カートにジャストサイズのバスケット

白竹バスケット


皆さん、スーパーマーケットは良く行かれますろうか?あのスーパーと言うのはお客さんが歩かれる流れを考えて作られちゅうようです。「動線」と言われるそうながですが、まず多くの方が通られる入り口には野菜売り場があって、それから鮮魚コーナーがあり、精肉があり、おかずなどがあり、一周すると夕食の献立が何でもできるように効率よくお買い物できるように、こじゃんと(とても)考えられちょります。


そんな売り場には、野菜であったり、魚であったり実に様々な色とりどりの食品や品物が並んじょりますきに実はワシは、スーパーでの買い物が結構好きながです。日曜日には、かなりの確率でカートをついてスーパーをブラブラと歩くのが楽しみぜよ。おっと、こう言いますと毎日お買い物されゆう主婦の方からは、一体何が楽しみなの?と思われそうです。まっこと、まっこと、その通りちや。毎日、毎日、今日は何を作ろうか?と、ご家庭の料理の事を考える皆様は大変やろうと思います。ワシは、たまに気が向いた時に来るきに楽しみやとか、気楽に思うのかも知れませんにゃあ...。


まあ、けんどそうやってスーパーに来てカートをつきゆう時に考えたバスケットがコレ、白竹八ツ目バスケットながです。よく行くスーパーさんのカートの下にピッタリ入るように職人さんに作ってもろうた買い物カゴぜよ。レジを済ませた後はレジ袋はもらわずに、そのままこのバスケットに移し替えます。休日のスーパーの駐車場はいっぱいやきに車でお買い物に来られる方も多いはずです。買い物した荷物は後部座席や荷台に置かれると思いますけんど、このバスケットは車での移動にも底を広くして置いた時に安定感があるようにしちょります。毎日の買い出しがびっくと(少し)でも楽しゅうになったらエイがぜよ。


再会する楽しみ

竹出荷


先日は、長い間竹虎で働いていただいてもう数年前に退職されちゅう職人さん久しぶりに会う機会があったがです。いろいろ話をしゆう中で、当時何人かおりましたトラックの運転手さんの話にもなって、10トントラックに次々に竹を積み込んでいた頃を懐かしく思いだしたがぞね。


そもそも10トントラック言うたら荷台が高いがです。その上に竹をどんどん積み込みますきに、積めば積むほどカサが高くなって、3人がかりで竹の束を放り上げてトラックの荷台には2人いて引き上げる、そんな積み込みの仕方もしよりました。1車積み込んだら半日ばあかかりよった。別に夏の暑い日で無くても汗でグシャグシャになりよったちや。


けんど、自分らあの竹が遠く県外に運ばれていくがやと思うたら不思議とあまりしんどさは感じんかったにゃあ。びっくと(少し)でも多く積みたい、もう一束積めるろうか?もう一個積めんろうか?そんな風に思いよったぜよ。今は竹の出荷というても大型トラックに積み込むような事は、ほとんど無くなって小口の発送が増えましたけんど、全国の色々な場所にお届け出来るようになりましたきに、これはこれで皆さんに喜んでもらえちゅうがやと嬉しゅうに思うちょります。


たまに、都会に出かけて行った時虎竹や黒竹が室内装飾に使われているのを目にします。そうそう、この前東京のデパートさんのレストラン街でもそうやった。


「ありゃあ?これは、ウチから送った竹やないかよ?」


近づいて、なでてみて...おっと、店の人が不思議に思うて見ゆうちや。そおっと手をひっこめます。おおの、めんどい(恥ずかしい)にゃあ、まっこと。けんど、まあ、虎竹の里の竹たちに再会する、そんな楽しみはありますちや。


100年続く感銘

渡辺竹清作竹皿


たまにガラスケースから出して眺めてみる竹皿があるがです。祖父の代からずっと懇意にさせてもろうちょってワシも近くに行ったら必ず工房にお邪魔させてもらう竹工芸家、渡辺竹清先生の作品ながです。


いっつも言いゆう事ですけんど渡辺先生は何とあのニューヨークにある超有名宝石店T社に竹のパーティーバックを提供しよった事で有名な巨匠ぜよ。この竹皿やち、じっくりご覧いただいたら分かりますけんど細かい竹の編み目が、まるで波模様になっちょりますろう?さざ波のようにも見えて何とも繊細で美しく見れば見るほど魅了され引き込まれそうになる、そう、こじゃんと(とても)幻想的でさえあるがです。


前にお話をうかがった事がありますが渡辺先生は作品を創る前に、この網代編みの模様が頭の中にハッキリとイメージされちゅうそうです。だから、紙に書いたりする事もなく編み込んでいって完成したら自分の考えた通りの模様が表れると言います。まっこと(本当に)こんな複雑な模様やに凄いの一言ちや。


先生が好んで使われる竹は煤竹というて昔の囲炉裏の煙で燻された100年も150年も前の竹。茶華道でも珍重される素材で、これから年々少なくなってきますきに竹自体にも価値がありがぞね。竹に縛った縄目の跡が濃淡として現れ表情となっちゅう、この高級感あふれる渋い風合いは煤竹ならではのモノぜよ。


日本の風土と時間が生み出した最高級の竹素材と渡辺竹清先生の世界が認める匠の技との共演、そしてそこから生み出される一つ一つの作品達は、煤竹が屋根裏で100年、150年と人々の生活を支えて見守ってきたと同じように、これから先、ずっとずっと受け継がれていき多くの人に感銘を与えていくがです。


玉入れ籠の職人

玉入れ籠


「まあ、運動会で子供らあの元気な姿を見たいばいの事よ...。」


玉入れかごを編む手を休める事なく職人さんが言います。ラジオを聴きながらこちらを見て話もしながら、それでも手は、別の誰かが動かしゆうかと思うばあサッサカ、サッサカと動きよります。最近は竹製以外のものも色々とあるようですけんど、そりゃあやっぱり玉入れ競技は本物の竹篭ぞね。どんどん移り変わっていく事はエイ事かも分からんけんどいつまでも変わらん事も大切やないですろうか?


