えて来んろうか?物言わぬ竹かごに、ちっくと話しを聞きたくて囲炉裏端に腰をおろして待ってみるがです。


滋賀合宿「オフラインサミット2013」

21世紀は竹の時代


ああ、遂にあの思い出のラフォーレ琵琶湖に行くがぜよ。2001年の10月27日、28日の合宿が終わってあのホテルの玄関から外にでると、秋の夕日にオレンジ色に染まりつつある、それは、それは、美しい琵琶湖が目の前に広がっちょりました。


川面を渡ってくる風が爽やかで心地よくて、これから自分がやらんとイカン途方もないような長い長い道のりに結構、げんなりしちょりましたけんど、こじゃんと清々しい風に当たって、気持ちが新たに切り替わった、今でいうなら「よしっ!」とスイッチ入ったような気分やったと覚えちょります。だから、自然の力というのは凄いですちや。琵琶湖は凄いがぜよ。まっこと、いつも考え事をするのに頭の悪い自分は、ひとつもまとまらんので、ついつい、日本唯一の虎竹の竹林に足が向きますけんど、これも、まんざら間違いではないがやにゃあ。


さて、今日からラフォーレ琵琶湖で始まる合宿。あの日と同じ週末の土日を使うた2日間、今回も12年前と同じように全国各地からご高名な雲の上のような先生方が集まっちょりますが、その露払いとして自分がトップバッターで講演させていただきます。けんど、実は田舎者の小さな竹屋が、誰かの前で話せるような事は何ひとつないがです。ほやき、今日も最初から言うことは決まっちゃある。ワシの話しはこれだけ。「21世紀は竹の時代」言う事ですきに。


5月30日、日本ネット経済新聞に掲載ぜよ!

日本唯一の虎竹


日本唯一の虎竹の事を何とか沢山の方に知ってもらいたいにゃあ。竹の仕事の事を話したいにゃあ。十数年前までは、そう思うても、自分のような田舎で広告費も何ちゃあない小さな竹屋にはどうしたら告知の方法があるのかもさっぱり分からず、また、同じような志を持った仲間さえおらず、いやいや、仲間がいる事すら知らず、まっこと途方に暮れるような毎日を過ごしよったがです。


こんな竹みたいな仕事やめたいぜよ。言うて、いっつも思いよりましたけんど、そのたびに100有余年の竹虎の歴史、曾じいさんが大阪は天王寺で創業した竹屋からはるばる遠く離れた土佐の虎竹の里の竹との運命的な出会い、その背中を追うてきた祖父や父の思い、そして、何より海外メディアも取材に来るようなここにしか無いという虎竹の存在。どうしても、いくら売れなくても、やめたくて、やめたくておれなかったのに、どうしても、虎竹から離れる事はできんかったがぜよ。


高知合宿


強運やにゃあと、いつも思うのはインターネットの出現と、素晴らしい人との出会いです。机に座って誰かの話を聞くとか、勉強するとか、正直いうて、ずっと馬鹿にちょりましたぞね。


そんな事で何か変わるがやろうか?


けんど、違うた。特に一晩泊まりがけで開催される合宿形式の学びの場は、濃密な時間が更に深まってずっと記憶に残る。時には人の運命を変えるような事もあるがではないろうか?自分がそうやったように。だから、合宿には重きをおいちょりすぞね。5月30日の日本ネット経済新聞に掲載いただいた高知e商人養成塾の合宿は、今年で7年目となるがです。


そして、この高知の田舎ではじまったネット商人の合宿が、昨年あたりから宮崎や滋賀でもはじまって、こじゃんと嬉しゅうに思うちょりますが、明日からの滋賀合宿は竹虎の運命を変えたとも言えるあのラフォーレ琵琶湖で開催されますぞね。12年ぶりにお伺いさせていただく、あの湖畔のホテルいったい、どんな出会いが待ちゅうろうか?


思い起こしたら2001年の10月27日は、あのホテルの玄関に到着するなり作務衣姿やったもので近くのお寺のお坊さんと間違えられたがです。思わず笑い出しそうになるようなハプニングからのスタートやったけんど、本当は、暗い、どん底のような気分での勉強会のはじまりやったちや。インターネットの大海に迷い、今日は又知らない人ばっかりの人波に迷うちゅう。そんな感じやったぜよ。まっこと、あの日の事は、まるで昨日の事みたいに覚えちゅう。けんど、あれから12年今はただ、沢山の出会いに、感謝するだけちや。