「いやいや、若い時みたいにはイカンけんど」


運ばれてきた1本の竹が大きく割られ、小さく割られ竹ヒゴとなり、竹籠となる。当たり前のようにずっと続けてきた伝統の技が、これからもずっと見ることができたらエイにゃあ。竹に新しい命が吹き込まれる作業場でひたむきに竹と向き合う職人さんを見ながら思うがです。


浅くなり、深くなる下駄

虎竹右近下駄


ちっくと履きすぎたかも知れんけんどまだまだ捨てるらあ、とんでもないがぜよ!確かに新品の虎竹右近下駄と比べたら、明らかにちびちゅうのは分かりますけんど、日本唯一の虎竹を贅沢に使うた匠の技が活きちゅう下駄。正直、仮に履くことがなくなったとしても一生捨てる言う事はないろうにゃあ。


実は、虎竹右近下駄は同じようになった下駄が3足ほどありますし虎竹男下駄も3~4足履き慣らしたものがあるがです。どれも、底はちびちょります。虎竹男下駄などは歯下駄やきに片ちびして左右で高さが微妙に違うたりしちゅうちや。けんど、綺麗に貼りつけられた竹が履くごとになんかエイ色合いになってきますきに、底が浅くなるにつれてますます愛着は深くなっていくがです。


インターンシップで行く白木果樹園

白木果樹園


インターンシップ初日には土佐市にある白木果樹園さんに行ったがぜよ。ここは、ワシの中学の時からの同級生がやりゆう文旦農家さんで、なんと農林大臣賞を2回も受賞しちゅう。竹虎も日本オンラインショッピング大賞を2回受賞やき負けてはおらんけんど、とにかく、ここの白木は文旦が凄いがちや!文旦園の前には「土佐文旦発祥の地」いうて石碑が建っちゅう!地元でも味と品質でこじゃんと(とても)と有名で、知らん人がおらんような果樹園ながです。そんな白木果樹園でさっそくコンテナに腰かけて勉強会ちや。


白木園主


文旦ジュースやアロマオイルなどの新製品や。文旦のオーナー制度やら新しい取り組みを次々と考えて、白木君の目は遠く地域の活性化をじっと見つめちゅうがです。どうです、目が輝やいちょりますろう?腕組みした腕がたくましいですろう?


文旦畑


園内を案内してもろうて夏文旦という夏に食べることの出来る文旦をもいで食べさせてもろうたがです。なんとなんと、ワシの知っちゅう文旦と違うて果汁があふれちゃある、ジューシー!ジューシー!ちや。


夏文旦


びっと暑い中を歩いてから冷蔵庫にヒンヤリ冷えちゅう夏文旦と小夏を頂きます。こりゃあ、凄い!!!!!まっこと(本当に)これを知ったら、ジュースが飲めんなるはずぞね。白木君の文旦や地域にかける思いを、じっくり聞かせてもろうて美味しい果実をいただいて、こんな幸せが学生の皆さんに本当の意味で分かるがは、もしかしたらまだ少し先の事かも知れんにゃあ。


(夏文旦に向かうて)オマンくの社長さんは立派やのう、オマンらあも幸せやろうがよ?ワシも、安和の虎竹達にそんなに思われるように、もっと、もっとやらんとイカンちや。


2011夏のインターンシップ

インターンシップ


竹虎では今年も夏のインターンシップが始まりましたぞね!インターンシップ言うのは学生のみなさんに竹虎に来てもろうて、ここにしかない虎竹を見てろうたり、自分らあのやっている仕事を体験してもろうたりして竹虎をこじゃんと知っていただくエイ機会になると思うちゅうがです。


竹酢液


朝礼終了後、向かうたのが日本唯一の虎竹の竹林。到着して、まずすることが水で薄めた竹酢液。ええ?竹酢液で何をするがやろうか?実は、これでプシュープシューとしょったら、なんと、なんと、ヤブ蚊に刺される事がないがです!この時期の竹林はヤブ蚊がとにかくいっぱいやきこの竹酢液防虫対策は絶対必要ぜよ。


なんです?ああ、市販の防虫スプレーですか。ワシは肌が弱いので、できたら自然なこの竹酢液がエイがちや。まあニオイは好き嫌いがありますけんど、今回の竹虎体験やきに、まずは竹酢液でプシューぞね!


竹矯め職人


竹林に行った後は、とうとう、とう言うか、遂に、と言うか、この道60年という長い職歴になった竹矯の職人さんの所に行くがです。


黒竹


「アチチチチチッ...」


ガスバーナーで炙ったばっかりの黒竹を触って熱さにビックリ!


「こんな熱さにしたら、あの硬い竹も自在に曲がるがや!?」


竹の甘い香り、炎の音、扇風機からのなま暖かい風、こんな体感が竹虎のインターンシップながです。


ヒシギ


長い間、内職をしてくれよります職人さんの所にも見学にいきました。今日は袖垣の部材である「ヒシギ」を作ってくれよります。タンタンタン...、タンタンタン...。黙々と虎竹を叩くおばちゃんの姿。先が鋭利になった金槌が仕事を何年も続けるうちに短くなってくる。そんな話に真剣に耳を傾ける学生さんたちに内職のおばちゃんはどんなに見えよりますろうか?


竹編み職人


竹ざるを編みゆう職人さんも見てもろうたがです。「手作り」口で言うたら一言ながですが、実際見てはじめて竹の手仕事がいかに手間がかかるか、びっくと(少し)分かってもらえたように思います。


見学の後、職人さんのキズだらけのゴツゴツの手を見て皆さんが感激しよったけんど、ワシはそれを見て感激したぜよ。


職人の五本指

腕時計


今でも竹の事は知らないことばっかりやけんど、入社したての右も左もさっぱり分からなかった頃、それでも仕事をまかされて職人さんと山へ入りよりました。みなさん、山へ入ったら時計はないがですよ。そうです、ご存じの通りぜよ。今みたいに携帯電話らあなかったし時間を知る術がないがです。


ええ?太陽の動きで分からんか?まあ、朝、昼、夕方ばあの事は分かりますけんど...。


ええ?切り株の年輪で分かる?そりゃあ、オマン、方角やろ...。


まあ、そんなんで時間を知るのは腕時計が頼りの綱ながですが、竹屋の仕事は炎天下でも、雨の中でも、風が吹いても外でガンガンやるがです。水、ホコリ、衝撃...。時計が狂う要素がいっぱいで、実は一回、山に入っていて1時間も時計が遅れちょって、会社に帰って来たら宅急便の時間に間にあわずお客様への荷物が送れなくて、こじゃんと(とても)づかれた(怒られた)事があるがちや。


腕時計を買うてはダメになり、買うてはダメになる。その繰り返しで時計を何回買い替えたか忘れるばあやった。そんな時に出会ったのがこの時計ながです。ワシはブランドには全く興味がないきにローレックスというこの時計の事も知りませんでした。けんど、このメーカーの王冠のマークを「実は、職人の五本の指を表しているのです」こう聞いた瞬間に買うことを決めたがちや。ずっと竹虎の仕事をしてくれゆうおばちゃんの手を思い出したきに!


ところが、値段を聞いてたまげたが違う。なんじゃあ、そりゃあ~~~~~~~高いにゃあ!よう買わんぜよ思いよったら、たまたま知り合いがどこやら海外へ旅行に行くゆうきに、免税店やったら安いと教えてもろうて頼んで買うてきてもろうたがですきに。


買うてきたもろうた時計を腕に付けてみたなかなかエイ!一つの金属の塊をくり抜いて時計にしちゅうだけあって防水機能もバッチリやし時間も狂うこともなくなって、まっこと(本当に)助けてもろうて来たぜよ。


雨の日、風の日、晴れた日、暑い日、寒い日、笑うた日、泣いた日。一日も腕から離れた事がないきに、まっこと(本当に)色んな事があったちや。


そうぜよ、思うたら、あれから24年経つ。


虎竹コースター

虎竹コースター


面白いコースターが出来そうなと聞いて楽しみに待ちよったら、こんな虎竹コースターが出来上がってきましたぞね。ただ、虎竹を割って並べちゅう言うたらそれまでやけんど普通の竹やったらサマにならんコースターじゃあち、こうやって虎模様を活かした作りになったらどうですろう?自然そのもののデザインやきにゃあ、確かに竹を割って並べちゅうだけですけんど虎の風合いが効いちょります。渋さが違うぜよ。


なんと言うたちイギリスBBC放送も取材に来た虎竹ちや。ここまで竹の表皮の美しさをそのまま多用できるのは100年も前の民家の天井裏に使われちょった煤竹の他には、そう、虎竹ばあしかないがやないろうか?まっこと(本当に)、竹虎の工場から虎竹の古里、焼坂の山並みを見るにつけ、虎模様の不思議さをいっつも思うがですちや。


時代を早足で駆けた気分

読売新聞取材


まっこと(本当に)嬉しい事に、こんな田舎やのにたまに取材に来てくれる方がおるがです。昨日、お越しいただいたのは読売新聞社の方ぜよ。なんでも全部で4つの記事にするという事で、初代宇三郎の事から現在まで117年分を、こじゃんと(とても)詳しく聞いてくれるがです。


あんまり熱心に聞いてくれるきに、曾じいさんが明治27年に大阪天王寺で創業した頃の事、ここ虎竹の里で曾ばあさんと出会うた事、祖父の出兵と、疎開、昭和26年の株式会社設立、高度成長期の24時間操業...。祖父から、祖母から、父から母から、いつも聞いてきた竹虎の歴史を話をさせてもろうたちや。


そしてワシの小学校低学年の頃の竹虎展示場開設。地元で虎竹を生産する沢山の職人さんに自分達の竹が全国でどんな製品になっているのか見て欲しい。そんな二代目義治の思いから出来たもんやったがですが、これは今思うたら結構画期的な事やったかも?