竹ワインクーラーと嬉しい再会

竹のワインクーラー


は日本国内だけでも660種類もの竹があると言われよります。だから、エンピツのような細さの竹から、直径が20センチ近くて数メートルの短さに切ったものでさえ、普通の方やったら重くて担ぐのが、なかなか大変なほどの大きな大きな孟宗竹(もうそうだけ)まで様々ながです。それぞれの竹に特徴があってから、その良さを活用した商品作りがされよりますが、この太い孟宗竹は直径のサイズを利用して竹器として色々な竹製品に利用されゆうがです。竹虎でずっと長く扱いよります竹のワインクーラーは、孟宗竹の中でも直径の太いものだけを厳選して十分に乾燥させてから削りだし、塗りをして仕上げられちゅうがですが、実は先日、こじゃんと嬉しい出会いがあったがです。


自分は田舎者ですきに、あまりお店に出かけて食事をする機会などはありませんけんど、たまたまお伺いする事になったレストランで厨房や、働かれるスタッフの方は気になりますので何気に見よりましたら、なんと、なんと、遠くのカウンターにズラリと並べられちゅう見慣れたワインクーラー!思わず駆け寄ってみましたら、やっぱりそうですちや。虎竹の里から届けられていった竹ワインクーラー達が元気に働きゆうではないですか!


まっこと、こじゃんと感激しましたちや。竹は風合いが抜群によい代わりに、乾燥などによって割れなどが出来てしまいますので他の素材に比べて管理が難しい素材ながです。高知から遠く離れたお店でで、こうやってご愛用いただきゆうとは、一流のプロの方にも認められたようで、思わず笑顔がこぼれるがです。あんな遠くまで...帰社して社員に話していたら、


「遠くと言うたら、ロンドンのレストランの注文きちょります...」


デリケートな竹素材を上手くお使いいただけるろうか?ちっくと心配もしながら日本から旅立つワインクーラーにエール贈りゆうがです。


凄い竹炭

竹炭


竹炭が、こうやって沢山の方の支持をいただけるようになっちゅうのにはいくつかの理由があるかと思うがですが、その理由を簡単に挙げさせていただきますとひとつは、備長炭などに比べて消臭効果等、効能の高さ。もうひとつは、竹が成長力が強く、継続利用可能な唯一の天然資源だという事。このふたつやと思うがです。


南国高知も実は昔から土佐備長炭として、良質の炭の生産地として知られてきた土地柄ながです。けんど、炭の利用方法が燃料という事よりもその他の用途に重きが移るにしたがい、竹炭へ関心をもたれる生産者の方も増えてきちゅうがです。ただひとつ難点があるとしたら、竹が空洞やと言うことですろうか。だから同じ窯の大きさだとしても木炭に比べて焼き上がる量に違いができてしまいます。そこで、竹炭を焼く場合には、竹を均等に割り、しっかり窯立てして出来るだけ効率良く焼き上げるように工夫されちょります。


けんど、竹は節があり、空洞になっちゅう所に良さがある...。自分もどちらかと言うたらそう思うちょりますが、同じように考えられる方もおりまして、丸竹炭と言うて、丸い自然の竹のままを竹炭に焼き上げる事もしゆうがです。ところが、これがなかなか難しい技術で、竹の性質も一定ではありませんきに、熟練の竹炭職人さんでも失敗することもありますし、割れやヒビが入りやすく運搬にもこじゃんと気づかいが必要ぞね。


けんど先日、届けていただいた丸竹炭は良かったですちや。丸竹のまま焼き上げちょりますが、手に持った瞬間に質の違いが分かるような丸竹炭です。高温窯で焼かれだけあって硬くかなりしっかりしちょります。両手に丸竹炭を持って叩きあわせるとキンキンと、甲高い心地のよい音が響きますちや。中が空洞になった竹やきに余計ですろうか。嬉しゅうなって早速丁寧に水洗いして竹籠に入れましたぞね。竹炭はこうやって眺めゆうだけでもエイものがです。


夏の白竹

白竹手提げ籠


温暖化や都市熱などと言う事を聞きますけんど、エアコンのなかった、その昔、夏は今以上に暑かったと思いますぞね。だから、自然の力を借りて涼を楽しむ工夫がされて来たし、暑い季節を楽しむ文化も育まれたように思うがです。食欲がなくなりがちな時に竹の器を使うてきたのも、そのひとつ。夏の暑さで寝苦しい夜のために、竹の寝ござや、抱き枕、竹まくらなど、まっこと竹製品は色々と活躍してきたがですぞね。白竹や青竹を夏に多用するのは竹の持つ独特のヒンヤリとする感触、見た目の清々しい心地よさ、肌と目と両方から涼しさを運んでくれるからながです。