ほんでから..ああ...あれも、これも...びっくと多いにゃあ。


竹にこだわってきた竹虎の成り立ちから移り変わりを、ここに書き切れないほどの事を話させていただいて時代を早足で駆けてきたような気分やき。けんど、記者の方は凄いぞね。ワシのまとまってない話をサラサラと次々にメモ書きしていくやいか!どんな掲載になるか、またたま楽しみが増えましたぜよ。


黄金時間回復装置

虎竹縁台


もう数年前のことですけんど、東京から来られた雑誌の記者さんがご覧になって「黄金時間回復装置」と呼んだ虎竹縁台。最近は、こんな別誂えのサイズの注文も多いがです。飲食店さん等のお店で使われたり、個人のお客様やったらマンションのベランダで使うてもろうたり。色々やき大きさも様々になるがやろうかにゃあ。まっこと(本当に)ありがたいぜよ。


ワシの小さい頃はカラスがカーカー鳴いて陽が焼坂に沈んだらまだまだ明るいがやけんど、近くのおんちゃんは上半身裸になって団扇片手に夕涼みするのが普通やった。


今でも目を閉じたら思いだす、ヒグラシが鳴きよった...。


土間で使いゆう赤いビニール張りの椅子を納屋の前において、ボッーと黄金色に染まった田んぼの遠くを見ていたあのおんちゃん。みかん箱に腰をおろして、ランニング姿でタバコをくゆらしよったあのおんちゃん。


あのおちゃん達は、いったい何処にいったぜよ?


そう思いよってふと我にかえったら、どうぜよ、ワシがこの虎竹縁台に腰かけてTシャツぬいで涼みゆうちや!何ちゃあない、あの頃のおんちゃんは、ココにおったがぜよ。


時間という「職人」

竹籠


この竹かごは一目でエイと思うたちや。まあ、近くに行って、持って、触って、なでて、けんど遠くから一目見た時から気に入っちょりました。人も最初の何秒かで、ほとんどの印象が決まるそうやけんど竹かごも同じやにゃあ。


何に使うち?何でもエイがちや。洗濯かごにもエイし、野菜かごでも、マガジンラックでも、けんどいずれにしてもこのサイズやったら超の付く大家族か、運動部の合宿所でもいけるろうかにゃあ...?この竹かごは磨きと言うて竹の表皮を薄く削いだ竹ヒゴを使うちょります。これが、又エイがぜよ。


磨き竹かご


磨きの竹細工は使いゆうごとに、まるで成長しゆうみたいぞね。竹の色合いが徐々に濃ゆく赤らんでくるがやき、この竹かごやちもう何年前に作られたものかも分かりませんけんど最初の青々とした竹ひごの時と比べモノにならんような存在感、古くなっちゅうにかえって価値があるちや。ワインか、骨董品みたいやにゃあ。けんど、ホンマやきに


古い竹籠


さらに、一体いつの籠が分かりませんけんど古いお家で使われよった言う竹かご。実はワシが大事に持っちゅう竹細工の一つぜよ。昔々のものみたいですが、まだまだ使える程しっかりしちょります。この縁巻きなどご覧ください、赤茶になって輝きよりますろう?何か塗料でも塗って磨いちゅうワケではありませんぞね!時間という「職人」が自然がこんなツヤを出しちゅうがですきに、触ったらツルツルしちょります。


一体どんな家で使われよったろうか?どんな方が使われよったろうか?ツヤツヤと飴色の輝きを放ちだすモノを言わん竹籠、けんどオマンを見たら分かるぜよ。大切に、大切に使われてきたがやろう、嬉しかったろう、楽しかったろう。


幸せもんが、ここにおるがぜよ。


モダンな三段弁当箱

白竹三段弁当箱


お盆休みは皆さんどこか行っちょりましたか?ワシは、どこにも行けんかったですがこの連休は久しぶりに店におる事ができましたので、北は岩手県から南は鹿児島県まで、まっこと(本当に)遠くからのお客様にお会いする事ができて、そして、それぞれのお国言葉も聞かせてもろうて、どこにも行かんかったけんど色々な土地に行ったようなそんな気持ちにさせてもらう事ができたお盆休みやったがです。


まあ、けんど行楽の季節、お店に来られたお客様の中にも竹のピクニックバスケットを実際にご覧になられたいと言われた方が数組おられましたが、ご家族で行くやったらやっぱりコレぜよ、白竹三段弁当箱


三段重ねになってますが、持ち運ぶ料理が少ない時など二段目をのけておいて三段目を一段目の上にする事もできますぞね。カチリと正確にはまりこむ作りの丁寧さ美しさは、正直この価格では安すぎやと思うほどながです。一段目の通気性も考えた四つ目編みの涼しげなあしらいが重厚になり過ぎず昔ながらの竹弁当にモダンな雰囲気もプラスしちゅう。こんな竹弁当がいっつも近くにあるち幸せやにゃあ、いよいよ見れば見るばあ惚れ惚れするがちや。


虎竹ひしぎ

ひしぎ


一本の丸竹にナタで割を入れてから、片方が鋭利になった専用の金槌で叩きのばして一枚の板のようにして竹ひしぎは出来るがです。何に使うち?室内装飾に使うこともあるそうやけんど、これは、ウチでは袖垣の飾り用ちや両面に使うがです。


ワシが竹虎に帰って来た20数年前には本社から車で15分ほど離れた所にも作業場があって、多い時には10人もの内職さんが毎日毎日このひしぎを叩きよりました。作業場にトラックで材料を届けにいくと、いつでも竹を叩く音と笑い声が聞こえてきよった。道路の拡張工事があって、この作業場がなくなってからはそれぞれのおばちゃん達が自宅の納屋などで仕事をしてくれるようになったぞね。


虎竹ひしぎ


本社に持ち帰ってきた、竹ひしぎはこうやって台車にのせて運んでいくがちや。それにしたち竹を叩いてのばすいう地味な仕事をずっと続けていただく内職の皆さんにはまっこと感謝ちや。おっと、このひしぎも、こじゃんと(とても)綺麗に仕上げちゅう。最初はもちろん、どれが綺麗で、どれがそうではないか全く分からんかったけんどひしぎを見たら誰が叩いたものが一目で分かるようになるきに、まっこと仕事よにゃあ。


竹の道はまだまだ続きますぞね

竹炭職人


「おんちゃん、歳はいつくになったぞね?」


猛暑の中、窯から竹炭を出してきてくれた職人さん、まだまだ若い者には負けんきのう、そんな顔つきでニヤリ...。日焼けした顔、張りのある声、たくましい腕。まっこと、ビックリするほど元気ぜよ。


けんど、待てよ......ちょっと考えてみたがちや。竹虎は田舎の小さな会社やけんど、それでも頼りにしてくれちゅうこの竹炭職人さんみたいな方がどれっぱあおるろうか?経済的な事だけや無いぞね、仕事のやり甲斐や生き甲斐をもしかして竹虎の仕事で感じてもらいゆうとしたら?


そうよえっ!このおんちゃんの活き活きした表情見てみいや、まだまだ働きざかりよえ。「青春」は年齢の事では無くて心の持ちようの事やと聞いた事がありますけんど、そういう意味では、まっこと(本当に)青春真っ盛りやないろうか?そう考えたら、こんな弱いワシやけんど、どうせ他の事は何ちゃあ出来んがやき、もし役にたつがやったらコレにかけてみちゃれや!そう思うことができるがぜよ。


ワシが頑張ることで社員はもちろんやけんど、虎竹の里で働く人たちや、竹に関わり生活する職人さん、そのご家族と考えたらいったい何人の方にお世話になっちゅうがやろうか?そして、どれだけの方に笑顔を届けることができるがやろうか?


おじいちゃんよ、上から見てくれよりますろうか。


ワシは、まだまだやらんとイカン事ばっかりぜよ。


もっと、もっと、もっと、もっとじゃあ。まだ暫く行けんけんど待ちよってや。


夏に思い出す虎花かご

虎竹花かご


セミがミンミン、ジージーと賑やかやにゃあ、朝から皆で大合唱しゆうぜよ。そんな夏の日になんとなく思い出した虎竹花かごがあるがです。もう、20数年ばあ前になるろうか?専務が虎竹を使うて製作した花かごです。直径が50センチ高さが75センチもあって、オトシだけでも55センチも長さのある竹を3本も束ねちゅう。花を投げ入れするやったら大振りな木の枝などを大胆にいれられそうなくらいのなかなかの大作ぜよ。


うーーーーーん、けんど、形といい色合いといい、こりゃあ、なんとなくセミやにゃあ。虎せみ篭と言うてセミの形を忠実に模倣したような掛け花かごはありますけんど、この花かごは形がちがうようで、なんとなくこの季節になったら気にかかる花かごちや。年々、虎模様も微妙に変化しながら本店の片隅に鎮座しちゅうがです。


8月12日快晴

虎竹襖


よさこい祭りも、いよいよ今夜の後夜祭を残すのみやにゃあ。ワシも中学からずっと踊りよりましたきに、この季節になったら妙に身体がうずく、うずく。けんど、壮観ぜよ、あの乱舞。どれっぱあ、壮観かと言うたら須崎の道の駅「かわうそ」二階にしつらえちゅう日本唯一の虎竹の襖ばあ壮観ぜよ。(ホントはもっと、壮観)


虎竹バック


いやいや、すばらしい。音楽、鳴子など昔から受け継がれたモノを活かしながら毎年新しい衣装があり、踊りがあり、流行がある。そうそう、伝統と革新ちや。どれっぱあ、すばらしいかと言うたら、もともとアメリカに輸出しよった竹細工を虎竹バックニューヨーカーとして復活させたばあすばらしいぜよ。(ホントはもっともっと、すばらしい)


花火


けんど、ワシは燃えちゅうぜよ、夏やき、暑いき熱うなっちゅうがじゃ無いぜよ。全身真っ赤、赤じゃあ!竹の事らあ、誰っちゃあ、何ちゃあ知らんがやき、ワシが言わんと誰が言うがぜよ!どれっぱあ赤いか言うたら、この前、鏡川で観た花火ばあ赤いぜよ。(これは、同じばぜよ)


コロプラとは何ぞね?

お客様


「コロプラ」とはコロニーな生活PLUSの略で、コロプラさん言う会社が運営しゆう位置情報登録を使う携帯ゲームながてす。まあ、毎日の生活の中で移動した分だけがゲームの中で使える通貨になったり、色々なアイテムが購入できたり、このゲームをやっていないとイマイチ楽しさが分からんがです。


ところが、ゲームの楽しさは分からん方でもこのゲームに熱烈にはまっているファンの方の事は分かりますぜよ!何を隠そう昨日10日から竹虎ではこのコロプラさんと提携させてもろうてコロカと呼ばれる、このゲーム専用のカード配布をはじめたがちや。実は、だいぶ前に一回ここの会社さんからお誘いを受けちょりましたが「携帯ゲームで人が竹虎にやって来る...」なんか、意味が分からず、怪しいがやないかろうか?と思うてお断りしちょったがです。