竹帽子


現代はも、こじゃんと(とても)多様化しちょりますので、夏だから、冬だからという季節感も以前よりは少なくなったぞね。夏でも黒染めの手提げを使いますし、冬でも晒し(白竹)のバスケットを持って行きよります。


けんど、今日は久しぶりの梅雨の晴れ間に誘われて、持ちやすいように特別に藤巻きして頂いた、職人さん自慢の手提げ籠に大好きな竹帽子をかぶって行きますぞね。前日までの雨のせいですうろか?緑の草木の香りが一段と濃く初夏の風に運ばれてきますちや。久しぶりに戻ってきた、南国高知の強い陽射しを通気性抜群の竹帽子で遮りながら、カエルの鳴く畦道を歩きよりますと暑い季節を、ちっくと楽しめそうなに思えてきて、本格的な夏の到来を心待ちしたい気分になってくるがぜよ。


虎竹網代ミニ弁当箱の試作

虎竹網代ミニ弁当箱


先日、たまたま若者向けの量販店に入ったら、色とりどりのお弁当箱が目についたがです。これはカラフルやちや!まっこと、凄いにゃあと思いながら近づいて手にとってみますと、素材なども色々で機能的にもスグレちょって、お昼が楽しみになりそうやにゃあと感心してしもうだがです。


「弁当男子」などと言う言葉は随分前の事なので、近頃はどうながやうろか?と思いよりましたけんど、この様子ではもしかしたらお弁当箱の人気は相変わらず続きゆうがですろうか?町に出たらコンビニもお弁当屋さんも沢山ありますきに、困ることはないのかも知れませんがお弁当は作ってもらうにしても、自分で作るにしても安く、美味しく、食品バランスも考えることができる健康にもエイし大賛成ながです。


まあ、竹虎の竹弁当箱については、世の中でお弁当が人気でも、流行と言われちょっても実はあんまり関係がない感じながです。マイペースでコツコツとさせて頂くだけながですけんど、最近、白竹網代ミニ弁当箱のサイズを日本唯一の虎竹で編んだ小さい虎竹網代弁当箱を試作しちょりますぞね。いつも愛用しよります、お弁当箱に入りきらなかったプラス一品や、フルーツ、デザートなど、今日は、これでは少し物足りないなあ...と、言う日にお使いいただけそうなミニ弁当箱。小さくとも、細かいところまで、しっかりと編み込んで、角には藤巻きをキチンとしちょります。


「カワイイ~~~~~~~~~~~~~~~!」


お友達が見つけたら、思わず歓声があがるような小振りのイケメン連れていったら、ランチタイムのヒーロー、ヒロインが誕生しますぞね。


竹のない人生なんて無い。(NO BAMBOO NO LIFE)

竹のない人生なんて無い。(NO BAMBOO NO LIFE)


最近は毎年のように年賀状に合わせて動画を作らせてもらいよります。去年2012年の動画は辰年という事で、自分が独眼竜正宗にふん装して撮ってみました。社員一同が参加して作りあげました力作(?)すでに再生回数が何と3400回を超えるちょりますちや。まっこと、このような動画を自分たちで撮り、簡単に編集できてそれを多くの方に無料でご覧いただけるとは、何と言うエイ時代になったがやろうか?


インターネットの登場によって世の中は、こじゃんと変わりましたちや。地域を飛び越え、国を飛び越え人と人を結びつづける流れは、これからますます顕著になりますろう。つくづく感謝の気持ちでいっぱいになりますぜよ。よかったらコチラからご覧いただきたいがです。
竹虎2012年年賀状


先日、久しぶりにこの動画を沢山の方の前で披露させていただく機会がありましたぞね。竹虎の事を知って頂きたいと思うて作った動画です。けんど、鎧を身につけて踊りゆうだけですきに、竹虎の事を知っていただけるとは思うちょりませんが、最後の最後に入るこの言葉。


竹のない人生なんて無い。(NO BAMBOO NO LIFE)


自分達は田舎の小さな竹屋ですきに、ここの虎竹でずっとやってきたようにこれからも、竹でやっていく事しかできませんちや。


竹のない人生なんて無い。(NO BAMBOO NO LIFE)


まさに、この言葉通りやと思うちゅうがです。自分達は、こじゃんと幸せな事にたまたま竹に出会う事ができました。そして、竹で皆様のお役に立ちたいと思うちょります。


竹のない人生なんて無い。(NO BAMBOO NO LIFE)


まっことエイ言葉ですちや。