ところが、昔からのお知り合いでこじゃんと(とても)尊敬もしちゅう九州の卵屋さんがこのコロプラをやりよりまして「断ったらもったいないやんか、お客様が沢山いらっしゃるのに...」と言うような事を教えてくださいますし、実際、高知県ではたったの4店舗しか選ばれないというし、その選ばれちゅう所が馬路村さん、四万十ドラマさんという全国的にも有名でワシなどが憧れるような同じ田舎にある会社様やし、その馬路村さんでは開店前から東京から来たお客様が並んで待っていて、なんと売り上げが十数倍になったと地元新聞記事も読んだし。


これは、一回やってみてもエイかにゃあ...。けんど、まったく期待もなんちゃあせずに昨日を迎えたがです。そしたら、なんと、はじめてのお客様は岩手県から!ええっ!?本当でっしゃろか?(なぜか大阪弁)「九州に行くつもりだったけど、ここが提携したと知ってUターン...」4世代にわたってコロプラ大ファンという強者のお客様の熱いトークを聞かせていただいて、はじめて、このコロプラの事を知った思いぜよ。


その次、その次来られるお客様が「ええ~~~~~~~~~~!?一番のりじゃないの?」と、悔しがるご様子をみていると、まっこと携帯とかインターネットとか楽しみ方は皆様それぞれやし、もしかして人が集まらんとか、モノが売れんとか、田舎だからとか、ワシは言い訳ばっかり言うインターネットの人のつながりを、使い方を何ちゃあ勉強してないだけじゃあないろうか?


この前フランスの大統領がインターネットは第8の大陸やと演説したそうやけんど、まっこと(本当に)その通りじゃ。インターネットの可能性は無限大に広がっちゅうと言う事を昼からの半日で、びっくと(少し)だけ分かった気がしたがです。


犯人逮捕!

タケトラカミキリ


「オマン、逮捕ぜよ!!!」


竹屋を悩ませる虫がおります。細かい穴を開けて竹を喰いちらかす虫は楕円形をした小さな黒いチビタケナガシンクイムシぜよ。そして、大きな穴を開けて竹を喰べるがは、だいたい、この虫タケトラカミキリやき。


この虫には色違いのベニカミキリいうて綺麗な赤い色をしちゅうヤツもおりますけんど、さすがにウチは竹虎やきにタケトラカミキリか多い?いやいや、そんな悠長な事を言う場合やないくらいまっこと(本当に)この虫には困っちゅうがです。けんどオマン、「タケトラ」いう名前が付くばあやったらもっと竹にはエイ事をせんとイカンぜよ。オマンが喰うたら竹の成長が良くなるとか色つやが良くなるとか、それやにワル事しいじゃあ。「タケトラ」の名前が泣くぞね、まっこと(本当に)


ワシらあも、オマンらあが、なるべく喰べんように喰べんように旬のエイ時だけ選んで竹は伐りゆうけんど自然の難しいところやにゃあ、完璧やないがです。けんど、防虫剤とか薬品がワシは大嫌いやし、考えたら虫も食べんような竹を素手で触るち、またそれを食べ物など入れて使うち、びっくとコワイ事やと思いませんろうか?長い竹屋の経験で、できるだけ虫の入らない竹を使いよりますけんど竹は割れも入れば虫が喰う事もあるという事も知っちょって欲しいがです。


竹虎のウエス

ガスバーナー


竹虎にはバーナーと呼ばれる虎竹を炙る専用のガスバーナーがあるがです。鉄と煉瓦で自家設計したものでズラリと5つ並んだガスバーナー口から炎が吹き出して赤々としちょります。冬場はエイですけんど、さすがに夏場は暑い、暑い。


けんど、このガスバーナーの高熱で虎竹をあぶり「油ぬき」という加工をしていきます。竹は、こじゃんと油分の多い植物なので熱を加えると切り口から、シュワーーーーーーーーーーーー!と音をたてて油分が吹き出す程ぜよ。なんでも、この油成分を中国では漢方薬に使う事もあるそうなき、まっこと(本当に)竹というのは奥が深い、色々と役立つことが多い山からの贈り物ちや。


まあ、それはさておき、この天然の油分でウエス(古布)を使うて竹を拭き上げますので初めて虎竹をご覧になったお客様などが、


「ツヤツヤしていますけどニスでも塗っているのですか?」


と質問される事もあるがですが、もちろん、ニスや塗料を使うちゅう訳ではなく竹の持っちゅう自然の油分の光沢ながです。


ウエス


さて、虎竹の油分を拭きとったウエスですがこんな風に汚れのように黒く油分が付着します。竹の油分は凄いですぞね、このウエスを水の中にいれても外に出したとたんにパッパッと水分をはじき飛ばしてしまう程やき!


まあ、けんど普通の方が見たら、ただのボロ布のようにしか見えないウエス、昔から身近にあって工場の周りに張り巡らせたロープに何人ものおばちゃん達が洗濯物を干すようにして乾かしよった、束ねたウエスが山のように積まれちょった、ワシにとったら竹を熱した時の甘い、甘い香りと同じでいつでも幼い昔に戻ることのできる秘密のアイテムの一つながです。



壮観!梅干し

土用干し


土用のうなぎの日は有名ですけんど、土用干しと言うて梅干しを天日に干すのはご存じやったですろうか?梅干しを漬けちゅう方は梅雨があけるのを待ちかねたように一斉に干すがですが、こうやって天日に干したら色つきも良くてこじゃんと美味しい梅になるという事ながです。


けんど、この大阪府にお住まいのお客様はちっとや、そっとじゃあ無いぜよ。まっこと梅干しもこれ程あったら壮観!壮観!よっぽと、梅干しの大好きな方やろうけんど一体何人前漬けちゅうがやろう?さぞ、美味しい梅を漬けられゆうがやろうにゃあ。一回いただいてみとうなってきますちや。竹虎の梅干し用平かごエビラも3台も使うていただいて、梅は皆揃うて気持ち良さげに日光浴の最中ぜよ。


えびら


実は、梅干し用の平かごであるエビラ自体もこうやって天日に乾燥させる事があるがです。今年の天候は、いよいよ不規則で照ったり、曇ったり、降ったりでしたき湿気があって管理がちっくと大変やったきに、こうやってカラリと晴れた日は駐車場などに広げちょりました。それにしても高知の青空、空は青く、雲は白い。当たり前のようなけんどやっぱり高知の青空が一番ぜよ。


竹虎84(はちよん)プロジェクト

竹職人


84(はちよん)会議に行っちょりましてワシも刺激を受けたきに!


やるっ!!!やるぜよ、竹虎84(はちよん)!!!


けんど、竹虎の「84」は森林率の事やないぜよ。ほいたら何やろうか?年齢ぜよ、そうじゃあ、84歳じゃあ。この道、60年、70年いう竹職人は皆80歳越して、だいたい、これっぱあな年齢やき。


箒草


考えたら、あの職人さんもそう...この職人さんもそう...竹の職人さんだけじゃ無いぜよ。箒を作りの職人さんで、箒草の畑まで案内してくれたあの職人さんやち、そうやちや...今のうちにこの職人さんらあの技を記録していくがぜよ。そう言うたらこの3月に大学と国立民族学博物館の先生が来られちょりました。この時の目的も技の記録やったがです。


モノ作りの空洞化は思うたより進みよりますきに、そうやにゃあ、記録にゃあ...。画像や動画で残すがはもちろんですけんど改めて聞かないといちいち話さん事もいっぱいあるかも知れん。話をこじゃんと(とても)聞いて職人さんの人となりも残していきたいにゃあ。


これぞ、竹虎84プロジェクト!


おお、こりゃあ、エイ、びっくとワクワクしてきたぜよ。そうと決まったら、さっそく段取りじゃ、ここでノンキに座っちゅう場合やないがぜよ。


84プロジェクト

84プロジェクト


84プロジェクトち何ぜよ?まあ、その前に「84」の数字やけんど、これは高知県の森林率の事やと。南国土佐言うたら鰹じゃ、龍馬のおる桂浜じゃあと海のイメージが強いですけんど実は森林率が日本一!普通に考えたら岐阜とか長野あたりかにゃあ?と何となく思いよりましたけんど違う、違う、違うぜよ。


高知が日本一やき。確か、日本自体が世界でも2番目くらいの森林国やきそう考えたら高知県は世界でも指折りの森林が多い地域と言えますろう。そんな森林の県(国)から情報発信する「84」。84プロジェクトのすべては交通整理をしよったスタッフの方の簾に手書きしたような84マークが表してるようですがこじゃんと(とても)強い思いのはいった取り組みではあるがぜよ。


梅原真さん


とにかく、この梅原真さんの高知と高知の人に対する気持ちが強い。それから、いやいや、それが全てやにゃあ。人の「思い」は割と良く使われる言葉やきに意外と軽く考える人もおりますろうけんど「思い」ほど、強烈で届くものが早いもんはないぜよ。大切な誰かの事を思うた時、心はすっと、そこに飛んじょりますろう?光が1秒間に地球を7周半回るいうけんど、どっちが早いがですろう?


369種類の木のスプーン


須崎林業事務所いうたら竹虎の近くやいか、そこで働きゆう福留さんも面白い人ぜよ。面白い人が面白い木のスプーンを作っちょりました。高知には600種類ばあの木があるそうやけんど、その中から369種類の木を使うて一本、一本、ナタで手削りしちゅう。そして、仕上げは、何とかいう木の葉で磨く、おじいさんから習うた山の知恵らしい。げに、まっこと(本当に)木の知識がすごい。ここに山からのメッセージがあるがぜよ


竹林寺客殿のお客様


五台山にある竹林寺客殿が会場やったです。ここの場所はもう十数年前になるろうか、土佐和紙を使って花を創作されゆう作家の伊与田先生と虎竹のコラボで個展をさせてもろうた事もある、思い出のあるエイ空間ぜよ。後ろまでギッシリのお客様やった、皆さん地元高知が好きで山も森も自然も大好きな方ばっかりやろう。ここの熱は、この人らあに伝わっちゅうろうか?ここから高知国の人へ、日本国の人へ、どうやって伝わって行くろうか?


牧野植物園の虎竹


ワシは、考え事をする時は竹林ぜよ。「ほいたら、竹林寺におるきピッタリやいか...」まあ、そうじゃ、けんど本当の竹林やき。おっと、そうじゃった!竹林寺の隣の牧野植物園には虎竹の里から移植した彼らがおるがやった。年に何回も来る場所にやってきて問うてみた、その問いがそのまま返ってきた、竹を見上げてみた。今、分かっちゅうのは梅原真という人の、この竹みたいな真っ直ぐな思いだけぜよ。


竹炭工場

竹炭原料


身の厚い孟宗竹は思うたより硬くてナタで割ったりするがにこじゃんと(とても)骨が折れますきに、菊割の機械に丸竹をあてごうちょいて次々に割っていくがです。竹炭窯に入る量は決まっちょりますので窯に入る分だけ割ったら窯入れの作業に移り、いよいよ生の竹が竹炭に生まれ変わっていくがです。


2週間もの時間をかけて昔ながらの土窯を改良した竹炭専用窯の中で高温で焼き上げられる竹炭ですが、そう、そう、この時に煙突からモクモクと出てくる煙から竹酢液も採れるがです。けんど、季節により、竹の素材により、天候により焼き上がりが微妙に違うてくるのでまっこと自然相手の仕事いうがは大変やと思いますちや。


竹炭職人


窯だしされた竹炭は使いやすいように小さいサイズに切断したり選別したり、窯入れする前にも手間がいっぱいかかるけんど窯だしした後にも、アレコレ手がかかるがぜよ。竹炭の粉の舞う工場は壁も床も真っ黒ちや。竹炭職人さんの顔も服も帽子も真っ黒、それでも顔はニコニコ笑いゆう、炭職人さんは皆元気ちや。こりゃあ、竹炭効果かよ!?毎日一生懸命で竹炭焼きゆう皆さん、まっこと(本当に)ありがとうございます。


愛犬アトマ号

愛犬アトマ


昨日は「あいばん」の話をさせてもろうたけんど、その中で祖父の愛犬アトマ号が出てきましたろう?そのアトマとワシのツーショットがコレぜよ!いやいや懐かしいちや、けんど不思議ぜよ、もう40数年も前の昔やにアトマにまたがったて写真撮ってもろうた時の事、結構ハッキリ覚えちゅうがやき。アトマの背中の感触、太股にあたるゴワゴワの毛の感じ...。まっこと面白いもんやにゃあ。


うしろのバケツのむこうには大きなタライが見えちゃある、ちょうどココに井戸があってキコキコとハンドルを動かして水を汲み上げよりました。そして、板に波目模様のついた洗濯板でゴシゴシとランニングシャツを洗いゆう若かった母もおるがちや。


何ちゃあ、ないけんど、全てがあった。長男のせいかも知れませんけんど、とにかくワシの小さい頃の写真はこじゃんと多いがです。けんど、昔の写真のワシはどの写真を見たち、いっつも温かいぬくもりに守られちゅう、笑顔に囲まれちゅう。幸せやったにゃあ、大切にしてもろうて来たにゃあ。


ワシもいつかこんなに人を大切にしたり、こんなに幸せをふりまける男になりたいにゃあ。


「あいばん」という場所

あいばん


物心ついた頃から、工場のこの場所は「あいばん」と呼ばれよった。とびきり良く切れる鋸が勢いよく音をたてて、ズラリと並べられた竹を、一本、一本、色々なサイズに切断していく場所。祖父は、ここに座って次から次へと竹を切りよった、朝から晩まで竹を切りよった。時折、腰にぶら下げたノギスを当てて小さく頭をコクッとする。


「ああ、太さを確認したがや」


子ども心にそう思いよった。


ワシの横には祖父の愛犬アトマ号。警察犬学校出のシェパードが祖父が席を立つのを辛抱強くずっと待ちゆう、ワシの事らあ眼中にない、飼い主の方だけずっと見ゆう。そうじゃあ今思うたら、当時の竹虎の最高学歴は、このアトマやったかも知れんにゃあ。


手早く切断された竹が前に、右に、左に、下に転がる「あいばん」には、いつも6~7人のおばちゃんたちがおってその竹を決められた場所に運んでいく、一定の本数になったらワラ縄で縛り担いでいく。「あいばん」の向こうはキラキラ輝く美しい川が流れよった。まぶしい日差しの差し込む、そっちから吹いてくる風はこじゃんと気持ちがよかったがぜよ。時々、竹の甘い香りがしよったがぜよ。


水の講義

水の講義


今日は物理の講義を聞きよります。講義と言うたち生徒はワシ一人やきにまっこと贅沢なもんやけんど、何を隠そう、ワシは昔からムチャクチャ文系な男やき、正直、東北大学の教授などを歴任されてきて今は地元の大学の名誉教授をされゆうエライ先生の話はこじゃんと(とても)簡単に話ていただきゆうがやろうけんど、びっくと難しゅう聞こえるがです。


「......減圧して沸点を下げる......。」


ややっ、この辺りの話やったら竹虎にも減圧蒸留の竹酢液があるきになんとなく分かりやすいがやけんど、カリカリカリ......。黒板に書いていただく説明は、う...う...う.....ん?分かるような分からんような、分からん所が分からん?


研究施設


そもそも、どうして今日のような講義をうけさせていただく事になったかと言いますと先日、偶然乗り合わせたバスの中で名刺交換させてもろうたがやき。そして、水の研究をしゆうとの事を教えてもろうたがです。知っちょりますか?これからの時代は水がまた一段と大切な時代になるがちや、日本は水が綺麗で豊かやきあんまり気にしてないがですけんど当たり前の事ですが水が無いと生きていく事は出来んがやき。水はこれから、こじゃんと大事になると思います。


放置されちゅう竹林の活用にも役立つかも知れん?なんやらそんな事も言われよりましたきに興味がわいて、こちらの研究所まで訪ねていきましたけんど高知県にこんな凄い先生が、しかも、こんな見た事もないような設備が並ぶ施設で日々頑張りゆうとは全く知りませんでしたちや。久しぶりに学生になった気分の一日やったがやき。